イコライザーは有料のもの、無料のもの、たくさん種類が出回っています。
今回はwinでもmacでも無料で使える動画編集ソフトである、DaVinci Resolve (ダビンチリゾルブ)を使って解説していきます。
DaVinci Resolveは動画編集ソフトの中でも無料で使える高機能ソフトとして人気の高いソフトで、動画制作の初心者でもノーリスクでトライできるため、非常に便利です。


ローカットして終わり
以上です。
というくらい簡単なので、進めていきましょう。

まずはダビンチで編集画面を出していきましょう。
早速サウンド編集ツールを出していきましょう。

するとこのような画面が出てきます。

「ここをダブルクリック」の部分をダブルクリックするとイコライザーの画面が出てきます。
確か、古いバージョンのダビンチだと、「ここでその他のプラグインを出す」ボタンから毎回出す仕様だったと思います。
ここにイコライザーがデフォルト設置されているのはアナログ時代から変わりません。
この矢印の部分全体をミキサーと呼びますが、アナログミキサーにもデフォルトでイコライザーは設置されています。
それくらいすぐに使うし、ちょっと軽く使うという感覚です。

EQをダブルクリックするとこのようにEQが出てきます。
めっちゃ難しそうですよね。
まずはこの通りに動かしてみて!

まずは2番のボタンを矢印の方向へゆっくり動かしてみてみましょう。
なんかすごくスッキリとした音響に変わっていくのがわかりますか?
モニターヘッドホンはもちろんHD25を使っていますか?!
【続・モニターヘッドホンはおすすめが1つしかない件】モニターと視聴は分ける
これは俗にいうローカットと言って、音をスッキリさせるために使う領域です。
実はプロ用途ではないけど、ちょっと本気の録音機に搭載されているローカットスイッチというのは、内部でこの2番ボタンを落としていく処理が施されています。
音をスッキリ抜く他にノイズの処理までできちゃう万能必殺技です。
適当にポイントを探ってみる

それこそ音源の数だけポイントはあって、正解はありません。
信頼できるのは自分の耳だけ
最高のアナライザーはあなたの耳であり、あなたの耳以外に信頼できるアナライザーはありません。
仮に、他の分析ツールやアナライザーで山型に整えたからと言って、あなたの耳に違和感があるのであればそれは失敗です。
常に自分の耳だけを信じましょう。
世界的に活躍するどんな音響エンジニアも、スティービーワンダーも、マイケルジャクソンも、オノ セイゲンも、誰1人として正解を知りません。
みんな探りながらやっています。
そして正解がなんなのかさえ誰にもわかりません。
自分なりの正解を見つけるしかないまさに終わりなき旅なのです。

ミドルとハイは極小で動かす

例えば5番のボタン。
これをあげていくと、「サー」というノイズが入ってくるかと思います。
もしくはナレーションやボーカルなどの音源だと「サ行」が非常に独特な音に変わっていくのがわかります。
画像4番はミドル周波数帯を触りますが、ここはまさに前回お伝えした針の最終ポイント。
ボタンを持って動かしながらどこに血栓があるのか探して、見つけたらそのポイントにおいてください。

順番まとめ
まずは、2番で全体のノイズを調整。
音のこもっている部分を抜いてスッキリさせる。
次に5番で発音が綺麗かどうかをチェック、フィールド音であれば、この周波数帯にノイズがあるかどうかチェック。
あれば動かして確認してください。
最後に4番で最終調整。
順番や方法に決まりはありません。
これは筆者のやり方であって、みなさんそれぞれにやり方を見出してくれるのがベストです。
ノーマライズ

さて、最後にオーディオのノーマライズ処理。

一般的には0dbで書き出すのが当たり前になってきていますし、リミッターやコンプレッサーを使ってコントロールするのは常識です。
ただし筆者の個人的な考え方では0dbはおすすめしません。
もちろんこれは個人的な考え方です。
おすすめは-1db, -2dbなどですが、音源によってこのピーク値は変えなければいけないと思っています。
例えるなら・・・
寿司を握る時のわさびの量・・・という感覚なのでしょうか。
わさびってネタによって量が変わりますよね?
ネタやシャリの具合によって微妙に量を調整して握っておられるかと思います。
全部が全部同じ量というのもおかしな話。
オーディオを右クリック
このようにオーディオトラックを右クリックするとメニューが現れますので、そこからノーマライズを選択してください。
選択するとこのような画面に切り替わります。

ターゲットレベルは現在のレベルが表示されているはずです。
(おそらく-10dbなどそれ以上?の-での大きな数字かもしれません)
これをできれば-1db, -2dbあたり・・・
音源によって変わりますがまずは-2dbにしましょう。
-2dbでノーマライズしてください。
すると音が均一化されて、どのデバイスで聞いても小さすぎて聞こえない!なんてことは起こりません。
おすすめの有料プラグイン

ダビンチに内臓されてるイコライザー、めっちゃいいです。
これで充分です。
充分なんて言葉失礼なくらい。
最高です。
ただ、参考までに一つ有料のものを挙げるとすれば・・・
筆者はもうかなり長い間Native Instrumentsのイコライザープラグインを使っています。(画面右側のプラグイン)
SUPERIOR MIXING TOOLSというシリーズの一つにイコライザーが入っており、イコライザーだけ単品でも買うことができたと思います。
これもなんでか知りませんが、音がいいんです。
ただし注意して欲しいのが、昔から使っているからという理由で使い続けているだけの可能性はあります(笑)
エンジニア気質の人って結構、昔から使ってるものが最高だ!と思い込むバイアスにかかりまくってしまう性質があるので注意です。(筆者のこと・・・)
なので、もし有料版を揃えたい!
という方は他のサイトなども検討しながら自分なりのベストを見つけてください。
さいごに:イコライザーは使わないでください

何言ってんだこいつ。。。
すみません。
基本的に使わないでおくのが一番なのです。
特に、リバーブ、ディレイなどはマイキングだけで表現できればそれにこしたことはない。
これは本当にいろんな考え方がありますので、筆者個人の考え方の一つとして参考までに留めておいてもらいたいのですが、「編集で後からどうにでもなる」というスタイルは当スタジオではあまり推奨していません。
当スタジオでは3段階のレベルに分かれています。
- 「ノーマライズのみです」というのが最高の状態。
- 「ちょっとEQ触ってます」。
- 「編集前提です。」
という3つのレベル。
今は受注していませんので言えちゃいますが、「3」の音源は、クライアントに聞いてもらうのが前提の業務用音源となります。
Kotaro Studioの録音に関する考え方などは金田式DC録音テストの記事にてシェアしていますので、興味のある方は是非こちらの記事も参考にしてみてください。
【金田式DCマイク】 ショップス MK2, DPA2006カプセルでテストレポート:マイクに対する考え方
プロフィール

-
音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。
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