マイクの種類と楽器別の選び方

※この記事は2020年4月10日に更新されました。
※当記事は基本的にコンデンサーマイクを前提としています。

筆者はワンポイント録音の名手であり、金田式電流伝送DC録音の正当な後継者の五島昭彦氏のスタジオでアシスタントをしていましたので、やはりワンポイント録音がメインになります。

マルチマイクの収録はドイツのケルン市にある、ロフトというスタジオでステファン・デザイアー氏に学んできました。

今回はマイクロフォンの種類や選び方、について簡単に紹介したいと思います。

大きく分けると二種類

マイクロフォンを選ぶ際、最も重要なのは指向性です。

大きく分けると

  • 指向性 (Cardioid)
  • 無指向性 (Omunidirectional)

この二種類だけなんです。

指向性の中には他にも細かく分類されており、収録内容や現場の状況によって使い分けれます。

[su_box title=”指向性マイクの種類” box_color=”#84ff21″]・カーディオイド (Cardioid)
→主にマイクの正面の感度が最も高いです。
・サブカーディオイド (Subcardioid)
→ワイドカーディオイドとも呼ばれ、カーディオイドより収音領域は広くなります。
・スーパーカーディオイド(Supercardioid)
→サイドからの音も遮断してしまうため、しっかりとセッティングしていく必要がありますが、周囲の環境音に依存しないため、狙った音だけをピックアップすることができます。
・ハイパーカーディオイド(Hypercardioid)
→双指向性マイクの性質が備わっており、背面からの感度はあるがサイドの遮断が効いている状態です。
・双指向性(Bidirectional)
→正面と背面の感度を持っています。 向かい合った2つの音源の収録に最適です。[/su_box]

細かい分類での使い方については本日の記事では割愛します。

指向性マイク (初級・超上級)

これは文字通り、狙って録音するタイプのマイク。
狙っている音以外の音が入ったりしないので主にマルチ録音をする際に採用されます。

メリット
・狙っている音を的確にモニターできるため、マイク位置を決めやすい。
・価格と性能が一致するケースが多く、費用に対する効果が得られやすい。
・初心者から使える。

デメリット
・それなりの性能や結果を得るためにはそれなりの金額がかかり、初期投資がかかりやすい。
・中級者以上になってくると、マイク位置に迷いが出やすい。

無指向性マイク (中級・上級)

周辺の音すべてを拾います。

人間の耳は、基本的には無指向性と指向性の組み合わせでできており、実は完全な無指向性の音をモニターしているわけではありません。

そのため、慣れないうちはモニターしていても音の動きを的確に捉えられなかったりします。

メリット
・低価格でも高級マイクと同等かそれ以上の効果が得られる可能性を秘めている。
・素子の作りがシンプルなため、小型化しやすい。

デメリット
・初心者で慣れないうちは、どこに置いても同じに聴こえ、マイク位置に迷いが出やすい。
→特にオンマイクセッティングの場合、周波数が喧嘩する位置を的確に見抜かなければならず、且つ編集で潰しが効かないため非常に精度の高いモニター技術が要求されます。
・かなり高精度なモニターが必要。
・収録に失敗した場合、編集で潰しが効かない。
・ある程度の距離が必要且つ、十人十色の距離感があり、マイクセッティングの幅が広すぎる。

このような性質から初心者がいきなり無指向性マイクで録音を学ぶと、モニターなどに関して混乱してしまう場合があります。

かといって、指向性マイクから導入する場合は、中途半端なマイクを購入してしまうと安物買いの銭失い・・・という状態に陥ってしまい、初期投資がかなりかさんできてしまいますので一長一短あると言えます。

用途別の選び方

動画編集者の場合(無指向性マイク)

これからの世界、動画編集者は映像の収録はもちろん、当然音声の収録も、これまでの録音エンジニアと同等の技術と知識で作業していかなければいけません。

このようにエンジニア志望の場合は、すべてのマイクロフォンを熟知し、学んでいく必要があります。

その場合の目安となるのは、ワンポイント録音を軸にしていく場合は最初、無指向性マイク+補助マイク(指向性マイク)でスタートするのが最適です。

逆にマルチマイクで収録していく方は指向性マイクがいいでしょう。

もちろん何を撮るか?にもよって選択する機材は違ってきます。

追って当サイトでも情報を発信していきたいと思いますので、是非今後もチェックしてみてください。

→映像制作者が持っておきたい機材リスト(準備中)

ピアニストの場合(指向性マイク)

ピアニストの方はまず最初は指向性マイクで音を掴んだ方がいいです。

ご存知の通りピアノは音の宇宙とも言われるほど多くの倍音を含み、プロの録音エンジニアの間でもピアノの録音は難しいと言われる方も少なくありません。

弾き手としてピアノの音を聞いてきただけに、聞き手側でどんな音が鳴っているか実は知らないのがピアニスト。

客観的に音の流れをつかむまでは聞き手側の倍音の散らばり方が分からないと思います。

指向性で練習し、より深い倍音が必要になったときに無指向性との組み合わせを検討するのがいいでしょう。

以下の位置別マイクの音比較でも、奏者の頭上がいつも聞きなれた音!ではないでしょうか?

→ピアニストにオススメのマイク紹介(準備中)

→KM-184 [ピアノの位置別指向性マイクの音比較]

弦楽器奏者の場合(指向性マイク+無指向性マイク)

弦楽器奏者の場合、どちらでもOK!

収録内容、楽曲や、場所によって変えれるのがベストですが、弦楽器奏者の場合は残念ながらマイクの選択肢は一択しかありません。(筆者の個人的感想)

ショップスで決まりです。(筆者の個人的感想)

これはオーディオ業界ではよく知られたことですが、弦楽器の収録はもうショップスで決まりなんです。

松脂の引っかかる音、弦特有のザラザラ感・・・ショップスでしか出せない音があります。

ちなみに筆者の師匠である五島昭彦氏も弦楽器はショップスしかないと言っていますし、現在の金田式電流伝送真空管DC録音のマイクカプセルはショップスのMK4(指向性)が採用されています。

→こちらはMK2での試作版のテスト音源を掲載しています。

ピアノの音もハンマーの打鍵の質感などかなり素晴らしい音に仕上がっていますが、ピアノの場合はDPAなど他の選択肢もありです!

ボーカリスト(指向性マイク)

もちろん無指向性マイクを使うこともありますし、実際は収録内容によって変えるべきですが、基本的には指向性マイクでOKです。

正し、ギター弾き語りは無指向性のワンポイント録音がはまればすさまじい世界観が発動します。

弾き語りではありませんが、以前無指向性マイクでボーカル収録をしてみたことがありますので参考にしてみてください。

→無指向性マイクでボーカル収録(B2-proのサンプル)

Youtuber (超指向性マイク)

ユーチューバーさんは指向性マイクか、超指向性マイクが最適です。

ロケで使う場合など特に無指向性ではかなり厳しいと思います。

吹奏楽部や合唱部の顧問(無指向性マイク)

最初は無指向性マイクから初めて見るといいかもしれません。

特に合唱でのDPAの清潔感と空気感は圧巻です。

合唱部の場合はDPA2006ステレオペアで間違いが起こることはないでしょう。

弁護士さん or 探偵さん(無指向性マイク)

探偵さんは無指向性マイクで決まりです。

特にラべリアマイクと呼ばれる米粒程度の大きさのマイクがあります。

これだといろんなところに仕掛けることもできますし、服に着けていても外からはわかりません。

録音されているのがバレたくない場合は無指向性のラべリアマイクが最適!

決して悪用しないでくださいね。

まとめ

それぞれの細かい内容については各記事に飛んでみてください。

マイクはカメラでいうところのレンズの部分です。

絶対にケチるべきところではありません。

配信や生放送の優先順位としては・・・

1、マイク
2、パソコン
3、カメラ
4、照明

という具合に重要度が上がります。

みなさんの参考になれば幸いです。

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