【総額72万円機材 VS スタジオオリジナルマイク】無指向性マイクロフォンの3比較
今回はフォルクローレのミニドキュメンタリー企画の収録がありましたので、3パターンにてマイクロフォンの比較テストを同時進行させました。
当スタジオのオリジナルマイクもサンプル音源としてご用意していますので、ぜひチェックしてみてください。
簡易紹介:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
プログラミング(C)を株式会社ジオセンスのCEO小林一英氏よりを学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、またスタジオでは音響エンジニア、フォトグラファーなどマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではプログラマー、音響エンジニアとして知識とスキルをシェアしていきます
まずはブラインドで音源を聴いていただきましょう。
ボンボという民族太鼓にPezuñas(ペスウーニャス)(後半で解説)というパーカッション、それにピアナ・ナッチョの歌が入ります。
ピアナ・ナッチョはアルゼンチンタンゴの伝説の巨匠ピアニスト、セバスチャンピアナのお孫さん。
南米の本質的なリズム感を感じさせる素晴らしいパーカッション奏者です。
Aのパターン
Bのパターン
Cのパターン
モニターヘッドホンはこだわりがなければ基本的にHD25にしてください。
金田式DC録音の五島昭彦氏もかなり推奨しているヘッドホンです。
SENNHEISER HD 25 PLUS
当サイトでも一押しの中の一押し。
本当に素晴らしい音を体験できます。
上位モデルもあるんですが、このHD25の方がいいんです。
サウンドハウスでの価格スタジオの音響顧問:金田式DC録音の五島昭彦氏も絶賛、何個も持っています。
SONY / MDR-CD900ST
これを外すわけにはいきません。
業界では定番中の定番。
オーバーイヤータイプですので長時間のモニター、制作におすすめです。
サウンドハウスでの価格ただし、業界ではどこでも誰でも持っているので持ち出す時は名前を書くなど目印が必要かも?!
CLASSIC PRO / CPH7000
サウンドハウスのオリジナルブランドのモニターヘッドホン。
サウンドハウスでの価格お安く提供してくれていますが、その分余計な加工がされていないため、とても素直でフラットな音を提供してくれます。
非常にコスパのいいモニターヘッドホンです!
セッティングの解説と機材
すべて無指向性のAB方式で同じマイクバーにほぼ同じ位置でセットしています。
無指向性マイクロフォンのセッティングは基本軸がAB方式であり、やはりこれがもっとも美しいステレオ感と臨場感を生み出してくれます。
- AのパターンはZOOM F6にKotaro SutdioオリジナルマイクタイプE。
- BのパターンはDR05XにKotaro StudioオリジナルマイクタイプA。
- CのパターンはZOOM F6にDPA4006を使っています。(機材総額72万円ほど)
いかがでしたか?
この中ではやはりDPA4006の存在感が圧倒的だと個人的には感じます。
正直DPA4006は世界で指折りのマイクロフォン企業であり、歴史も実績も桁違いです。
そのため、当然お値段も桁違いのお値段であり、Kotaro Studioのマイクロフォンと比べても0が一個違う、、、というレベル。
こちらの記事では、DPA4006に関するピアノの音源紹介などをしています。
ちなみにお値段はこちら!
もし予算に余裕がある方は、DPA4006ペアで購入すると幸せになれます。
特にピアノ録音に使う場合はこれ以上の相性があるだろうか?というレベルでピアノ録音に最適です。
DPA ( ディーピーエー ) / ST4006A ステレオペア / サウンドハウスで見るDPA4006は無指向性マイクの中でもしっかり特徴があり、マクロな音響でさえも、しっかりモニターしてみると特にボンボの下に抜ける音に大きな違いがあることがわかります。
DR05とスタジオマイクのタイプAでは、さすがに総額70万円以上の機材になってくると差は感じざるを得ません。
ただし、0が一つ違うレベルの差があるかと言えば、、、みなさんはどう思われますか?
ちなみにDR05はマイクアンプやヘッドホンアンプが非常に優秀であり、安価で32bit収録こそできませんが、音にこだわる方には低予算でおすすめの一台です。
ただし、現行では、やはり32bit収録ができるタイプがおすすめです。
個人的には、H1 XLRがかなりおすすめですが、ヘッドホンアンプに関して言えば、H1essentialの方がいいかもしれません。
基本的に今であれば、H1essentialやH1 XLRにKotaro StudioのオリジナルマイクタイプAを購入していただければ、総額70万円の機材と互角に戦える音響を手に入れられます。
スタジオ最上級マイクとの比較
1番の比較対象としては同じF6を使っているスタジオオリジナルのタイプE(音源のA)とDPA4006(音源のC)の比較になるかと思います。
こちらタイプEはプラグインパワーではなく、XLRタイプのマイクロフォンですので、DPA4006と比較しても、ほとんど違いがわからないと豪語してしまっても差し支えがないほどであると思いますが、いかがですか?
ただしせっかく音響エンジニアが解説していますので、非常に専門的な目線でも解説しておきますと、例えば、例えば45秒あたりから再生してもらうとわかりやすいかと思います、49秒あたりでボーカルがブレイクする場面がありますが、この部分の減衰グラデーションはやはり圧倒的な差があり、DPA4006(C)のクオリティーの高さが伺えます。
DPA4006は特に減衰のグラデーションが得意な点が挙げられます。
そのため、ピアノのアルバム制作ではやはりどうしてもDPA4006が必要になってくるわけです。
では、今回のような民族音楽の収録で何を選択するか?というと、やはり多少の荒々しさが必要になると感じるのに加えて、打楽器の輪郭がそれぞれはっきりくっきり現れた方がいいと思います。
DPA4006がマイク業界の王者だから、毎回どんな収録でも王者を使えば良いというわけではないということです。
【重要です】マイクアンプのはなし
こちらはZOOM F3とDPA4006の組み合わせ。
F3 Field Recorder / サウンドハウスで見てみるマイクアンプというのは、使うマイクロフォンの感性を引き出す重要なパーツになります。
ZOOM製のレコーダーと、タスカム製のレコーダーではそれぞれキャラクターも違います。
選び方に関してはいろいろ考察する必要があるかと思いますが、初心者から中級者までは、ZOOM製レコーダーがおすすめです。
上級者からプロの方は、用途によって使い分けてください。
今回はZOOMのフラッグシップレコーダーであるF6、F3の比較もできたと思います。
こちらはノイズ処理やEQなどを一切当てていないノーマライズ処理のみでのナレーション録音。
F3のマイクアンプは、サウンドデバイスのマイクアンプが意識された創りになっていて、海外の香りというのが非常に色濃く感じられます。
Pezuñasの解説
収録終了後にはPezuñasだけをDPA4006とF3で録音してみました。
これ、結構癒されるんです。
Pezuñas(ペスウーニャス)はアンデス山脈地方に伝わる伝統的な楽器の一つ。
Pezuñasはスペイン語で「ひづめ」の意味で、アンデスではラマかアルパカの蹄を使ったものをPezuñasと呼びます。
この楽器自体の名前はChajchas(チャフチャス)と呼びます。
チャフチャスの中のラマかアルパカの蹄を使ったモデルをペスウーニャスというわけですね。
近年では衛生面の視点から木の実などを使ったものもあります。
興味はあるけど動物はちょっと・・・と抵抗のある方は木の実のモデルで癒されてくださいね!
シンプルに研ぎ澄ます音響。
無指向性AB方式でのステレオ録音は夢とロマンが詰まっています。