そんなカントリーマンのB3も価格に見合わない素晴らしい音が録れるマイク。
とはいえ、ステレオペアでのワンポイント録音以外の用途で使う場合は注意点などありますので、購入ガイド的にお届けします。
まずは音聴いてください。
それですべてがわかります。
当スタジオで音響顧問をしてくれている五島昭彦氏の録音。
カントリーマンB3のステレオペアのみで録音しています。
このシンプルな構成にシンプルな音楽、ワンポイント録音の真髄というか、本当に素晴らしい録音ですよね。

簡易紹介:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、またスタジオでは音響エンジニア、フォトグラファーなどマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではプロのピアニスト、音響エンジニアとしての知識とスキルをシェアしていきます
COUNTRYMAN B3

上位機種B6と同等のサウンドとして発売されているB3はその小型性から舞台などの仕込みマイクとして定番となっています。
B6はB3よりもさらに小型。

なんといっても小型軽量なのに頑丈な点。
水に強い設計になっているのでこんなことも可能とアナウンスされています。
できるよと言われても精神衛生上あんまりしたくはないですが、これだけの強さがあると大は小を兼ねるというわけで、汗や結露、雨の中など、いろんなシーンで収録できます。
こんなに柔軟なシーンで録音できるのに冒頭のジャズバンドのようにあんな繊細な録音もできるかなり驚きのマイクなんです。
ステレオペアはない
ステレオペアセットは見当たらないのでラインナップされてなさそうですので、個別で2個購入する必要があります。
もちろんメインマイクではない場合の演者さんや舞台でのモノラル使用であればいいですが、ポッドキャストや音楽収録の場合はステレオ収録は現代では必須になります。
B3を個別に2個購入することに関しては、特に特性に大きなズレはないため、マッチされてなくても大きな問題にはならないと思います。
ただ次にお伝えする逆相が最大のデメリット。
ではデメリットと解決策を見ていきましょう。
正相マイクとの組み合わせには注意
B3を使いまくっている五島昭彦氏の話によるとB3は逆相になっているとのこと。
なのでB3ステレオペアにてワンポイント録音する場合は全く問題ないのですが、正相マイクと組み合わせて使う場合は甚大な問題が発生する可能性もあるため注意が必要です。
解決策
逆相のB3を正相に変換する位相変換プラグが必要です。
他の正相マイクと組み合わせて使用する場合はこちらの変換プラグでB3を正相に変換してから、ミックスしていってください。
位相変換プラグはクラシックプロ(サウンドハウスオリジナルブランド)のものもありますが、コネクタ類としてはNEUTRIKというブランドが一流ブランドで世界中から信頼も厚いですので、NEUTRIKのものがおすすめです。
NEUTRIK ( ノイトリック ) / NA3FMXちなみにNEUTRIKはVR用の特殊なコネクタも作っています。
RØDE NT-SF1 VR mic Test Sound テスト
用途など
- 無指向性ステレオペア録音。
- ステレオ補助マイクとして。
- 舞台などの仕込みマイク。
- 自作のヘッドセットなどに。
プロが厳選 おすすめヘッドセットマイク / プロ配信者向けマイク4選!
このサイズ感はもちろんお値段を考えてもコスパは非常に高いB3。
是非試してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事も参照してみてください。
プロフィール

-
音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。