“BS NHKやBBCクラスの音声を目指す4つのポイント”プロが教えるビデオマイクセットの{松竹梅}

ビデオマイク選びビデオマイクというと通称ショットガンマイクと呼ばれる長細い棒のようなマイクロフォンをイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし、ネットでおすすめされているビデオ用マイクを買ってもBS NHKとか、BBCとかみたいな音にならないな〜。。。
と悩みを抱えてませんか?
解決策は簡単なんです。
この記事ではプロ用というタイトルに恥じねいよう最終的にはBS NHKとか、BBCのような音を作っていく機材まで考察。
映像用マイクで高いやつ買ったのにイマイチな感じがする方、さっそく解決策をみてみましょう。

結論:次の4つで解決です。

      
  1. ステレオにする。
  2.   
  3. カメラにマイクを挿さない。
  4.   
  5. 最適なマイクを選ぶ。
  6.   
  7. ノーマライズする。
代替テキスト

本日はこれらの解決策を解説しながらおすすめのマイクや機材を選定していきます。

ステレオにする

ここの問題が最大の問題点となりますし、ネットのおすすめランクなどではほとんど触れられることのない部分であります。

ここがそこそこ高いマイク買ったのに、なんかBSNHKやBBCみたいな音にならない最大の原因。

昨今だとゼンハイザーからMKE440 というカメラにそのまま挿せるステレオビデオ用マイクというのが発売されています。

SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / MKE 440 をサウンドハウスで見てみる

このマイクはカメラのオーディオインにステレオミニプラグ(付属されているコード)を挿すだけなので最も簡単にステレオ化できるマイクです。

ただしもちろんこの簡易ステレオ装置ではBS NHKやBBCみたいにはなりませんので今回の記事では論外となります。

ステレオとモノラルの違いを体験する

例えば、通常の音声収録にしても、モノラルとステレオの違いは大変大きいです。

聞いてみましょう。

無指向性マイクの性能を捉えるため、ステレオ音声の後ろで流れている冷蔵庫のノイズはあえて残していますが、編集で消すことも可能です。

このような聴き比べ方をするといかに映像音声をステレオ化すべきかがわかるかと思います。

通常細長いショットガンマイク一本をカメラに差し込んで使うと、先述の参考音源のモノラルのような状態になります。

カメラにマイクを挿さない

カメラにオーディオインがついている場合直接挿してしまっているのではないでしょうか?

そうなると、どうがんばってもBS NHKやBBCクラスの音にはなりません。

それは例えBlackmagic Pocket Cinema Cameraシリーズの48Vのファンタム電源対応のミニXLR入力端子が付いていてもです。

簡易収録や簡易配信に緊急用として使うのはいいかもしれませんが、マイクロフォンというのは、マイクアンプとADCで音が大きく左右されるもの。

いいマイクアンプなんかになってくるとBlackmagic Pocket Cinema Cameraシリーズより遥かに高額なものも存在するほどなのに、Blackmagic Pocket Cinema Cameraという映像機材に付いてくるマイクアンプとADCでいいはずがありません。(BS NHKやBBCクラスを目指すならです。)

分かりやすい例えこの記事は主に映像関係者の方が見ているかと思いますのでこちらの例えの方が最適かもしれません。
ZOOM からは4K収録もできるレコーダーが販売されていますが、BS NHKやBBCクラスを目指すのに、4Kだからってこれ使いますか?
というわけなんです。
ZOOM ( ズーム ) / Q2n-4K 4Kハンディビデオレコーダー をサウンドハウスで見てみる

音と映像は別:レコーダーが必要

と、いうわけなので、音を最高クラスに保つためにはレコーダーを別で用意する必要があります。

映像データはカメラに、音声データはオーディオレコーダーに、それらをタイムコードで同期。

というのが、王道の編集作業になってきます。

もちろんBS NHKやBBCクラスとなると音声チームがありますので、マスタリングルームで適切に編集をしてから映像と合わせるというのがセオリーですが、そういった作業も現在では個人で充分対応できるようになりました。

最適なマイクを選ぶ

ここが最も重要なポイント。

Youtubeで紹介しているマイクの視聴系動画などは実はあんまり音のことをわかっていない人が適当に繋いで紹介していたり、専門性の高い人であっても、かなり編集(つまり専門的な加工スキルが必要)をかけて投稿しているケースがあり、マイクそのものの性能というのを正確に知るためには、メーカーが制作したサンプルに頼るか、自分で体験してみるかしかないのが現実です。

前者のメーカーが制作したサンプルといっても、メーカーがそもそもめっちゃくちゃ化粧して出しているケースやCM用動画の制作は力を入れているのに肝心の音が聞けないといったケースがほとんどで、ちゃんと検証やサンプルを出しているところは老舗のオーディオブランドメーカーだけになってきます。

それは単に老舗のオーディオメーカーだけが厚化粧せずにそのままの音を出しても恥ずかしくない音を提供できるといっても過言ではありません。

その点この記事で後ほど紹介する松竹梅に関しては筆者が実際に体験した機材や、購入・レンタル問わず使ったことのあるマイクなどをワンポイント録音という厚化粧をしないスタイルの録音エンジニアとしての目線で選定していきますので、是非参考にしてみてほしいと思います。

ノーマライズする

FINAL CUTやダビンチなどではラウドネス調整という名称の機能になってきますが、最適化の技術が必要です。

レコーダーで録音した音をそのまま映像に合わせると何か小さい音といった印象になってしまいます。

ノーマライズに関しては関連記事を参照してください。

Kotaro Studio 流 ノーマライズ哲学

じゃがりこ飯的マスタリング

DaVinci ResolveでEQの使い方(ノーマライズまで)

プロが教えるビデオマイクセットの{松竹梅}

レコーダーを準備して、ステレオ録音し、適切なノーマライズ処理をかけて同期する。

これだけでビデオマイク買ったのに音がいまいち・・・という悩みは解決しています。

問題となるのが機材選定。

ここが一番難しいですよね。

3つのランクに分けてセットを提案していきます。

最後の松セットであれば、個人でもBS NHKやBBCクラスと戦えますし、録り方によっては遥かに上回る結果を得ることも可能です。

梅セット

VRマイクも対応ZOOM F6

ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セット をサウンドハウスで見てみる
ZOOM F6は初心者から上級者まで幅広くおすすめできる最高のレコーダー。
現在だとF3などのチャンネル数の少ないものもありますが、基本的にはプロクラスの音声となると、ステレオ+モノラルの複数チャンネルでの運用は必須になってきますので、6チャンネル(ステレオペア×3)あれば様々なセッティングが可能になります。
ポイント加えて最大の魅力はVRマイクに対応しているということ。
通常ステレオで収録する際はステレオリンクという設定を行いますが、VRリンク機能がついているので、VRマイクを取り扱うことができます。
F6だと6チャンネルですので1VR+1ステレオペアで収録でき、まさにハイクオリティーな映像に相応しい最高の音響品質を獲得できます。

接続方法や設定方法はこちらの記事を参考にしてください。

RØDE NT-SF1 VR mic Test Sound テスト

マイクロフォン

梅コースでのステレオマイクロフォンはaudio technicaのBP4025を提案します。

audio technica ( オーディオテクニカ ) / BP4025 ステレオ・コンデンサーマイク をサウンドハウスで見てみる

BP4025だとマイク一本でステレオペアとして使えるため、荷物の多くなるフォトグラファー、ビデオグラファーさんにも便利。

もちろん純粋なステレオペアのマイクとなると他にも選択肢はありますが、ビデオマイク(音声さんがいない個人での収録)ということでBP4025を選択しました。

Youtubeにわかりやすいサンプルがありましたのでシェアさせていただきます。

birds on the river nature atmosphere mixpre 6 + audio technica bp4025

もちろんこのステレオペアマイクだけでもステレオ収録できますが、用途によってモノラルのショットガンマイク(元来これ単体でビデオマイクと呼ばれていたもの)を組み合わせて収録していきましょう。

ポイント録音の思考回路としては、ベースとなる背景(ステレオペア)という美しい舞台を作り、そこに役者(ピックアップするショットガンマイクや音声マイクなど)を配置して整えていくというのが筆者の好みのスタイルです。

そんな役者となる梅コースでのショットガンマイクはMKH416-P48U3が激しくおすすめ。

SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / MKH416-P48U3 撮影用ショットガンマイク をサウンドハウスで見てみる
代替テキスト

古くから放送業界で定番中の定番として使われていたショットガンマイクでショットガンマイクというのはここに始まりここに終わるといっても過言ではないほど定番中の定番。
ゼンハイザーの中ではMKH8060などの後発のショットガンマイクもラインナップされていますが、MKH416-P48U3の方が個人的には音が良いと思います。
他にもMS方式で一本でステレオセットができるMKH418-S P48Uなどのショットガンマイクも売っていますが、こちらも何を録りたいのか?というのが不明瞭になりやすく、セッティングの幅も狭くなってしまい、結局フィールド用のステレオペアを別で用意する羽目になったりしかねないので、用途を絞って用途ごとに用意した方が無難です。

竹セット

強力なブランド力SOUND DEVICES MixPre-6 II

SOUND DEVICES ( サウンドデバイス ) / MixPre-6 II レコーダー をサウンドハウスで見てみる

SOUND DEVICESは音響やってる人なら知らない人はいないというほど強力なブランド力をもっています。

もちろんそれほど強力なブランド力を持っているため下手な音は残せません。

間違いのない音を残してくれます。

前モデルは32bitフロートに対応していませんでしたが、MixPre-6 IIからは32bitにも対応しており、商品写真にもある通りVRマイクにも対応しています。

 SOUND DEVICES ( サウンドデバイス ) / MixPre-6 II レコーダー をサウンドハウスで見てみる

梅コースのF6に比べると倍以上する価格帯ではありますが、ちゃんと倍以上の音を返してくれる信頼できる機器になります。

代替テキスト

MixPre-3 IIというチャンネル数の少ないモデルもありますが、こちらはMixPre-6 IIより一万円安いだけでMixPre-6 IIを選ばない理由はないかと思いますので紹介していません。
ちなみにMixPre-10 IIというチャンネル数が多いものがありますが、こちらは映画やドラマなどの撮影に使うことで想定されていますので、セッテイングなども含めて複数人のチームで管理するのが前提となります。
MixPre-6 IIでもVRで全マイクチャンネル占領したとしてもAUX INがあり、拡張性は確保されています。
ただし予算に余裕があればMixPre-10 IIにしておくと映画ドラマはもちろんどんな録音にも対応可能になりますので設備投資として機能するのであればおすすめ!

 SOUND DEVICES ( サウンドデバイス ) / MixPre-10 II ポータブルミキサー&レコーダー をサウンドハウスで見てみる

32bitの解説なこちらの記事を参考にしてください。

フィールドレコーダー ZOOM F6 ビデオグラファー必須の一台

マイクロフォン

舞台作りにはVRマイクはおすすめ!

SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / AMBEO VR MIC をサウンドハウスで見てみる

VRマイクは現時点ではゼンハイザーのものか、ロードのものと二択になるかと思います。

レコーダーとセットで96khzで収録と謳われているものもありますが、当然、マイクアンプやADCの性能に信頼性はありません。

もちろんZOOM H3-VRもレコーダー内蔵です。

筆者も使ってみたことありますが、気軽にVR体験ができる程度と考えて差し支えありません。

ロードの方は国内では在庫切れとなっており、オーストラリアやその他海外からの購入になります。

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ちなみにオーストラリアのロード本社に問い合わせたところ、『本社に連絡してくれれば通販で販売できます。』とのこと。
ただし、決済機能がないのとPayPalなどは本社購入は未対応なので、振込に・・・これは手数料や初期不良、輸送補償などの面で見ても現実的ではありません。
頻繁にショップを探していると納期:予定なし、未定からお取り寄せになることもあるかもしれませんので、地道に探すのがいいでしょう。

RØDE NT-SF1 VR micに関してはこちらの記事を参考にしてください。

RØDE NT-SF1 VR mic Test Sound テスト

ショットガンマイクは梅に引き続きMKH416-P48U3が激しくおすすめ。

SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / MKH416-P48U3 撮影用ショットガンマイク をサウンドハウスで見てみる

梅セットになると、舞台(比喩)となるフィールドマイクを他の指向性マイクのペアにしたり、無指向性マイクのペアにしたりと環境や状況に応じて様々な選択肢を考えていってもいいですね!

マイクロフォンの種類を知る

上級者向け?!3つの無指向性のおすすめマイクを紹介

松セット

Fireface UFX IIあたり・・・と言いたいところですが、チャンネル数などを考慮するとどうしても映像制作がメインの場合はハード面でオーバースペックとなってしまうので今回は外します。

ちなみにFireface UFX IIはこんなやつ。

RME ( アールエムイー ) / Fireface UFX II オーディオ・インターフェイス&レコーダー をサウンドハウスで見てみる  RME ( アールエムイー ) / Fireface UFX II オーディオ・インターフェイス&レコーダー をサウンドハウスで見てみる
レコーダーは基本的に竹セットでもお届けしたサウンドデバイスのMixPre-6 IIでOK。
音楽作品の収録が目的ではないので、自然界や少々過酷な状況下での収録もありえると考えるとやはりMixPre-6 IIがベストだと思います。
SOUND DEVICES ( サウンドデバイス ) / MixPre-6 II レコーダー をサウンドハウスで見てみる
代替テキスト

音楽収録ではなく、ロケでの収録をベースに考えると、RMEで下手にマイクアンプやADCを別々で揃えてやるよりも、移動、セッティング含めてMixPre-6 IIの方がベストな選択肢となります。

おすすめのマイクロフォン

SCHOEPS ( ショップス ) / CMIT 5U をサウンドハウスで見てみる  SCHOEPS ( ショップス ) / CMIT 5U をサウンドハウスで見てみる

さて、松セットのマイクロフォンはこれです。

ショップスのショットガンマイク。

BS NHKやBBCクラスの映像用マイクという趣旨で考えた時にはショットガンマイクは先述のゼンハイザーMKH416-P48U3かCMIT 5Uの二択で大丈夫。

ポイント特に両者を比較してもCMIT 5Uは別格中の別格でまさしく別次元の超指向性音を集音することができます。
これはもう動物系や、スポーツ系、自然系と距離を取る必要がある収録や写真家、ビデオグラファーさんに是非おすすめしたい一本です。

ただしCMIT 5Uもモノラルマイクであり、一本で収録をカバーすることはできません。

必ずステレオペアマイクとのセット、組み合わせで収録する必要があります。

松セットでのステレオペアマイクは目的に応じて選択していきましょう。

筆者ならSCHOEPS Stereo Set MK 4を選択します。

フラッグシップマイクという位置付けで考えた時ショットガンマイクもそうですが、SCHOEPS ( ショップス ) というマイクメーカーは個人的に別格な存在です。

SCHOEPS ( ショップス ) / Stereo Set MK 4 をサウンドハウスで見てみる

まとめ

まずはビデオマイクというのはステレオで用意する必要があるということがわかったと思います。

松セットは状況に応じてステレオセットを用意する必要がありますが、基本的に、SCHOEPS Stereo Set MK 4+CMIT 5U+MixPre-6 IIの組み合わせで構成すればかなりの状況をカバーできると思いますし、BSやBBCのドキュメンタリーや映像作品などに個人で充分に戦えます。

おまけ:なぜモノラルが放送用マイクと言われるのか?

放送業界、音響業界の古くからの常識が根をひいている部分があります。

基本的に昭和時代だと、音響エンジニアに求められるスキルは、次の3点でした。

      
  1. ステレオからモノラルに切り替えた時に違和感はないか?
  2.   
  3. 標準のカーステで再生しても違和感がはないか?
  4.   
  5. 小さいボリュームでも違和感はないか?

これはリスナー、視聴者がどんな環境で聴いているかわからないという意味で当然モノラルのテレビも当たり前にありましたし、病院で売ってるテレビ用のイヤホンはモノラル、ラジオだってモノラルが基本、放送業界人はステレオで収録してもモノラルで再生されるというのが基本にありました。

そのため、ショットガンマイクだけで収録することもありましたし、ショットガンマイクのモノラルを基本軸として収録編集する(できる)耳を育てる必要があったんですね。

そのため今でのその名残を受けてビデオ用、映像用=ショットガンマイク一本みたいな風潮が残っています。

しかし、現在ではもちろんほぼすべての人がイヤホンやヘッドホンを含めたステレオ環境で視聴しますし、サラウンドだって当たり前になりつつある時代。

クリエーター側がモノラルで収録するというのはそろそろ時代遅れであるといえます。

この記事もいかがですか?

あまり外に持ち出して使うタイプのマイクではないですが、640などは一本でステレオ録音できるため注目です。

【保存版】LEWITTっていいマイクですか? 大口径マイクシリーズの選び方

Kotaro
Kotaro
服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
アルゼンチンに関する情報に特化した『青いタンゴ礁』も運営中!