【2026年最新版】ライブでコンデンサーマイク?!おすすめのコンデンサーハンドマイク5選
この記事の目次
ライブやレコーディングにおいて、ボーカリストの声を最も美しく届けるために欠かせないのが「マイク」。
特に近年では、従来のダイナミック型を超える解像度と繊細さを持つ「コンデンサーハンドマイク」が注目されています。
この記事では、2026年現在の最新トレンドを踏まえ、音質・耐久性・操作性に優れたおすすめの5本を厳選してご紹介します。
この記事を担当:朝比奈幸太郎
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイク技術を学び帰国
帰国後、金田式DC録音専門レーベル”タイムマシンレコード”て音響を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、音楽家, 音響エンジニア,として活動
五島昭彦氏より金田式DC録音の技術を承継中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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ダイナミックマイクとコンデンサーハンドマイクの違い
| 種類 | 構造の仕組み | 電源 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| ダイナミックマイク | コイルと磁石による電磁誘導方式 | 不要 | 耐久性が高く、過大入力に強い |
| コンデンサーマイク | コンデンサー素子と電気回路で音を変換 | 必要(ファンタム電源 or 電池) | 感度が高く、繊細な音の再現に優れる |
ダイナミックマイクでは電気を通さないため、不意なトラブル防止にもなります。
一方でコンデンサーマイクの場合は電気を通しているため、電気そのものの質や、他の機器との干渉などでノイズがのったりすると、原因や問題を特定するのに時間がかかったりします。
| 特徴 | ダイナミックマイク | コンデンサーハンドマイク |
|---|---|---|
| 感度 | 低め(近接で力強い音) | 高い(細部まで拾う) |
| 音の傾向 | 太く温かい、中域が強い | 明るく抜ける、高域が伸びる |
| ノイズ耐性 | 強い | 弱い(静かな現場で真価を発揮) |
| 環境適応 | 屋外・爆音ステージ向き | 屋内・スタジオ/配信向き |
すごく簡単にいってしまうと、コンデンサーマイクの方が、繊細で音の解像度が高いけど、取り扱いはとってもデリケートにしないといけないというわけです。
メリットとデメリットを把握
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 音質 | 高域まで伸びやかで解像度が高く、繊細なニュアンスを再現できる。 | 感度が高すぎるため、ノイズや環境音を拾いやすい。 |
| 感度 | 小さな声や息づかいも正確にキャプチャ可能。 | 大音量の現場では歪みやすい場合がある。 |
| 電源 | ファンタム電源やバッテリー駆動で安定した出力を得られる。 | 電源供給がないと使用できない。 |
| 耐久性 | 室内使用では長寿命で安定した性能を発揮。 | 湿気や衝撃、温度変化に弱く、屋外使用に不向き。 |
| 用途 | スタジオ録音、配信、アコースティックライブなどで真価を発揮。 | 野外ライブや爆音のバンド現場では取り扱いに注意が必要。 |
なぜ、ライブでハンドマイクを使うのか?
コンデンサーマイクには主に3種類に分類することができます。
- ショックマウントが別の大口径タイプ
- ショックマウント内蔵のハンドマイク
- 小型のラベリアマイク
どのタイプのマイクが音がいいのか?
というと、一概には言えません。
どれも特徴を持っており、素晴らしいマイクは音がいいです。
今回はハンドタイプのコンデンサーマイクの紹介ですが、ハンドタイプのコンデンサーマイクは一般的にライブ用という認識がありますが、ライブでは大口径のコンデンサーを使ってはいけないのか?というとそういうわけではありません。
なぜハンドタイプのマイクはライブ用だと言われるのでしょうか。
それはズバリ!
ハンドマイク(手持ちマイク)は、歌唱表現とステージ演出の自由度を高めます。
- 距離と角度を自分でコントロールできる
→ マイクを近づければ低域が強調され、離せば空気感が増す。 - 動きながら歌える
→ ダンスやステージ移動をしながらも安定した歌唱が可能。 - 感情を伝える“身体的ツール”
→ 手の動きと連動したマイクワークが、ライブの臨場感を生む。
✅ ポイント:ハンドマイクは「声+身体表現」を一体化させるための“楽器”でもある。
また、演者の顔が見えるという点では昨今はヘッドセット型のマイクを耳掛けで(これも上記の3点のメリットがある)歌うライブも一般的になっていますよね。
ただ、やはり三つ目の細かいマイキングが手元でできるというのはライブでハンドマイクを使う最大のポイント。
Christina Aguileraさん、Mariah Careyさん、それぞれマイクの使い方を見てみましょう。
かなり細かく手元でマイキングを操作しているのがわかります。
例えばデクレッシェンド(だんだん小さく)するときなんかも自身の声のボリュームを落としながらマイクを口元から離していく、そうすることで、声だけでコントロールするよりもグラデーションがより滑らかにデクレッシェンドできるわけです。
また発音によって微妙にマイクの角度を変えているのもわかるでしょうか。
音域によっても口元から水平なのか、角度をつけるのか、彼女たちクラスになってくるとほぼ無意識にコントロールしているでしょうが、ボーカリストはこういった細かい表現をハンドタイプのマイクを使い、手元でしっかりコントロールしていく必要があります。
ポイント
スタジオに設営している大口径のマイクだと紹介した動画のように簡単にマイクをスタンドから取り外したりはできませんし、重さも桁違い。
ハンドタイプはライブに特化したマイクと言って差し支えないでしょう。
スタジオ収録だと顔を正面からしっかり見せる必要がなく音だけに集中できるため基本的には大口径マイクで収録するほうが編集での選択肢が増えるため最適だと思います。
コンデンサーハンドマイク5選
ではここからおすすめのコンデンサーハンドマイクをみていきましょう。
NEUMANN ( ノイマン ) / KMS104

コンデンサー型のハンドマイクで筆者が真っ先に頭に浮かんだのがこのKMS104。
さすがはノイマンと言えるマイクです。
同じノイマンのペンシル型のマイクではKM184は名機の中の名機。
KMS104もノイマンらしいドイツサウンドを持ちながら、時にノイマンらしくなり透明感を持った素晴らしいマイクです。
より低域の特性を調整したと謳うKMS104 PLUSというモデルもありますが、こちらよりも掲載中のノーマルタイプ、KMS104の方が透明感が高いと個人的には感じます。
音響は常に足し算よりも引き算の美学があります。
ちなみにこちらはブラックモデルがあり、ライブの状況や映像表現のコンセプトによって色を使い分けられます。
確認はしてないですが、こちらのYoutubeのボーカルはKMS104だと思います。
AKG ( アーカーゲー ) / C5 コンデンサーマイク

こちらはスタジオのポッドキャストで使っていたマイクで、お値段の割にはなかなかいい仕事をしてくれるイメージです。
ただし環境依存と、低域の特性が個性的なので個人的には編集が大変だなと感じたマイク。
といいますのもやはり筆者の録音エンジニアとしての耳はDPAで育てられていますのでどうしてもフラット特性こそ最高の音響・・・神話が抜けきれないわけでございます。
フラット特性が好きな方はやはり先述のKMS104か、後述するDPAやアースワークスをチェックしてください。
ちなみにもうワンランク上のC7というモデルもありますが、こちらは3万円近くなってきますので、それなら別の選択肢かなとは思います。
C5はこのお値段に対してのコスパの面でGOODという枠で紹介しています。
ある程度EQの知識が必要だったりと、安いからこそ上級者向け。
コスパとのバランスもしっかり意識していきましょう。
DPA ( ディーピーエー ) / 4018V-B-B01

やっぱりDPAはノイマン同様最高なんです。
DPAのボーカル用ハンドマイクのモデルにはカプセル交換ができない2028モデルとこちらの4018Vモデルがあり、4018Vモデルはワイヤレスシステムにも多様に対応している点とカプセルが取り外しができるのが特徴です。
また、4018は2タイプのモデルがあり、サウンドハウスさんでは4018Vモデルの在庫がありました。
- d:facto 4018V:高域ブースト
- d:facto 4018VL:高域フラット
ただし、VLカプセルに交換することで変更可能です。

4018Vと4018VLの比較音源がありましたのでシェアしておきます。
2018年に名称を「d:facto II」から「d:facto」に変更していますので、Youtube等で検索すると出てくるd:facto IIの表記は2013年以降のd:factoという認識で大丈夫です。
DPA4011は指向性のマイクの中でもかなりおすすめの逸品。
DPAのフラット性があんまり好きじゃない方にとっては、総合バランス面でKMS104がいいですが、DPAサウンドが好きな方にとっては4018、d:factoは最高の選択肢になります。
SENNHEISER / E965 ボーカル用コンデンサーマイク

コンデンサー型ハンドマイクで忘れてはいけないのがE965。
ゼンハイザーらしさをしっかりと発揮してくれる素晴らしいマイクです。
単一指向性と超指向性を切り替えられるため、ハウリングを起こしやすい現場では超指向性にするなど柔軟に対応可能。
ただしゼンハイザーらしさがしっかりと乗っていますので好みが分かれるところではあります。
EARTHWORKS ( アースワークス ) / SR314S

いつも個性的で取り扱いの難しいメーカーだと感じるのがEARTHWORKS。
EARTHWORKSはアメリカのメーカーですが、どのモデルも非常に使い手を選びますし、使うジャンルをかなり選びます。
そのため、はまればとんでもない破壊力を生み出してくれますが、はまらなければ、高いのになんだか微妙・・・という感想になってしまうこともしばしば。
また、マイクセッティングによってもかなり変化し、マイクセッティングを誤ると及第点以下の結果になってしうまうこともありますので、かなり上級者向けのメーカーであるといえます。
EARTHWORKSはジャズをはじめとするアメリカ系のミュージシャンやスタジオに愛好家が多いのも特徴です。
馴染んでしまえば最高の武器となる。
そんなマイクロフォンです。
EARTHWORKSの特徴、要素としての滑るようなグラデーション、うまく例えられないですが、決してシルバーなどの貴金属ではなく、ステンレスといったニュアンスで、マイクセッティングでこの貴金属と合成金属の間を取ると言ったニュアンスです。
うまくはまれば最高ですがヘタをするとステンレス感だけが残ったような感覚になります。
音響が得意な方とのユニットやチーム、プラグインを使った加工や編集が得意でしっかり音を作り込んでいける方はSR314がおもしろいと思います。
ボーカリストが日常の活動用として選択するのであればやはりKMS104がベストでしょう。
KMS104であれば、どこのスタジオの録音エンジニアさんでも加工の工程、プロセスがある程度頭に入っていますので、持ち込みミックスやマスタリングを依頼してもスムーズに進みます。
まとめと注意点

- 悩むならKMS104で大きな間違いは起こらない。
- コンデンサーマイクなので保管にも注意。
- 平均予算は10万円くらい。
- Youtube等のサンプルは編集加工済みであることを前提に視聴する。
KMS104で大きな間違いは起こりません。
オーディオ系の中古市場はカメラ系に比べると大きくないですが、例えば後輩や生徒さんに譲ったりする際もKMS104であればそれなりのリセールバリューを示せます。
またコンデンサーマイクなので、取り扱い、移動、保管なども温度や湿度に気をつけましょう。
こういったカメラ系のドライボックスで十分ですし、筆者は長年ジップロックと除湿剤だけで保管しています。
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