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風対策は必須となる屋外での収録ですが、状況によりますが、室内ほど細かいところまで気にかけていられません。
シンプルです。
- 音に向かって。
- マイクを向ける。
これだけです。
もし無指向性のマイクを使う場合は・・・
- ウインドスクリーンをかぶせる。
- マイク置く。
これだけです。
ほとんど機材選びになってくるかと思いますので、筆者の経験上から屋外収録の機材選定と風対策について紹介したいと思います。
屋外での収録はフィールドレコーダーを使う
屋外での収録はフィールドレコーダーと呼ばれる、マイクアンプ、ADC、レコーディングソフトが全部セットになった機材を使います。
もちろん最近ではipad対応のオーディオインターフェイスを使って収録可能。。。
ですが、筆者の感覚的にはまだまだフィールドレコーダーのほうが取り扱いがしやすい印象です。
というのも、外での収録は
- 常にバッテリーとの戦い。
- 常に機材入れ替えとの戦い。
- 常に荷物整理との戦い。
荷物は一つでも個数は少ないほうがいいですし、バッテリーはシンプルなほうがいいです。
おすすめのフィールドレコーダー

タスカムからもハンディーレコーダー、フィールドレコーダーはたくさんラインナップされています。
基本的に選択肢としてはタスカムかズームかの二択になるかと思います。
舶来のモノになりますと、サウンドデバイスのレコーダーもありますが、お値段の割にはお値段に相応しくない感じですのでおすすめはしません。
タスカムの携帯型のレコーダーも素晴らしいものが多いです。
タスカムはおそらくほぼすべてのレコーダーで使用経験があります。
ズームのレコーダーもハイエンドモデルからローエンドまで一通り見てきましたが、個人的にはかなり好みです。
2、ADCの質がいいこと。
3、操作性がいいこと。
で、選んでいます。
初心者〜中級者まで
ズーム製でいくなら入門だとこちらのH6が最高かと思います。
こちらのレコーダーであれば、マイクを間違わなければ本格的なバンド録音、オーケストラ録音など音楽制作にもバリバリ活躍してくれます。
サウンドハウスさんでの購入はこちら
ZOOM ( ズーム ) / H6BK+アクセサリーパックAPH6セットタスカムならこちらなんかはいかがでしょうか。
確かに音はめっちゃいいです。
いいんですけど、やはりどうしてもワンポイント録音向きの機材となりますので、ズームH6のほうが入力も多く状況に応じていろいろなセッティングが試せるためおすすめになります。
上級者〜プロを目指す方
ZOOM Fシリーズになります。
執筆時点(2021年)だとF6が一番新しいモデルになります。
それぞれ入力数の違いで数字が割り当てられています。
上級者からプロを目指す方であればFシリーズしかないのではないかと思います。
筆者は長い間F4を使用し、現在はF6を愛用。
フィールドレコーダー ZOOM F6 ビデオグラファー必須の一台(サイト内記事)
F4で収録した音源は多数ありますが、例えばこちらのピアノはF4収録。
ゼンハイザーのマイクだけで収録していますが、この透明感。
ズームならではの品のある透明感です。
F6は最も新しいモデルですが、このF6とよく比較されるのが舶来で最強と思われがちのサウンドデバイス。
Sound Devices MixPre II Series
予算に余裕のある方はターゲットにしてもいいかもしれませんが、個人的には予算に余裕があるのであればF6を買って周辺の機器を充実させたほうが結果的に幸せになれる気がします。
というわけで基本的におすすめは ZOOM F6になります。
ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セットウインドスクリーンは必須
外で収録するとなると、悩みの種になるのが風切り音。
ウインドスクリーンなしでは、風の音しか入ってない・・・という状況になってきます。
こちらは各種マイクロフォンに対応したものが売っているはずです。
ショットガンマイクを購入するとセットでついてくることもありますが、もしついていない場合は、だいたい「マイクの機種名 +ウインドスクリーン」で検索すると出てくるかと思います。
外で収録の際は必ずつけるようにしましょう。
これがないとずっと「ぼーーーーーーーーーーーーーーーーーー」という音だけが入っていてお話にならなくなってしまいます。
例えばこちらは尾道市で収録した福本渡船のエンジンと出発音ですが、無指向性マイクで収録しています。
こういった船の近くの収録などは特に風が強いので、ウインドスクリーンは必ず装着してください。
この録音ももしウインドスクリーンがなかったら風切りノイズのみの音源になっているはずです。
まとめ+機動力の工夫
- 屋外収録はウインドスクリーン必須。
- レコーダーは単三乾電池のものを選ぶ。
- 基本はショットガンマイク。
- チャレンジャーはマニアックなメガネマイクで独特の収録を。
屋外の場合はやはり機動力が命。
おまけ:機動力の例
右ポケットに残量のある電池〜左ポケットに空の電池
逆でもいいのですが、どっちが空でどっちが使えるのか明確に分けて置くことにしましょう。
めんどくさくなってごちゃまぜになってしまうと後々結局手間取ってしまいます。
マイクケーブルはネックレスに
実はマイクケーブルはオスとメスで繋ぎ合わせれば一つの円になります。

こんな感じ!
途中でノイズが乗ったり、原因不明の不足の事態に備えて予備のケーブルはいつでも交換できるようにこうやってくっつけて首に巻いておくと便利です。
さらに基本的にマイクとレコーダーの間に自分の首を通すことで無駄なからまりを防ぐことにつながりますし、整理しやすくなるので、基本的にロケ収録では、首に回して使っていくことをおすすめします。
冬場の収録ではカイロを忘れずに
カメラマンさんには釈迦に説法となります。
冬場の収録はレコーダーも同じこと。
カイロで温めると電池の減りが全然違います。
出発前にまとめて封を開けてカイロを温めておきましょう。

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服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
スタジオでは「誰かのためにただここに在る」をコンセプトに、誰がいつ訪れても安心感が得られる場所、サイトを模索中。