【スタジオレポ】バイノーラルマイクを自作する方法
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こんにちは!
いつもKotaro Studioを応援してくださりありがとうございます。
このカテゴリーではスタジオの日常レポとして徒然なるままに投稿していっています。
簡易紹介:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
プログラミング(C)を株式会社ジオセンスのCEO小林一英氏よりを学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、またスタジオでは音響エンジニア、フォトグラファーなどマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではプログラマー、音響エンジニアとして知識とスキルをシェアしていきます
関連サイト
バイノーラルマイクの改造から自作まで
当スタジオでは録音スタイルの基本軸として無指向性マイクのAB方式でのステレオペア録音を軸としています。
無指向性AB方式は、二つの無指向性(オムニディレクショナル)マイクロフォンを一定の距離(通常50cmから2m)離して設置するステレオ録音方法です。無指向性マイクは全方向からの音を均等に拾うため、録音空間の自然な音響と広がりを捉えます。
その延長にはやはりバイノーラル録音というものがあるわけですが、その二つは一体どう違うのか?
それが、やはり人の耳、頭が作り出す特殊な音響環境にあると言えます。
バイノーラル録音は、人間の聴覚体験を模倣する録音技術で、通常、人間の頭部の形状をしたダミーヘッドに埋め込まれた二つのマイクロフォン(耳の位置に相当)を使用します。これにより、左右の耳に到達する音の違い(時間差、強度差、頭部による音の遮蔽効果など)を記録します。
通常無指向性のAB方式だと、すべての空間の音を捉えるという認識で大きな誤解はないかと思いますが
人間が音を感知する時には実際この無指向性のAB方式で捉えてはいないんですよね。
耳というのは詰まるところパラボラの役目を果たしているわけですし、頭の形状は音場を作り出します。
AB方式とバイノーラルの圧倒的な違いなどに関してはこちらのZOOM M4マイクのレビュー記事にて詳しくサンプルなど紹介していますので是非チェックしてみてください。
ROLAND CS-10EM ASMRを分解
現在市販品として販売されているマイクロフォンはすべてステレオミニプラグでのプラグインパワーモデルのみ。
現在市販されているバイノーラルマイクはそんなに数多くありませんが、かなり優秀なものが出回っています。
今回の自作灰のラールのように、プリモ社製の素子を使ったものもかなり優秀なので試してみてください。
BME-200
東京を拠点に約30年の歴史がある音響会社、アドフォクスのバイノーラルマイク作品です。
純日本製だけに細部にまでこだわりが感じられる創りと音質は素晴らしいです!
SR3D
こちらもプリモ製の素子を使っているようですが、バイノーラルスタンドに組み込まれている形になります。
ノイマンのバイノーラルスタンドだとかなり高額になりますが、こちらはそれに比べると安価でバイノーラルスタンドを楽しむことができます。
Free Space
こちらもダミー型スタイル。
電池交換が必要にはなりますが、音質は非常に良いです!
例えばスタジオでも最高コスパであると推奨しているROLAND CS-10EM ASMRもプラグインパワーモデルになります。
サウンドハウスの価格このマイクはとにかくコスパが良く、この価格としてはありえない素晴らしい音が録音できます。
一説によると・・・
WM-61Aが搭載されているとかいないとかでやはりオーディオスタジオとしては追求する必要があります。
すぐに分解して中身を知りたがるのはエンジニアの本能なのかもしれませんね。
音響顧問に突撃
というわけで五島先生にヘルプを。
五島先生の金田式DC録音に関してはこちらのページでまとめています。
当サイト限定で一曲丸々視聴できる音源もありますので是非覗いてみてね!
ある日・・・
こうたろう『五島さん、ROLAND CS-10EM ASMRなんですけど、ステレオミニのプラグインパワーじゃなくて、XLR端子(ミニ)に改造できないですかね?改造できたらF3のマイクアンプで使えることになるので、さらにすごいことになると思うんですよ。』
五島さん『やってみるわ!』
とのことで2ヶ月ほど奮闘してもらったのですが、いろいろと問題が発生し、改造は断念することに。
こうたろう『ROLAND CS-10EM ASMR壊れたのは全然問題ないのでせっかくなら隅々まで分解して、自作できないか探ってくれません?』
とお願いしたところ連絡がありました。
ROLAND CS-10EM ASMRの分解
イヤホンに無指向性の素子が入っています。
WM-61A説はこれでなくなりました。
おそらくWM相当品か、類似のシンガポール製の素子である可能性が高いわけですが、100均のイヤホンに手持ちの素子を組み込めば、ROLAND CS-10EM ASMRを改造するよりも自作した方が早いとのこと。
なるほど、確かに配線や半田などなどを切った貼ったするよりも、最初から組み込んだ方が速そうです。
今後のスタジオのバイノーラルマイク
一つくらいならプリモのEM158で制作できるとのこと。
それ以降はWM-61A相当品素子で制作できる可能性が高いと見解をもらっています。
EM158は個人的には無指向性の中でもDPAなどと匹敵するほどの性能を感じており、F3のマイクアンプと組み合わせたバイノーラル音響だと世界一、、、クラスになるのではと思うわけであります。
当然オーディオマニアたちが考えることは同じ。
昨今だとラディウスからプリモ製の素子を使ったバイノーラルマイクが発売されています。
しかし、こちらもやっぱりステレオミニのプラグインパワー。
どうしてもF3のマイクアンプで使いわいわけです。
今後もこちらの制作は追ってレポートしていきます。
バイノーラルマイクの用途
スタジオでのバイノーラルマイクはKotaro Studio の音楽ブランドCuranz Sounds にてヒーリング音響の録音に使用します。
シンギングボールや、ティンシャ、クリスタルシンギングボールなどなど。
モデルさんにバイノーラルマイクをつけてもらい、癒しの音楽を世界最高の音質で録音するというところを目標にしています。
五島先生とも少し話しましたが、おそらくWM相当品でうまく安定して組むことができれば、金田式バイノーラルDC録音というのは極自然に可能になっていくと思われます。
音響の専門スタジオだからこそ、世界一の音響を目指したい。
Curanz Sounds の今後の音響作品もご期待ください!
Curanz Soundsにも是非お越しください!
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