自然界の収録に最適なセッティング

本日はビデオグラファーさんの長年の悩みの種。。。

自然界での音声収録についてお届けします。

自然界の収録と一言にいっても海、川、山、様々です。

それぞれに特徴やポイントがありますので、細かい点はそれぞれ当記事を参考に工夫を重ねていってもらうとして、ざっくりと分類して解説していきます。

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服部 洸太郎 音楽作品リスト

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すごく難しそうに見える記事ですが実際は簡単。
マイク選びやレコーダー選びを省略したい方や、映像コンテンツが軸でマイクセッティングの荷物を増やせない方はこちらのDR-05Xとバイノーラルマイクの組み合わせは抜群ですので先に紹介しておきます!
耳に付けるだけでかなりそれなりのシネマティックサウンドが実現しますので、是非参考にしてみてください。

海での収録

一言で海とってもたくさんあります。

浜辺なのか、船の上から大海原を表現したいのか?

同じ浜辺でも遠浅なのか、そうでないのか。

状況に応じて正解を見つけていかなくてはいけないのはこれまでと変わりません。

今回は浜辺で波の音を収録する時にどんなセットが考えられるか一つのモデルとして紹介したいと思います。

プランA:無指向性AB方式

さて、こちらはZOOM F4 + 無指向性AB方式のオンマイクで収録した瀬戸内海の岩子島の浜辺の音。

この辺り一体は時間帯によって波の音が大きく変わるため非常に面白いサンプルとなっています。

注目したいのは無指向性ならではの空間が感じられる点です。

マイクロフォンの上、上空は・・・

もちろん空です。

何にもありません。

しかし音響的に波の音は周囲の環境からの跳ね返り、また、マイクロフォンの上空あたりに停滞する湿気が音が逃げるスピード感を阻止して音自体も停滞してくれているのがわかると思います。

この立体感は無指向性ならではの感覚です。

さらに、現状では完全に風切り音がカットできていません。(ここは編集である程度までカット可能)

この上空に存在している波の音が逃げれていない停滞感という要素をまず一つとして、次のプランで補強していきましょう。

プランB:無指向性AB方式+ショットガンマイク

プランAで収録した要素にショットガンマイクで好みの要素を追加していきます。

波の水の質感を出したければ遠くの水面を狙い、引き潮の質感が必要であれば浜辺あたりでいいポイントを探ります。

映像表現などで浜辺のシーンなどであれば、押し寄せる波の引く瞬間の頂点あたりを狙ってみるとちょうど陸と海との境目の質感を感じることができます。

ショットガンマイクだけですとモノラルになりますし、どうしても何か物足りない・・・という喪失感を感じるかもしれません。

そこはプランAの「足りない何か」を足してあげてください。

プランBの場合は無指向性のステレオサウンドがしっかりバックグラウンドにあることで、絶対的な安定感を感じますし、ショットガンマイクで足す要素が多少冒険的でも二つを合わせるとうまく調整することができるはずです。

指向性のオランダ方式との組み合わせは要素が少し被ってしまうためあまり相性がいいとは個人的には感じませんでした。

雷の収録

生の雷の音を収録するのは根気が必要です。

ただし、注意深く観察しているとわかることが、波の音の時でも同様でしたが、空にはそれぞれ場所によって独特の音響空間が存在しているということです。

雷などを観察しているとよくわかると思います。

最適なプラン:無指向性AB方式

雷の収録はやはりその独特の音響を捉えるという点では無指向性一択になるかと思います。

雷の音には段階があります。

発生の予感
もしあなたが森や大自然の中で雷に遭遇した時は、明らかに周囲の木々がざわめきだしますし、小鳥たちが蠢きます。
空気の流れや速度も急変していきます。
発生の初期
短いのが何発も連続して起こることもあれば、断続的に起こることもあります。
この段階でまずは-20db程度でゲインを調整しながら様子をみましょう。
もし基準値マイナス感度で同時録音可能な機種をお持ちならここで設定しておきます。
本番
巨大なやつがくれば想定外の衝撃が来ます。
ほとんどのレコーダーでしんどい思いをしますので、ピーク値をうまくマイナスに持っていくことができれば成功です。
ここは現場で何度も確認できるものではないので、編集前提でとりあえず波形を記録することに徹しながら収録しましょう。
余波
本番で失敗しても余波があるので、諦めずに収録を続けましょう。
先程の音源は実はこの余波一発目となっています。
発生の予感で想定していた距離よりも近い位置に雷が落ちたため完全に波形が潰れしまいました。(当時ゲインはほぼあげてなかったと思います)
余波でもなかなかの迫力で迫ってくれます。
迫力のある余波が数発続きますのでチャンスは2〜3回のうちだと考えておきましょう。

ちなみにこちらの記事ではVRマイクで収録したサンプル音源も掲載しています。

RØDE NT-SF1 VR mic Test Sound

もう一点雷の場合、ゲインの調整が非常に難しいのがポイントになります。

雷ってイメージしているよりも三段階くらい強い音で迫ってきますよね。

そこでめっちゃいいのがZOOM F6になります。

2022年時点だとタスカムからも32bit収録できるものがでていたり、ZOOMからはF3というF6のコンパクト版も発売されています!

ZOOM ( ズーム ) / F3 Field Recorder

32ビットフロート収録ができる機能が搭載されていれば、雷だろうが、爆発音だろうが音割れを気にすることなく収録することができます。

フィールドレコーダー ZOOM F6 ビデオグラファー必須の一台(サイト内記事)

森林の収録

こちらも無指向性が・・・と思いきや、森の中の場合音場がかなり入り乱れています。

海や雷と違い、天然の障害物が多いため、無指向性で収録すると周波数が被りまくってあとでなんかモヤモヤしてしまい、編集で絡まった音の意図を取り外すのが大変です。

そこで指向性のオランダ方式を使ってみます。

プランA:指向性オランダ方式のオフマイク

指向性オランダ方式でオフマイクで環境を収録してみましょう。

森が入り乱れていればいるほど方向を変えるだけで音の景色もがらっと変わるはずです。

最適な方向を見つけてみましょう。

プランB:指向性オランダ方式オフマイク+ショットガンマイク

こちらも波の音同様、全体の音を指向性でオフマイク気味に狙いつつ、例えば野鳥や草花のゆれる音をピンポイントでショットガンマイクで狙う作戦です。

これだけ全体の質感を表現しつつ狙いたい音をピックアップしますので、全体的に立体感が感じられます。

プランC:自作の音録り網

さて、こちらはタイムマシンレコード時代に師匠の五島昭彦氏から伝授してもらった音録り網。

これが非常に優秀なんです。

虫取り網をホームセンターで買ってきます。

中の網を抜いてしまいましょう。

すると網をつけていた輪っかと取手だけが残ります。

直径はできればAB方式の30cm以上がベスト。

輪っかの端と端にそれぞれラベリアタイプの無指向性マイクを装着し、ウインドスクリーンを付けます。

たったこれだけで音録り網の完成。

こちらは虫取り網の取手の長さにもよるのですが、なんちゃって仮想空録のような状態にもできます。

2m〜3m程度上空の音を録音することができます。

ポイント特に入り乱れた森林などでは素晴らしい効果が期待できます。
やはり頭一つ高さを抜けると違う景色が見えます。
野鳥が低空飛行する領域の音にもなりますし、これまで地上で収録していたものとは違う音を探してみてください。

もちろんマイクスタンドでも可能です。

可能ですが、なにせ重いです。

こういう場所の収録に慣れている方にはいいかもしれませんが、あまり慣れていないとロケ終盤になると乾電池でさえ重たく感じてきます。

装備はできるだけ軽量最小で最大の効果が発揮できるセットを考えましょう!

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Kotaro Studio 音楽作品

Kotaro
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服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
2022年9月より豊かな暮らしをテーマとしたウェブサイト『レンタルdeクラセル』も発信中〜