【2026年最新】映像の質は音で決まる!フィールドレコーディング機材選定とロケ収録の極意

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この記事は2025年11月23日にリライトされました

「映像は綺麗なのに、なぜか素人っぽく見える」
その原因の多くは、実は「音(オーディオ)」にあります。

特に屋外でのロケ撮影やフィールドレコーディングにおいて、クリアな環境音や明瞭なセリフを収録できるかどうかは、作品の没入感を大きく左右します。

2023年頃から急速に普及した「32bitフロート録音」も、2026年にはもはや標準装備となりつつあります。

本記事では、これからフィールドレコーディングを始めたい映像作家やクリエイターに向け、最新の機材選定の基準と、現場で失敗しないためのロケの工夫について解説します。

シンプルに三つのポイントに分けると

  1. ウインドスクリーンをかぶせる。
  2. 音に向かって。
  3. マイクを向ける。

これだけです。

この記事では筆者の経験から屋外収録の機材選定と風対策、ロケのポイントなどについて紹介したいと思います。

Profile

この記事を担当:朝比奈幸太郎

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイク技術を学び帰国
帰国後、金田式DC録音専門レーベル”タイムマシンレコード”て音響を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、音楽家, 音響エンジニア,として活動
五島昭彦氏より金田式DC録音の技術を承継中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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屋外での収録はフィールドレコーダーを使う

屋外での収録はフィールドレコーダーと呼ばれる、マイクアンプ、ADC、レコーディングソフトが全部セットになった機材を使います。

マイクは本体だけじゃ録音できないの?〜録音するために必要なものをプロが徹底解説

もちろん最近ではipad対応のオーディオインターフェイスを使って収録可能ですし、iPhoneやipadをレコーダーとして使うこともできますが、基本的に能力の高いフィールドレコーダーを使うことが大前提になります。

ipadとPCやMacを移動しながら使える!と思うこともあるかもしれませんが、ロケというのは実に過酷です。
特に冬場のロケ収録はいかにコンパクトに機材をまとめ、ポケットにバッテリーを入れ替え、速やかにセッティングを変えること。

外での収録は

  1. 常にバッテリーとの戦い。
  2. 常に機材入れ替えとの戦い。
  3. 常に荷物整理との戦い。
  4. おまけに冬は寒さとの戦い。

荷物は一つでも個数は少ないほうがいいですし、バッテリーはシンプルなほうがいいです。

おすすめのフィールドレコーダー

各社ハンディーレコーダー、フィールドレコーダーはたくさんラインナップされています。

初心者から中級者の場合は基本的に選択肢としてはタスカムかズームかの二択になるかと思います。

舶来のモノになりますと、サウンドデバイスのレコーダーやRMEというメーカーもありますが、お値段は高額になるため、個人での導入はかなりの決意と覚悟が必要です。

また、カメラレンズなどと違いオーディオ製品はリセール市場があまり活発ではないですし、相場が変なことになりやすい・・・
設備投資としてはかなり慎重にいく必要があります。

初心者

2026年時点ですと、先述のTASCAM DR-05XPは最高の選択肢の一つとなります。
ただし、内臓マイクではなく、当サイトでは無指向性マイクでの外部接続を強く推奨しています。

まるで違う世界を体験できますので、是非当スタジオで発売している無指向性AB方式でロケの録音、フィールドレコーディングをやってみてください。

当スタジオのマイクを購入してくださった方からも驚きの声をたくさんいただいております。

当サイトでは、一本一本手作りでオリジナルのマイクを制作・販売しています。
手作りですので大手メーカーのようなデザイン性はありませんが、その音質は高級プロ用マイクに匹敵します。
さらに32bitプラグインパワー対応機種と組み合わせれば、GarageBandでも使えるまさに“世界最高峰の音”を引き出せます。
ぜひ下のリンクから参考音源を聴いて、当スタジオのマイクが奏でる圧倒的なクリアサウンドを体験してください。

耳を超えるマイク 常識も超えるプライス

無指向性AB方式 × プラグインパワー
当サイトオリジナルマイク

決して大袈裟ではなく、当スタジオのマイクと同じ水準の音響で録音をするためには、市販品ですと数十万円規模の設備投資が必要になります。

【永久保存版】プロが選ぶ本物の最高級マイク6選

さて、レコーダーを考察すると、ZOOMですと、H1essentialがあり、おそらく現状32bit収録では、最安値で導入できるレコーダーになるかと思います。
こちらは32bit収録(初心者でも音が割れない)ができますので、おすすめです。

上級者〜プロを目指す方

ZOOM Fシリーズになります。

現時点だとやはりZOOM ズーム F8nPro フィールドレコーダーが最高であると言えます。

現時点でわざわざF4を選択する必要はありませんが、F3やF6などは十分なマイクアンプ性能、ADC性能を持っており、かなりの水準で録音することが可能になります。
F3とF6ではマイクアンプなどは同じじゃない?と思う方もいるかもしれませんが、実際この2機種は全く違ったキャラクターを持っており、出てくる音は別のもの。
どちらがいいとか、どちらが悪いとかの話じゃなくて、ただ、キャラクターが違う。

そういう意味ではやはりF3は指向性マイクやショットガンマイクなどと相性がよく作られていて、F6はDPAなどの無指向性マイクと相性がいいというニュアンスです。

基本的に上級者からプロを目指す方であればFシリーズしかないのではないかと思います。

ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セット

プロ以上の方

プロ以上の方ってなんだよって話ですが、筆者の感覚としてはハイアマチュアというのは業務という意味でのプロを超える存在だと思っています。

ハイアマチュアをこれから目指していきたい方は、是非すべてのセクションをバラバラに分けて考える癖をつけていくといいかもしれません。

マイクアンプ、ADC、マスターレコーダー、などなどはもちろん、さらに細分化していき、マイクケーブルのコネクタ、コネクタを作るはんだ、ケーブル、ADCのパーツなどなど。

すべて細分化していくことで、理想の音作りを行うことができます。

ただし、この記事ではプロまで・・・の方を対象としたいと思いますので、ここからは、プロのロケ現場で必要なアイテムについてみていきましょう。

ウインドスクリーンは必須

外で収録するとなると、悩みの種になるのが風切り音。

ウインドスクリーンなしでは、風の音しか入ってない・・・という状況になってきます。
実際映像作家さんで、音響も一緒にしなきゃいけない方にとって、この風切音というのは永遠の課題となることでしょう。

こちらは各種マイクロフォンに対応したものが売っているはずです。

ショットガンマイクを購入するとセットでついてくることもありますが、もしついていない場合は、だいたい「マイクの機種名 +ウインドスクリーン」で検索すると出てくるかと思います。

外で収録の際は必ずつけるようにしましょう。

これがないとずっと「ぼーーーーーーーーーーーーーーーーーー」という音だけが入っていてお話にならなくなってしまいます。

例えばこちらは尾道市で収録した福本渡船のエンジンと出発音ですが、無指向性マイクで収録しています。

こういった船の近くの収録などは特に風が強いので、ウインドスクリーンは必ず装着してください。

この録音ももしウインドスクリーンがなかったら風切りノイズのみの音源になっているはずです。

ステレオ収録は必須

どんな録音でも必ずステレオ収録するべきです。
大昔まだ日本でもテレビ放送というものから情報を得ていた時代。
放送は基本的にモノラルでした。

ロケで話すリポーターもモノラル、ドラマもモノラル。

そういう文化的背景でモノラルとしての音響で人々の耳は慣れてしまっているためステレオ録音の概念がそもそもなかったりします。

特に映像作家さんの場合は、モノラルもステレオもあまり区別がわからないという方も多いかもしれませんが、音の立体感や質感などステレオでしか絶対に表現できない領域というものがあります。

例えば映像用のマイク一つとっても、Youtuberさんが紹介する際、マイク一本を紹介するケースが多い時期がありました。

最近ではステレオ収録はかなり定着してきましたが、一昔前はマイクの性能を見るというのはイコールモノラルで見るということが前提となっていたわけです。

それはステレオペアモデルがあるモデルでも然りでした。
ステレオペアモデルがあるマイクロフォンというのは、基本的にステレオペアでセッティングしないとそのマイク性能は発揮できません。

裏技?!

実はこちらの映像の環境音はサンプラーを使ったシンセサイザーで被せています。

私たちは報道系ジャーナリストではありませんから、常に現場の真実のみを的確に伝える必要はありません。
クリエーターはファンタジスタ。

うまく工夫して風切り対策をしていきましょう。

実は、これ筆者が神戸に住んでいた頃に自宅のベランダから撮影した映像なんです。
うまく切り取ってシンセサイザーを駆使し、BGMを乗せるだけで結構いい感じに撮影できたりするもんです。

この映像のレンズはこちらを使っています。

【望遠レンズはなぜ白い?!】FE 200-600mm F5.6-6.3 G で夕焼け撮影

ケーブルの「タッチノイズ」対策と服

マイクケーブルが揺れてブームポールや体に当たると、「ガサガサ」という振動ノイズがマイクに伝わります。

工夫: ケーブルを少し長めに出してループを作り、テープやベルクロでポールに固定する「ショック吸収」の遊びを作ることがプロの常識です。

また、衣類や靴などもロケの場合は工夫が必要になります。

できるだけポケットの多い、非シャカシャカタイプが必須です。

また、釣りをする人や工具系のポケットは増設すると最高ですよ。

映像クオリティを上げる「ロケの工夫」とワークフロー

機材以外で差がつくのが、収録時の段取りと意識です。

ロケハン時の「耳」の使い方

ロケハン(下見)では、カメラアングルだけでなく「音環境」を確認します。

ただし、ここは制作の哲学的な視点にはなりますが、音の専門家からの意見として聞いてもらいたいのが、ノイズをどう定義するのか?というところです。

よくノイズが乗っているので処理をしたいとか、ノイズなく録音する方法を知りたいといったご質問をいただくことがあります。

しかし、そもそもノイズとはなんのことを言っているのか?が定義できていないケースが実に多いのです。

例えば、近くに飛行場がある場合、飛行機関係のドキュメンタリーを収録する場合、果たして飛行機の出発するエンジン音はノイズなのでしょうか?

ある人にとってはノイズでしかないでしょうし、しかし制作の意図によってはノイズなんてとんでもない最重要項目の要素だったりするわけです。

録音をする場合は自分でノイズとはなにか?この収録でのノイズはどれで、どのように録音したいのか?を決める必要があります。

それによって録音するマイクの選定、収録方法、マイクセッティングの方法などを決定していくというステップをとりましょう。

ちなみに筆者は許容するノイズの幅はかなり広く、ほとんどの音を基本的にすべて肯定しています。

なので無指向性マイクのAB方式が最高に好きな方式でマイク特性だったりするわけです。

当サイトでは、一本一本手作りでオリジナルのマイクを制作・販売しています。
手作りですので大手メーカーのようなデザイン性はありませんが、その音質は高級プロ用マイクに匹敵します。
さらに32bitプラグインパワー対応機種と組み合わせれば、GarageBandでも使えるまさに“世界最高峰の音”を引き出せます。
ぜひ下のリンクから参考音源を聴いて、当スタジオのマイクが奏でる圧倒的なクリアサウンドを体験してください。

耳を超えるマイク 常識も超えるプライス

無指向性AB方式 × プラグインパワー
当サイトオリジナルマイク

タイムコード(TC)での同期

映像と音声を別撮りする場合、編集時の「音合わせ」が大変です。
2026年の機材選びでは、タイムコード同期ができる機材導入を検討してください。

Bluetoothでカメラとレコーダーの時間を同期させることで、編集ソフト上で一瞬で映像と音が合致します。これは作業時間を劇的に短縮します。

常に「モニター」する癖をつける

レコーダーが回っているからといって安心していませんか?
必ず密閉型のヘッドホンで常に音をモニターしてください。
接触不良のノイズや、カメラマンの足音、遠くの救急車のサイレンなど、現場では気づきにくいノイズをリアルタイムで発見し、リテイクの判断をするのが録音担当の役割です。

モニターヘッドホンはこのサイトを立ち上げた時からずっと一貫してお伝えしていますが、ゼンハイザーのHD25一択です。

こちらの標準モデルでも十分ですが、プラス版を購入してケーブルなどをカールケーブルにするなどすると機材事故(ひっかけたりなどの)が劇的に減ります。

筆者の経験上カールケーブルに変えて救われた機材は数百万単位に上でしょうから、わずかな投資で守れるものの価値は絶大ですよ。

実体験からのロケの工夫

ここからは、これまで過酷なロケもこなしてきた筆者のロケの工夫をいろいろお伝えしていきます。

ポケットで残量コントロール

右ポケットに残量のある電池〜左ポケットに空の電池。
逆でもいいのですが、どっちが空でどっちが使えるのか明確に分けて置くことにしましょう。

めんどくさくなってごちゃまぜになってしまうと後々結局手間取ってしまいます。

もっと大きくなってくるとさきほどのサイドポケットを駆使。
とにかく使ったものと使っていないものの区別はしっかりしておかないと致命的なミスにつながります。

バッテリーの管理をおろそかにしないように。
ロケの準備の30%はバッテリー管理です。

マイクケーブルはネックレスに

実は(当たり前ですが)マイクケーブルはオスとメスで繋ぎ合わせれば一つの円になります。

こんな感じ!

途中でノイズが乗ったり、原因不明の不足の事態に備えて予備のケーブルはいつでも交換できるようにこうやってくっつけて首に巻いておくと便利です。

さらに基本的にマイクとレコーダーの間に自分の首を通すことで無駄なからまりを防ぐことにつながりますし、整理しやすくなるので、基本的にロケ収録では、首に回して使っていくことをおすすめします。

冬場の収録ではカイロ・・・あなたが使うんじゃありません。

カメラマンさんには釈迦に説法となります。
冬場の収録はレコーダーも同じこと。

カイロで温めると電池の減りが全然違います。

冬場、特に寒冷地でのロケは出発前にまとめて封を開けてカイロを温めておきましょう。
最近は電子カイロや、電子カイロかつモバイルバッテリーになるものも登場していますので、規模や出動時間に合わせてしっかりコーディネートしてください。