音響聴き比べ

【2023年更新済み】ロケ収録の機材選定とロケの工夫

この記事はAmazonをはじめとした各種広告を含みます。

風対策は必須となる屋外での収録ですが、状況によりますが、室内ほど細かいところまで気にかけていられません。

シンプルです。

  1. ウインドスクリーンをかぶせる。
  2. 音に向かって。
  3. マイクを向ける。

これだけです。

そのため、マイクアンプなどを含めた機材選びが最も重要になってくるかと思いますので、筆者の経験から屋外収録の機材選定と風対策、ロケのポイントなどについて紹介したいと思います。

簡易紹介:こうたろう

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、またスタジオでは音響エンジニア、フォトグラファーなどマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではプロのピアニスト、音響エンジニアとしての知識とスキルをシェアしていきます

ヒーリング音響専門ブランド

屋外での収録はフィールドレコーダーを使う

屋外での収録はフィールドレコーダーと呼ばれる、マイクアンプ、ADC、レコーディングソフトが全部セットになった機材を使います。

マイクは本体だけじゃ録音できないの?〜録音するために必要なものをプロが徹底解説

もちろん最近ではipad対応のオーディオインターフェイスを使って収録可能ですし、iPhoneやipadをレコーダーとして使うこともできます。

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iPhoneやipadに繋げる方法はこちらの記事を参考にしてください。

【無指向性の決定版を完全ガイド】”Tascam DR-05X + バイノーラルマイク”

筆者の感覚的にはフィールドレコーダーのほうが登場シーンが多いです。

というのも、外での収録は

  1. 常にバッテリーとの戦い。
  2. 常に機材入れ替えとの戦い。
  3. 常に荷物整理との戦い。
  4. おまけに冬は寒さとの戦い。

荷物は一つでも個数は少ないほうがいいですし、バッテリーはシンプルなほうがいいです。

おすすめのフィールドレコーダー

各社ハンディーレコーダー、フィールドレコーダーはたくさんラインナップされています。

ポイント現在この記事はリライトしていますが、2023年時点ではタスカムのDR-05Xという機材とバイノーラルマイクの組み合わせが価格を考慮しても素晴らしいことが発覚し、更新しています。
こちらの記事を参考にしてみてください。

初心者から中級者の場合は基本的に選択肢としてはタスカムかズームかの二択になるかと思います。

舶来のモノになりますと、サウンドデバイスのレコーダーやRMEというメーカーもありますが、お値段の問題もあり、オーディオ製品はリセール市場があまり活発ではないため、設備投資としてはかなり慎重にいく必要があります。

初心者

2023年時点ですと、先述のTASCAM DR-05Xはバイノーラルマイクとの組み合わせだと最高の選択肢の一つ。

重要
ただし外付けプラグインパワーにてこちらのバイノーラルマイクを使用することが大前提です。
DR-05Xのマイクアンプは非常に優秀ですが、内蔵マイクではおそらく読者の方がイメージするような音にはならないと思います。
ROLANDバイノーラルマイクロホンイヤホンをサウンドハウスで見る

ZOOMですと、M4というシリーズが発売されており、こちらは32bit収録(初心者でも音が割れない)ができますので、おすすめです。

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M4に関してはたくさんのサンプルをご用意していますので、是非一度聴いてみてください。

【M4 MicTrakレビュー】 M4 32bit レビュー

上級者〜プロを目指す方

ZOOM Fシリーズになります。

執筆時点(2023年)だとF3が一番新しいモデルになります。

F3は現時点では筆者が一番愛用しているレコーダーです。

【ZOOM F3と我が音楽道】

他にF6や廃盤のF4などそれぞれ入力数の違いで数字が割り当てられていますが、F3のマイクアンプはこれまでのシリーズの中でも最高の性能を誇っていると思います。

マイク選びが楽しくなる。

そんなマイクアンプとADCが内蔵されています。

上級者からプロを目指す方であればFシリーズしかないのではないかと思います。

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筆者は基本的にプライベートではTASCAMのレコーダーを使うことが多く、仕事ではZOOMのFシリーズを使うことが多いです。
これまでFシリーズはF4,F6,F8,F3と使用してきました。
ZOOM F6は性能やデザイン、入力数など非常にバランスの取れたモデル、F3はワンポイント録音エンジニアのために開発されたと思っているほど、マイクの性能を最大限まで引き出してくれます。

フィールドレコーダー ZOOM F6 ビデオグラファー必須の一台(サイト内記事)

ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セット

ウインドスクリーンは必須

外で収録するとなると、悩みの種になるのが風切り音。

ウインドスクリーンなしでは、風の音しか入ってない・・・という状況になってきます。

こちらは各種マイクロフォンに対応したものが売っているはずです。

ショットガンマイクを購入するとセットでついてくることもありますが、もしついていない場合は、だいたい「マイクの機種名 +ウインドスクリーン」で検索すると出てくるかと思います。

外で収録の際は必ずつけるようにしましょう。

これがないとずっと「ぼーーーーーーーーーーーーーーーーーー」という音だけが入っていてお話にならなくなってしまいます。

例えばこちらは尾道市で収録した福本渡船のエンジンと出発音ですが、無指向性マイクで収録しています。

こういった船の近くの収録などは特に風が強いので、ウインドスクリーンは必ず装着してください。

この録音ももしウインドスクリーンがなかったら風切りノイズのみの音源になっているはずです。

裏技?!

実はこちらの映像の環境音はサンプラーを使ったシンセサイザーで被せています。

私たちは報道系ジャーナリストではありませんから、常に現場の真実のみを的確に伝える必要はありません。

クリエーターはファンタジスタです。

うまく工夫して風切り対策をしていきましょう。

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この映像のレンズはこちらを使っています。

【望遠レンズはなぜ白い?!】FE 200-600mm F5.6-6.3 G で夕焼け撮影

まとめ+機動力の工夫

ポケットで残量コントロール

右ポケットに残量のある電池〜左ポケットに空の電池

逆でもいいのですが、どっちが空でどっちが使えるのか明確に分けて置くことにしましょう。

めんどくさくなってごちゃまぜになってしまうと後々結局手間取ってしまいます。

マイクケーブルはネックレスに

実はマイクケーブルはオスとメスで繋ぎ合わせれば一つの円になります。

こんな感じ!

途中でノイズが乗ったり、原因不明の不足の事態に備えて予備のケーブルはいつでも交換できるようにこうやってくっつけて首に巻いておくと便利です。

さらに基本的にマイクとレコーダーの間に自分の首を通すことで無駄なからまりを防ぐことにつながりますし、整理しやすくなるので、基本的にロケ収録では、首に回して使っていくことをおすすめします。

冬場の収録ではカイロ・・・あなたが使うんじゃありません。

カメラマンさんには釈迦に説法となります。

冬場の収録はレコーダーも同じこと。

カイロで温めると電池の減りが全然違います。

出発前にまとめて封を開けてカイロを温めておきましょう。

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こちらは金田式DCマイク。
市販されているものではないので、かなりのオーディオマニア向けですが、興味のある方はご覧ください。
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こうたろう

音大を卒業後ピアニストとして活動。日本で活動後北欧スウェーデンへ。 アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。 その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。 帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。 独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。 タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。 大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。 その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。 村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。 祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。 現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。 2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。