フィールドレコーダー ZOOM F6 ビデオグラファー必須の一台
この記事の目次
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簡単にはなりますが使い勝手など紹介していきます。
こちらのフォルクローレの記事ではF6を使った非常に面白い実験をしています!
サウンドチェックも兼ねて是非参考にしてください。
まさに理想郷?!
F4を長らく使用していたのですが、F4はとにかくヘッドホンアンプが弱く、ここさえ改善されれば最高なんだけどな〜なんて思っていましたが、今回のこのF6では見事に改善されており、内臓のヘッドホンアンプだけで現場でマイキングなどの微調整をしていけそうです。
さらに特筆すべきはこのコンパクトなまとまりと、これだけコンパクトにまとめてきているのにもかかわらずこのデザイン性にあります。
やっぱり機器っておしゃれだとモチベ上がりますよね!?
このフォルム、丈夫のラインなど、本当におしゃれで創造性を掻き立てられます。
ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セットただし、F4時代でもこまめにバックアップを取りながら運用していたので、実質1スロットでいけていたことを考えると1スロットでOKかもと思っています。
電源周りが充実
単三乾電池×4本で基本的に駆動可能。
しかし、他にも後方部分にはSONY製Lシリーズバッテリーを直接取り付けできる他、もちろんモバイルバッテリーにてUSBタイプCで給電しながら使用できます。
モバイルバッテリーも数万mAhなどが当たり前の時代となっていますから、バッテリー関係の心配はもうなくなったといえそうですね。
さらにUSBタイプCで接続するとデフォルトで自動的にUSB Cからの給電を優先するようなシステムになっていますので、USBで基本的には運用しつつ保険として単三乾電池を入れておくという感覚でしょうか。
給電しながらオーディオインターフェイス
どこかの記事か取扱説明書でUSB Cでオーディオインターフェイスとして使用する場合はバッテリーが使用されます。
というのを見かけた記憶があるのですが、試してみると、バッテリーを全部抜いた状態でMacと接続し、普通にオーディオインターフェイスとして給電しながら機能していました。
アップデート等で改善されたのかもしれません。
ちなみに執筆時点でのバージョンは1.6です。
DACとしてもGOOD!
オーディオインターフェイスとして6チャンネルマルチレコーディングが可能なので、Logic等接続して視認性を重視したセッション録音も可能。
さらに通常の視聴でのDACとしての性能も最高です。(もちろん上には上があります。)
ちなみにステレオミックスモードとマルチチャンネルモードは別系統となっており、機器にて切り替えが必要です。
映像との同期も完璧
タイムコードのフレームレートも細かく設定可能。
23.976ND | HD カメラなど、ハイビジョン撮影で使用される最も一般的な フレームレートです。実時間より 0.1%遅れてカウントされま す。 |
24ND | フィルム撮影で使用される標準のフレームレートです。HD カ メラでも使用されます。 |
25ND | PAL ビデオ用のフレームレートです。ヨーロッパなどで採用 されている PAL 方式のビデオに使用します。 |
29.97ND | NTSC カラービデオや HD カメラ用のフレームレートで、実時 間より 0.1%遅れてカウントされます。日本、アメリカなどで 採用されている NTSC 方式のビデオに使用します。 |
29.97D | NTSC を実時間に合うようにドロップフレームを使って調整 したフレームレートです。実際の時間枠に一致させる必要があ る放送用の映像で使用されます。 |
30ND | NTSC ビデオへ移行するフィルムへ音を同期させるときに使 用します。日本、アメリカなどの白黒テレビの標準フレームレー トです。 |
30D | 特殊用途のレートです。NTSC へ移行するフィルムサウンド へ 29.97fps ドロップフレームで同期します。実時間より 0.1%早くカウントされます。 |
デフォルト設定は29.97Dに設定されています。
現時点でよく使われている通常の4K 30Pの場合、音声はこちらを選択。
もちろん編集の際もフレームレートの設定を合わせてくださいね。
例えば筆者はLogicを使用していますが、プロジェクトの作成時にレートの設定ができるようになっています。
サンプリングレートにも
サンプリングレートもこのように分けられています。
44.1 kHz、48 kHz、 88.2 kHz、96 kHz、 192 kHz | 標準的なサンプルレートです。 |
47.952 kHz | 映像を 23.976 フレーム/秒で撮影し、後に 24 フ レーム/秒で編集する場合に選択します。 |
48.048 kHz | 映 像 を 24 フ レ ー ム / 秒 で 撮 影 し、 後 に NTSC 29.97 または 23.98 HD で編集する場合に選択し ます。 |
47.952 kHz(F)、 48.048 kHz(F) | 上記 2 つと同じ動作ですが、メタデータの には 48 kHz のサンプルレート と記録されます。 これにより、47.952 kHz, 48.048 kHz の WAV ファイルに対応しない機器やソフトウェアでも再生 /編集できます。ただし、録音時の± 0.1% の速度 で再生されることになります。 |
これは正直知りませんでした。
なるほど・・・
一般的には一番上の標準的なサンプルレートを使用すると思います。
基本この設定しかできないものだと思っていました!
勉強勉強・・・
・録音のモードを Float(32bit)、かつ LR トラックをオンに設定した状 態で 192 kHz を選択することはできません。
公式の取扱説明書より
・192 kHz を選択した場合、録音のモードを Dual(16+32bit)や Dual(24+32bit)に設定することはできません。
・録音のモードが MP3 の場合、44.1 kHz、48 kHz のみ選択できます。
・192 kHz を選択した場合、入力のディレイ、出力のディレイは無効と なります。また、オートミックスをオンに設定することや、Ambisonic のフォーマットをオフ以外の設定にすること、リミッターをオン(先読み) に設定することはできません。
・44.1 kHz, 48 kHz 以外を選択した場合、AIF with Rec を使用するこ とができません。
基本筆者は録音は96khzでやりますが、いざというときに192khzが使えるという安心感があるのはやはりいいですよね。
もう本当にこれはワンポイントで完全にはまってしまった・・・なんて現場があれば、192khzでワンポイント収録していきたいと思います。
Float 32bitで192khz選択することはできませんとありますが、192khzで録音しようか!という段階ではゲインの調整などもかなり細かくモニターするかと思います。
32bit-floatの可能性
さて、ここは少し技術的な話になりますが、この32bit-floatで収録できるという点はこのF6の最大の強みの一つとなっています。
オーディオのbit数って何?というお話はこの記事では少し長くなるので簡単に紹介すると、ダイナミックレンジの幅の値ということになります。
例えばこれまで一般的なデジタル媒体の代表格といえばCDでしたが、CDでは44.1khz / 16bitでの規格となっていました。
現状ではYoutubeですらこの音質を超えるデータで配信できているので、昔買ったCDを久しぶりにCDプレイヤーで聴くともう満足できなくなってしまっている!!という方も多いのではないでしょうか。
これに比べて基本的に製作側のオーディオ収録といえばCD時代から24bitが基本軸となっていました。
この24bitはCDの16bitに比べて音のダイナミックレンジの幅が256倍となっているわけです。
これは非常に大きなボリュームの音であればそこまで差は感じないかもしれませんが、特にアコースティック音楽や繊細な自然界の音などを収録する際、音楽用語でいうところのピアニッシモやピアニッシッシモなどの音量を収録する際にはまさに劇的な違いが生じてきます。
なので、CD時代では録音エンジニアが24bitで繊細なピアニッシモの音を録音できても、CDにした時にピアニッシモの表現のレンジが完全に潰れてしまう・・・という悩みを常々抱えていたわけです。
また、収録の際はピーク値の観察が必須になってきていたこれまでのwave + 24bit 収録に対して今回搭載されている32bit-floatになると、0dBを超えてもオーバーフローしない浮動小数点数方式となっている点。
これは整数点数とは異なり、小数点で換算されるとのことで、筆者が理解できているのはここまで・・・
ここから先の踏み込んだお話は今後勉強していきたいと思います。
が、この0dBを超えてもオーバーフローしないという仕組みがかなり売りの一つになっています。
何がすごいのか?何に使うのか?
さて、これはすごいんです。
これまでのフィールドレコーディングの悩みを根っこから完全解決してくれる録音方式となっています。
通常の整数bit収録をすると、ゲインの調整を甘くみるとオーバーフローしてしまい、波形が潰れてしまっていました。
一度潰れた波形はもう二度と戻ることはできず、見事録音失敗という形になってしまうんです。
しかし、この0dBを超えてもオーバーフローしない設定は自然界の音や一回しかないチャンスなど確実に捉えることができるわけです。
例えばこちら。。。
以前収録した雷の音になりますが・・・
これ実は最高に迫力のある恐ろしい音から計測して三発目・・・
もちろん一発目の音はゲイン調整に使っています。
二発目で思わぬ迫力を見せてくれたため(というよりもこのTAKE 2が最大迫力だったのかも)録音失敗。
見事波形が潰れていました。
失敗したくないため、かなり感度を抑えて、とりあえず波形だけGETするために収録したのが上記の音になっており、ゲインはほぼ通電したのみでピーク値はほぼ潰れており、編集でなんとか聞けるようにまでした・・・という感じでした。
これに加えて、例えば一週間に一度しか通過しない電車の音、船の音、滅多なことでは飛ばないセスナの音、蒸気機関車の音。
珍しい動物の鳴き声・・・
これら人間が予測しきれない音を収録する際に32bit-floatを使うと、失敗なくチャンスを確実に捉えることができるようになります。
これは本当に大きいです。
これまで波の音を30分収録していて突然船の警笛が鳴り響き波形潰れた。。。
なんてこともありました。
こういったケースでも32bit-floatなら対応可能とのことで、これはサウンドデザイナーとしてはかなりテンション上がります。
肝心の音は!?
事前にYoutubeなどで、SOUND DEVICES MixPre-6 IIと比較視聴していましたが、個人的にはF6の方が集音された音のクオリティーは好きでした。
ちなみに筆者は基本音楽機材はサウンドハウスさんで購入。
ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セットお取り寄せとなっている場合や試してみたい場合はレンタルもおすすめ。
フィールドレコーダー ZOOM F6 をレンタルする今回はこちらの専用ケースもセットで購入しました。
これをつけているともうどこにでもいけます。
屋外でのロケはしない!という方は不要かもしれませんが、屋外でのロケなどで特にこのF6の真価が発揮されるかと思いますので、是非是非電車の音や飛行機の音、滝の音や河の音など収録してみてはいかがでしょうか。
F3が発売
2022年現在はZOOMからF3が発売されています。
ZOOM ( ズーム ) / F3 Field RecorderこちらはF6の2チャンネルバージョンです。
2ch限定ではありますが、マイクアンプ性能はF6よりも上です。
一人でポッドキャストしかしないという方や、フィールドレコーディングもステレオワンポイントしか使わないという方であれば小型ですし扱いやすいと思います。
ただし2チャンネルですのでVR収録などができませんので注意してください。
超簡単な音質チェック
Youtube動画にて簡単な音質比較をしていますので興味のある方は聴き比べてみてください。
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こちらは金田式DCマイク。
市販されているものではないので、かなりのオーディオマニア向けですが、興味のある方はご覧ください。 【金田式DCマイク】 ショップス MK2, DPA2006カプセルでテストレポート 位相変換が必須のため、中級者以降向けの記事ですが、おすすめの無指向性マイク! 【コスパ最高】 COUNTRYMAN ( カントリーマン ) / B3 当スタジオ一番人気の記事はこちら! 天才になるには・・・ 実はとても簡単でした。