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音響の専門家であるKotaro Studioのプロデューサー:こうたろうがマイクをピックアップしてお届けします。
基本をマスター
ヘッドセットというとヘッドホンとセットになっているものを思い浮かべるかもしれませんが、基本的にはヘッドにセットできるマイクロフォンという存在になります。
ビジネス目的のテレワークや、会議用のセットの場合はヘッドホンもセットになっているものを選ぶ必要があります。
ただし、テレワークや会議の場合はそこまで音質を気にする必要はないかと思いますので、今回の記事では両手をフリーで使えて且つ音質にもこだわったセットを選んでみました。
- 両手を開けたい場合。
- マイクスタンドやマイクセットをするスペースさえ節約したい場合。
- 水物のそばで収録する場合。

主にこんなシーンで使いますが、やはり基本的には機動力が高い分大口径のコンデンサーマイクよりは音のクオリティーは犠牲になってしまう傾向にあります。
ただし近年のラベリアマイクの性能は指向性までも高い能力を発揮してくれるようになりましたし、良いものを購入しておけば幅広い制作をカバーできるようになります。
ヘッドセットに搭載されるマイクロフォンは基本的にラベリアマイクと呼ばれる小型の素子を調整したものになります。
ラベリアマイクと針金などで改造して、口元に固定して使うなんてこともできますので、ご自身の用途などよく考察して選んでいってください。

プロ仕様のほとんどのヘッドセットマイクでは、同タイプまたはかなり類似のラベリアマイクの素子がそのまま使われていることがほとんどです。
例えば、「基本的にはいつも吹奏楽の収録をしているんだけど、マーチングの指導の時だけ両手を開けて口元に固定して使いたい。」なんて場合は、当スタジオ一押しのラベリアマイクであるSennheiser MKE2を選択し、両手を開けたい時だけ針金や帽子などで工夫して使うという選択肢がベストチョイスになります。
サウンドハウスで見てみる→ SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / MKE2P-C配信者やコンテンツ制作者向けセット
さて、ゲーム配信を始めとする配信者向けのヘッドセットマイクとなると、やはり最重要項目はビジネス目的とは正反対の『音質』、つまりクオリティーになります。
おすすめ順に見ていきましょう!
まずは王者から:DPA / 4488-DC-R-F00
まずはやっぱり王者DPAから。
単一指向性マイクですので無指向性に比べると位置がずれたりしないように気を使う必要がありますが、より声にフォーカスしてほしい時などには大変便利に機能します。
似たようなマイクロフォンで4066素子を採用したものがあり、こちらは無指向性マイクになります。
サウンドハウスで見てみる→ DPA ( ディーピーエー ) / 4066-OC-A-F10-LH-Sただし、この4066はDPAのラベリアマイクである4060の調整版だと思いますので、4066のヘッドセットマイクを購入するのであれば絶対に4060を購入して口元に固定するアイディアを考えた方がお得です。
4066はヘッドセットになっているだけで10万、4060だと一個で5万。
4060をステレオペア(2個購入)しても4066一個の値段です。
4060というと、無指向性マイクの中でもかなりの実力者。
サウンドハウスで見てみる→ DPA ( ディーピーエー ) / 4060-OC-C-B00MKE2とはしっかり差別化された音質ですが、最高峰のサウンドを収録できます。

4060はバウンダリーマイクなんかに使うと最高なんですよね。
話がそれましたが、DPAのヘッドセット買うならやっぱりコスパ的にも指向性がいいと思います。
無指向性のヘッドセットは上記のような理由からなんとなく損した気分というか、無駄に高額なだけ・・・な気がします。
というわけでDPAからは4488!
サウンドハウスで見てみる→DPA ( ディーピーエー ) / 4488-DC-R-F00 ヘッドセットマイクさらに4488のFOOの端子はMicroDotになっています。
そのため一般的なオーディオインターフェイスに採用されている3ピンXLRで使用する場合はアダプターを購入してください。
サウンドハウスで見てみる→ DPA ( ディーピーエー ) / DAD6001-BC決して裏切らない:SENNHEISER / HSP2-3
サウンドハウスで見てみる→ SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / HSP2-3DPAときたら次はやはりゼンハイザーです。
ゼンハイザーは基本的に裏切りません。
6.5gと非常に軽量に作られており、激しい動きをしてもずれる心配はありません。
端子の情報がありませんのでショップに確認してから購入するようにしてください。
無指向性タイプなので、多少口元からずれてもそこまで音質に大きな変化はありません。
ただし、こちらも先ほどのDPA同様、もし自分で改造する時間のある方で配信だけではなく音楽の収録などにも使いたいと言った場合にはやはりMKE2のステレオ2個買いで一個をヘッドセットに改造するスタイルがおすすめになります。
MKE2はそれほどよくできたかなり完成されたマイクロフォンです。
サウンドハウスで見てみる→ SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / MKE2P-C意外と知らない!?:COUNTRYMAN / E6DP5L2
マイクロフォンを選ぶ際に意外に盲点になるのがCOUNTRYMAN。
サウンドハウスで見てみる→ COUNTRYMAN ( カントリーマン ) / E6DP5L2舞台や演劇等で仕込み用マイクとして定番のB6がベースになっています。
ただし、先述の2つのケース同様、じゃあB6を改造する感じで購入した方がいいんじゃないか?とも言えます。
B6は演劇や舞台などではよく使うマイクロフォンになりますので、用途が合えばB6を買って改造というのがいいかもしれません。
サウンドハウスで見てみる→ COUNTRYMAN ( カントリーマン ) / B6
B6の音質はDPAなんかと比べるとどうしても作られた感のある音にはなりますがこのサイズと存在感から見ると驚異的な音を提供してくれます。
このサイズ感なんでうまく仕込めば完全にマイク使っているとはわからなく仕込めます。
マイクの存在がばれたくないようなときや、かなり激しい動きが入るイベントなどでは大変便利に使えます。
接続端子はそれぞれXLR3ピンになっているようです。
ZOOM F6やF3なんかとセットで使うと最高ですよね。
フィールドレコーダー ZOOM F6 ビデオグラファー必須の一台
サウンドハウスで見てみる→ ZOOM ( ズーム ) / F3 Field Recorder予算を抑えたい方:JTS / CM-8015F
予算をできるだけ抑えたい方に伝えたい最大のポイントは、低予算マイクを購入する場合は必ず無指向性マイクにすること。
指向性マイクはお値段と同程度かそれ以下の音質が返ってきますが、無指向性の場合は、お値段以上の音質が返ってくるケースが多々あります。
加えてJTSの無指向性マイクは素晴らしいです。
低予算で抑える方は中途半端にAKG買うんじゃなくて、JTSの無指向性にしておきましょう。
サウンドハウスで見てみる→ JTS ( ジェーティーエス ) / CM-8015F 耳掛けコンデンサーマイク
マイク選びは割とゼロヒャク思考が大切です。
基本的に行く時はがっつり行く、予算削るなら中途半端なところは狙わずに徹底的に削って工夫するという思考回路が大切です。
これはマクロで見るとピアノ選びにも通ずるところがあるのかもしれません。
レコーダー
さて、レコーダーですが、先ほども紹介した通り、ZOOM F6 やF3を使うと最高です。
他にもおすすめのレコーダーがありますのでご紹介しておきます。
マイクロフォンの性能はまず最初にマイクアンプ、そしてADCの順で音が決まってきますので、コンテンツのクオリティーを上げるためにはマイクアンプもしっかり選ぶようにしていきましょう。
ZOOM F6
ZOOM F6はこういったハンディタイプのレコーダーの中でも最高におすすめの機種の一つ。
サウンドハウスで見てみる→ ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セット32bitフロートモードも選択できるので、突発的に大きな音や声が入ってしまっても後から処理することができます。
ここは本当に大きなポイントなのではないでしょうか。
入力数を抑えたF3というモデルもありますが、こちらは手に入りにくいようです。
サウンドハウスで見てみる→ ZOOM ( ズーム ) / F3 Field RecorderSOUND DEVICES MixPre-3 II
こちらも32bitフロート収録が可能です。
サウンドデバイスというと、一昔前までは個人ではなかなか受注仕事がないと思い切って購入できない代物でした。
ブランドものです。
やっぱり憧れのサウンドデバイスといった具合です。
音はZOOMのFシリーズに比べてもう少しねっとりした感じです。
F6に比べてもお値段が倍くらいしていますが、倍ほどの音質の差があるのか?と言われると確実にあるとは言えない感じですので、好みに分かれると思います。
サウンドハウスで見てみる→ SOUND DEVICES ( サウンドデバイス ) / MixPre-3 II ポータブルミキサー&レコーダーZOOM F2
最後にF2にも触れておきたいと思います。
サウンドハウスで見てみる→ ZOOM ( ズーム ) / F2-BT/B フィールドレコーダーこちらは3.5 mm ステレオミニでの入力ですので、上記2機種と比べるとかなり簡易的な装備にはなりますが、32bit フロート収録ができるのと、ADCもZOOMっぽい感じがして小型なので便利に使うことができます。
軽装で向かいたいロケで使うのには最高の装備になるかと思います。
ただし「ロケ収録の機材選定とマイクの使い方」記事で紹介しているマイクロフォン内蔵タイプのレコーダーは今回の配信者向けのクオリティーを最優先する趣旨には合いません。
やはりマイクロフォン内蔵タイプはどうしてもマイクアンプ(外部の)が弱い傾向があるため、今回紹介したF3, F6, MixPre-3 IIが主な選択肢になってくると思われます。

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服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
スタジオでは「誰かのためにただここに在る」をコンセプトに、誰がいつ訪れても安心感が得られる場所、サイトを模索中。