【総額72万円 VS 総額1万5千円】無指向性マイクロフォンの3パターン比較

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フォルクローレのミニドキュメンタリー企画の収録の際に、3パターンにてマイクロフォンの比較テストを同時進行していましたので、サンプル音源をシェアしていきます。

ポイント

Youtube版も用意しています。
Youtube版ではシネマカメラ Sony FX30の内蔵マイクを含めた4種類で比較試聴できます。
DPA4006の価値とは?!

簡易紹介:こうたろう

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
プログラミング(C)を株式会社ジオセンスのCEO小林一英氏よりを学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、またスタジオでは音響エンジニア、フォトグラファーなどマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではプログラマー、音響エンジニアとして知識とスキルをシェアしていきます

まずはブラインドで音源を聴いていただきましょう。

ボンボという民族太鼓にPezuñas(ペスウーニャス)(後半で解説)というパーカッション、それにピアナ・ナッチョの歌が入ります。

埋め込みはDropbox経由で行っています。
埋め込み方法についてはこちらの記事で!

Aのパターン

Bのパターン

Cのパターン

ポイント

モニターヘッドホンはこだわりがなければ基本的にHD25にしてください。
金田式DC録音の五島昭彦氏もかなり推奨しているヘッドホンです。

SENNHEISER HD 25 PLUS

当サイトでも一押しの中の一押し。

本当に素晴らしい音を体験できます。

上位モデルもあるんですが、このHD25の方がいいんです。

サウンドハウスでの価格

スタジオの音響顧問:金田式DC録音の五島昭彦氏も絶賛、何個も持っています。

関連記事:HD25 分解と修理

SONY / MDR-CD900ST

これを外すわけにはいきません。

業界では定番中の定番。

オーバーイヤータイプですので長時間のモニター、制作におすすめです。

サウンドハウスでの価格

ただし、業界ではどこでも誰でも持っているので持ち出す時は名前を書くなど目印が必要かも?!

関連記事:定番モニターヘッドホン3選

CLASSIC PRO / CPH7000

サウンドハウスのオリジナルブランドのモニターヘッドホン。

サウンドハウスでの価格

お安く提供してくれていますが、その分余計な加工がされていないため、とても素直でフラットな音を提供してくれます。

非常にコスパのいいモニターヘッドホンです!

解説

すべて無指向性のAB方式で同じマイクバーにほぼ同じ位置でセット。

iPhone13
  1. AのパターンはZOOM F6にプリモのEM158の素子を使っています。(機材総額8万円ほど)
  2. BのパターンはDR05XにWM61Aの素子を使っています。(機材総額1万5千円ほど)
  3. CのパターンはZOOM F6にDPA4006を使っています。(機材総額72万円ほど)

この中ではやはりDPA4006の存在感が圧倒的だと個人的には感じます。

DPA ( ディーピーエー ) / ST4006A ステレオペア / サウンドハウスで見る

無指向性マイクですので、マクロな音響では大差がないかと思いきや、しっかりモニターしてみると特にボンボの下に抜ける音に大きな違いがあることがわかります。

DR05XとWMの組み合わせ(B)も最高クオリティーなのは間違い無いですが、下に抜ける音のレンジが若干アバウトに感じます。

1番の比較対象としては同じF6を使っているEM158(A)とDPA4006(C)の比較になるかと思います。

お値段だけで見てしまうとどうしても色眼鏡で見てしまうところがあるかもしれませんが、EM158は二個で500円。

対してDPA4006は業界最安値になることが多いサウンドハウスさんでも二個で60万円以上。

価格差ほどの音質差がないことは明白です。

ただし専門的な目線で追い込んでみていくとやはりかなり大きな差を感じるわけであります。

例えば45秒あたりから再生してもらうと、49秒あたりでボーカルがブレイクする場面があります。

ここの減衰のグラデーションは圧倒的な差があり、DPA4006(C)のクオリティーがいかに高いかがわかります。

ポイント基本的なモニターヘッドホンはやはりゼンハイザーのHD25にはなりますが、リバーブやディレイのチェックはオーストリアンオーディオのHi-X15がおすすめ。
Hi-X15 密閉型ヘッドホンをサウンドハウスでチェック

減衰のグラデーションの面ではDPAが他のマイクロフォンを寄せ付けないポイントの一つ。

例えばショップスなどの他の高級ブランドよりもグラデーションの幅は豊かに感じるわけです。

こういう民族音楽でそれを要素としてよしとするか、もう少し荒々しい録音をよしとするかはまた別のお話になりますが、この3パターンの比較でみてもやはりDPA4006は王者の風格を纏っていると言えます。

マイクアンプのはなし

こちらはZOOM F3とDPA4006の組み合わせ。

F3 Field Recorder / サウンドハウスで見てみる

F6からF3への進化はマイクアンプ部が顕著に現れています。

ノイズ処理やEQなどを一切当てていないノーマライズ処理のみでのナレーション録音。

やはりDPA4006を使うならF3クラスのマイクアンプから使っていきたいですよね。

F3のマイクアンプだと少しざらざらした感じになります。

おそらくRMEなどのマイクアンプだともう少しところてんのような、ヌルヌルした感じになるのではないかと想像しています。

Pezuñasの解説

収録終了後にはPezuñasだけをDPA4006とF3で録音してみました。

これ、結構癒されるんです。

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Pezuñas(ペスウーニャス)はアンデス山脈地方に伝わる伝統的な楽器の一つ。
Pezuñasはスペイン語で「ひづめ」の意味で、アンデスではラマかアルパカの蹄を使ったものをPezuñasと呼びます。

この楽器自体の名前はChajchas(チャフチャス)と呼びます。

チャフチャスの中のラマかアルパカの蹄を使ったモデルをペスウーニャスというわけですね。

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近年では衛生面の視点から木の実などを使ったものもあります。
興味はあるけど動物はちょっと・・・と抵抗のある方は木の実のモデルで癒されてくださいね!

シンプルに研ぎ澄ます音響。

無指向性AB方式でのステレオ録音は夢とロマンが詰まっています。

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