フォルクローレのミニドキュメンタリー企画の収録の際に、3パターンにてマイクロフォンの比較テストを同時進行していましたので、少しだけサンプルをシェアしていきます。
noteでは同じ日の写真に関する話題を投稿しています。
まずはブラインドで音源を聴いていただきましょう。
ボンボという民族太鼓にPezuñas(ペスウーニャス)(後半で解説)というパーカッション、それにピアナ・ナッチョの歌が入ります。
埋め込み方法についてはこちらの記事で!
【保存版】WordPressにDropboxの音声, 動画ファイルを埋め込む方法
Aのパターン
Bのパターン
Cのパターン
解説
すべて無指向性のAB方式で同じマイクバーにほぼ同じ位置でセット。

AのパターンはZOOM F6にプリモのEM158の素子を使っています。(機材総額8万円ほど)
BのパターンはDR05XにWM61Aの素子を使っています。(機材総額1万5千円ほど)
CのパターンはZOOM F6にDPA4006を使っています。(機材総額72万円ほど)
この中ではやはりDPA4006の存在感が圧倒的だと個人的には感じます。
無指向性マイクですので、マクロな音響では大差がないかと思いきや、しっかりモニターしてみると特にボンボの下に抜ける音に大きな違いがあることがわかります。
DR05XとWMの組み合わせ(B)も最高クオリティーなのは間違い無いですが、下に抜ける音のレンジが若干アバウトに感じます。
【吹奏楽部や合唱部の必需品?!】”Tascam DR-05X + バイノーラルマイク”
1番の比較対象としては同じF6を使っているEM158(A)とDPA4006(C)の比較になるかと思います。
お値段だけで見てしまうとどうしても色眼鏡で見てしまうところがあるかもしれませんが、EM158は二個で500円。
対してDPA4006は業界最安値になることが多いサウンドハウスさんでも二個で60万円以上。
DPA ( ディーピーエー ) / ST4006A ステレオペア をサウンドハウスで見てみる価格差ほどの音質差がないことは明白です。
ただし専門的な目線で追い込んでみていくとやはりかなり大きな差を感じるわけであります。
例えば45秒あたりから再生してもらうと、49秒あたりでボーカルがブレイクする場面があります。
ここの減衰のグラデーションは圧倒的な差があり、DPA4006(C)のクオリティーがいかに高いかがわかります。
減衰のグラデーションの面ではDPAが他のマイクロフォンを寄せ付けないポイントの一つ。
例えばショップスなどの他の高級ブランドよりもグラデーションの幅は豊かに感じるわけです。
こういう民族音楽でそれを要素としてよしとするか、もう少し荒々しい録音をよしとするかはまた別のお話になりますが、この3パターンの比較でみてもやはりDPA4006は王者の風格を纏っていると言えます。
マイクアンプのはなし
こちらはZOOM F3とDPA4006の組み合わせ。
ZOOM ( ズーム ) / F3 Field Recorder をサウンドハウスでチェックF6からF3への進化はマイクアンプ部が顕著に現れています。
ノイズ処理やEQなどを一切当てていないノーマライズ処理のみでのナレーション録音。
やはりDPA4006を使うならF3クラスのマイクアンプから使っていきたいですよね。
F3のマイクアンプだと少しざらざらした感じになります。
おそらくRMEなどのマイクアンプだともう少しところてんのような、ヌルヌルした感じになるのではないかと想像しています。
RME ( アールエムイー ) / QuadMic II マイクプリアンプ をサウンドハウスで見てみるPezuñasの解説
収録終了後にはPezuñasだけをDPA4006とF3で録音してみました。
これ、結構癒されるんです。
Pezuñas(ペスウーニャス)はアンデス山脈地方に伝わる伝統的な楽器の一つ。
Pezuñasはスペイン語で「ひづめ」の意味で、アンデスではラマかアルパカの蹄を使ったものをPezuñasと呼びます。
この楽器自体の名前はChajchas(チャフチャス)と呼びます。
チャフチャスの中のラマかアルパカの蹄を使ったモデルをペスウーニャスというわけですね。
近年では衛生面の視点から木の実などを使ったものもあります。
興味はあるけど動物はちょっと・・・と抵抗のある方は木の実のモデルで癒されてくださいね!
シンプルに研ぎ澄ます音響。
無指向性AB方式でのステレオ録音は夢とロマンが詰まっています。
フォルクローレのドキュメンタリー完成は2023年5月あたりを予定していますので乞うご期待。
プロフィール

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音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。
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