初心者ほど高級マイクを使うべき理由を知っていますか?
良いマイクと使って良いオーディオを体験するということは、その後の感性を左右するとっても大切なこと。
加えて編集時間を大幅に、いえ、極端に削減することができます。
ちょっと背伸びをして最初のマイクに最高のマイクを選択することでその後のオーディオ、コンテンツ制作において、それはそれはもう計り知れないほどの膨大な時間の消費を節約することにつながるわけです。
Youtubeが伸びなかったらどうしよう。
続かなかったときのこと考えると安いものでもいいかも・・・
いえいえ、これはカメラのレンズも同じ。
最高のものというのは、最高の中古価格が付くんです。
カメラとオーディオの世界はまさにこの言葉が生まれたんじゃないか?
くらいの典型的な『安物買いの銭失い』な世界。
マスタリングや編集の手数が少ない初心者こそ、良いマイクを購入することで編集作業を大幅に省略することもできます。
『入門向け』というと比較的値段の安いものに目が行きがちですが、逆なんです。
良いものを知ることでより早くステップアップしていくことができ、無駄に悩む時間を削減することができます。

レンズ選びは古今東西様々な種類があり、機材選びは本当に難しい世界です。
比較するとマイクロフォンは結構簡単な世界。
最高の製品は実は何十年も変わらないし、新しくもなっていないし、種類も決まっているんです。
まさに知っているか知らないかだけの世界。
新しく出ているマイクなども基本的には過去の名作のコピー品ばかりです。
この記事で最高のマイクをまずは知りましょう。
そして、設備投資するなら最高のマイクを導入してたくさんの時間と資産のロスをなくしませんか?
最高と言ってもただ値段が最上のものというわけではなく、ちゃんとプロの目線でコスパなど考慮してご紹介しているので安心してくださいね!
Youtubeやラジオ配信(屋内)
NEUMANN ( ノイマン ) / TLM49 コンデンサーマイク
コスパめっちゃいいです。
ノイマンというとU87シリーズが定番中の定番となっており、代名詞みたいな存在。
しかしコスパ考えるとTLM49がノイマンの音声撮りならベストです。
実はこのマイク、アコースティックベースの収録にも最高です。
U87に関してはコピー商品が世界中で作られていて、正直コピーでもいいんじゃない?と思える水準のものもたくさん出ています。
TLM49に関してはノイマンらしさを持ちながら、透明感も併せ持ったハイブリットノイマンという印象。
KM184なんかもノイマンをゴリ押ししないハイブリットノイマンとして筆者はおすすめしていますが、KM184は後述します。
NEUMANN ( ノイマン ) / TLM49 コンデンサーマイク をサウンドハウスで見てみるAustrian Audio ( オーストリアン・オーディオ ) / OC18
21世紀になってから誕生した新興マイクロフォンメーカーの一つです。
といってもやっぱり新興企業でも優秀なのは『元AKG』の肩書きを持っている企業。
ウィーンAKGの解体で、AKG出身のエンジニアが新興企業を立ち上げるブームみたいなのが一時期流行りました。
そんな中で生き残ったのがオーストリアンオーディオとルイット。
この二つは生き残っただけあって、もう本当に最高です。
なにしろAKGのDNAを継承しているわけです。
OC18は指向性のみのマイクですが、素子自体はフラッグシップ機と同じなのでコスパは最高ですね。
Austrian Audio ( オーストリアン・オーディオ ) / OC18 をサウンドハウスで見てみるLEWITT ( ルウィット ) / LCT 540 S
オーストリアンオーディオと共にAKG出身の人たちで構成されたオーディオメーカーであるルイットも絶対に外せません。
LCT440PUREでも充分すぎる性能を発揮してくれるんですが、540になると明確にワンランク上のクオリティーを間違いなく提供してくれるわけです。

のちにも登場しますが、このLCT540Sは2本揃えてステレオペアで音楽収録する際なんかにも抜群の威力を発揮してくれます。
詳しくはルイットの特集記事を参考にしてみてください。
【保存版】LEWITTっていいマイクですか? 大口径マイクシリーズの選び方
540は高級マイクにしか存在しない音の輪郭部分があるんです。
この値段では考えられない性能。
数十万円するマイクロフォンにも引けを取らないですね。
LEWITT ( ルウィット ) / LCT 540 S をサウンドハウスで見てみる据え置きタイプの方必須のアイテム
スタジオ据え置きの場合は必須のアイテムがあります。
それがマイクスタンドとポップガード。
マイクスタンドはなんでもいいというわけではないんです。
スタジオ据え置きの場合は卓上スタンドがベスト。
なにせ重いのが重要です。
本当に全然音が違いますよ。
間違ってもブームスタンドとかアームスタンドとかの軽いものに良いマイクを吊るさないでください。
おしゃれもマイクも足元からです。
迷う時間もったいないので正解を教えます。
K&M ( ケーアンドエム ) / 23325 卓上マイクスタンド をサウンドハウスで見てみる卓上スタンドはこれでOK。
で、ポップガードはいろんな種類やメーカーありますが、これにしてください。
後悔することはありません。
STEDMAN ( ステッドマン ) / PROSCREEN 101 をサウンドハウスで見てみるYoutubeやラジオ配信(屋外)

ハンドタイプのマイクロフォンが便利。
最近だと小型のピンマイクなども主流になってきていますが、インタビューや気軽に街歩きの際は収録時間の削減にもつながります。
NEUMANN ( ノイマン ) / KMS104
定番はこれ。
やっぱり最初におすすめするのはどうしてもノイマンになってきます。
サンプルを聞いてみるとスタジオなんかでもいけるじゃん?って思うでしょう?
そうなんです。
このハンドタイプのマイクロフォンを選ぶ基準のようなものというのは、スタジオのクオリティーを外でも実現!というところなんですね。
それって素敵なことだと思いませんか?
NEUMANN ( ノイマン ) / KMS104 をサウンドハウスで見てみるSENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E965 ボーカル用コンデンサーマイク
選んで失敗しないオーディオメーカーとしてはやはりゼンハイザーは外せません。
ゼンハイザーはプロ向けのオーディオ製品がたくさん出ています。
ゼンハイザーを選んで失敗するということはまずない・・・かと思います。
ゼンハイザー買ったのに最悪だった・・・という経験がある方は是非教えてほしい。
E965はいろんな意味で非常にバランスの良いマイクロフォンです。
超指向性の切り替えができるあたりもいろんな用途に使えるポイント。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E965 ボーカル用コンデンサーマイク をサウンドハウスで見てみるAKG ( アーカーゲー ) / C5 コンデンサーマイク
ちょっと気になったので買ってみたマイク。
ただし、若干編集技術が必要なマイクになりますので、オーディオ編集やマスタリングなども一緒に勉強したい方に最適。
ハンドタイプの中では最も安価なものですが、冒頭でもお伝えした通り、これは逆に上級者向けなんです。
AKG ( アーカーゲー ) / C5 コンデンサーマイク をサウンドハウスで見てみるガッツリ音楽を収録する
ここは特に専門分野です。
もう大船に乗ったつもりで任せてください。
金田式DCワンポイント録音の技術を継承する音楽収録経験が豊富な筆者がバッチリ最高の間違いが起こらないマイクを紹介します。

ビデオグラファーの方でよく音楽収録もショットガンマイクのモノラルで収録している方をみかけますが、音楽を収録するなら必ずステレオで収録してください。
音楽は基本的にステレオを意識して構成されています。
SCHOEPS ( ショップス ) / Stereo Set MK 4
音の問題はショップスがすべて解決してくれます。
MK4はマイクロフォンの長い旅のゴールとなるマイク。
これを買ったらその時点でゴールです。
完結です。
完璧です。
特にバイオリンなどの弦楽器を頻繁に収録する方や弦楽器奏者はもうこれ以外の選択肢がありません。
ちょっとお値段高いですか?
高いって言ったって他の選択肢ないんだからしょうがない。
そんなマイクです。
ピアニストの方は他の選択肢もあります。
続いてみていきましょう。
SCHOEPS ( ショップス ) / Stereo Set MK 4 をサウンドハウスで見てみるDPA ( ディーピーエー ) / ST4006A ステレオペア
Kotaro Studioでは王者という名前で呼ばれるDPA4006。
当スタジオはピアノ音響に強いので、ピアノ収録に最適な4006を王者と呼んでいます。
これはMK4と違い無指向性マイク。
このあたりの水準になるとイコライザー?リバーブ?そんなものは必要ありません。
音圧もどうか変えないでください。
ありのまま、自然のまま、ただそこに在る音に身を委ねてみてください。
自然界の収録にはMK4よりも4006の方がおすすめ。
DPA ( ディーピーエー ) / ST4006A ステレオペア をサウンドハウスで見てみるNEUMANN ( ノイマン ) / KM184 STEREO PAIR
MK4と同じ指向性マイク。
MK4の半値近いお値段で購入できます。
弦楽器の収録に特化しているMK4に比べると184は万能タイプと言えます。
なんでもそこそこちゃんと録れます。
おまけにマイクアンプやADCの影響を受けにくい(もちろん受けるんだけどダメージが少ない)機種でもあります。
いろんなジャンルの音を収録する方、いろんな用途で使いたい方に最適。
【NEUMANN KM 184】各マイク位置でのピアノ音源テストや比較なども!
NEUMANN ( ノイマン ) / KM184 STEREO PAIR をサウンドハウスで見てみるLEWITT ( ルウィット ) / LCT 540 S
すみません。
本日2度目の登場となる540S。
LEWITT ( ルウィット ) / LCT 540 S をサウンドハウスで見てみる金田式バランス電流伝送DC録音の五島昭彦氏も、『540はDPA4011と戦える』とコメントしているほど、本当に度肝を抜かれる最高コスパのマイクです。
さすがに4006やMK4なんかはどんなに他のメーカーが頑張っても唯一無二の絶対王者感があります。
LCT540Sは、この絶対王者たちに近い存在のマイクと戦える能力が備わっていると言えます。
音鉄さん集合
音鉄ようのマイクロフォンに関しては音鉄バイブルを作成しています!
ちょっと内容かぶるところもあるかもしれませんが、参考にしてみてください。

重要なことはやっぱりモノラルはやめておきたいという点。
ステレオの技術に酔いしれましょう。
音鉄さんのバイブルを作りました!音響のプロが教えるマニア度別音鉄デビューセット!
やめておいた方がいいマイク
個人的に格安コピー系マイクというのはやめておいた方がいいと言えます。
例えば新興マイクロフォンメーカーでよくあるのが、U87のコピーをはじめとしたノイマン系マイクのコピーを集めたメーカーなどは要注意。
マイク名は数字も合わせたりしてあたかもコピーしてますよ(あの名機をこんな価格で買えます)感を出すのですが、音は全く似ても似つかないといったものもあります。
それとマイクアンプなどもそうですが、そういうコピーを装ったお品は中身の回路も結構荒いです。
スティーブ・ジョブズがコンピューターの配線にも気を配っていたというのは有名な話でその昔
ジョブズ「配線が汚い、もっと綺麗に」
ウォズニアック「こんなところ誰がみるんだい。いいじゃないか」
ジョブズ「俺がみるんだ」
みたいなやりとりがあるんですが、オーディオ関係者って実は結構回路とかみてるんですよね。
メーカーの性格とか意識?みたいなのが見えると萎えちゃう。
そして不思議とそれは音にも表れてくるんです。
格安コピー系マイクはたくさんありますが、冒頭でも解説した、もし続かなかった時や、別の道に進む時。
そんな時どうしますか?
まさに二束三文か、もれなく燃えないゴミ行きとなります。
そういうところまで考慮して機材は選定していきましょう。
一緒に買いたい付属アイテム
さて、マイクスタンドは重要だというお話はしましたが、マイクを買う際に持っておきたいアイテムを紹介。
乾燥剤とジップロック
防湿庫なんていう高尚なものは必要ありません。
そんなことにお金かけるくらいならマイクアンプやモニターヘッドホンにお金かけましょう。
このジップロックと乾燥剤のセットはカメラやレンズの保管や移動時にも便利で、筆者はこの組み合わせでほとんどの機材は管理しています。
もちろん防湿庫ほど完璧な管理というわけにはいきませんが、移動時にはこれほど心強い味方はいませんね。
ジップロックでしっかり中の空気を抜きながら乾燥剤と一緒に保管すると機材の寿命も格段にアップします。
特にマイクロフォンなんていうのは一回買ったらもう何十年も画期的に新しいモデルなんてのはでません。
良いものを永く使いましょう。
マイクケーブル
マイクケーブルを買う時の注意点は、できるだけ余計な加工がされていないもの。
なんちゃらメッキ加工とか、なんちゃら加工とかいらんことするといらんことした音になっちゃいます。
特に今日ご紹介したマイクロフォンはいらんことされたら台無しになってしまうような存在のマイク。
おすすめはサウンドハウスの安いやつ。
安いやつなんでいらん加工してないんですよ。
実はこの安くていらん加工してないものの方が音がいい。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MIX050 マイクケーブル 5m XLRキャノン をサウンドハウスで見てみるケーブルの長さは長ければ長いほどいい・・・というわけにはいきません。
そこまで気にするようなことでもありませんが、やはり短いほどノイズなどのリスクは抑えられます。
使用環境など考慮して適切な長さを選択するようにしてください。
マイクスタンド
K&M ( ケーアンドエム ) / 23325 卓上マイクスタンド をサウンドハウスで見てみるこちらの卓上スタンドは据え置きタイプの環境ではベスト。
他、音楽収録の際もステレオペアで収録する場合は基本的にストレートタイプがおすすめです。
K&M ( ケーアンドエム ) / 20120B(ST201/2B) ストレートマイクスタンド をサウンドハウスで見てみるとりあえずこれ持っておいて
K&M ( ケーアンドエム ) / 236 をサウンドハウスで見てみるこれがあると、指向性のステレオペア、無指向性のステレオペア、両方のセッティングが可能になります。
いろんなセッティングを極めたい方は長いものも必要になりますが、それでも236は持っておかないといけない長さのものですので、持っておきましょう。
K&M ( ケーアンドエム ) / 23560 3/8 をサウンドハウスで見てみるセッティングによってマイクバーやスタンドを変えるとタイヤの種類を変えたレーサーのような感覚で、音のイメージが掴みにくくなったりモニターの音が変わったりするのであんまりよくありません。
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【保存版】LEWITTっていいマイクですか? 大口径マイクシリーズの選び方

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服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
スタジオでは「誰かのためにただここに在る」をコンセプトに、誰がいつ訪れても安心感が得られる場所、サイトを模索中。