【保存版】LEWITTっていいマイクですか? 大口径マイクシリーズの音質と選び方
この記事の目次
この記事のポイント
- LEWITTの音ってどうなの?
- LEWITTの中でおすすめのマイクは?
- LEWITTってどんな会社?
- LEWITTの社長が一押しするマイクは?
朝比奈 幸太郎 / 音楽家・宗教文化研究家
音楽大学で民族音楽を研究。
卒業後ピアニストとして活動。
インプロビゼーション哲学の研究のため北欧スウェーデンへ。
ドイツにて民族音楽研究家のAchim Tangと共同作品を制作リリース。
ドイツでStephan Schneider、日本で金田式DC録音の五島昭彦氏から音響学を学ぶ。
録音エンジニアとして独立し、芸術工房Pinocoaを結成。
オーストリア、アルゼンチンなど国内外の様々なアーティストをプロデュース。
現在はヒーリング音響を研究するCuranz Soundsを立ち上げ、世界中に愛と調和の周波数を発信中。
中級者以降はLCT 540 Sを選択してください。
予算が許せばLCT540Sを買って間違いは起こりません。
LCT240Pro / おすすめ度:★☆☆☆☆
- 音質
- 3.0
- コスパ
- 3.0
- デザイン
- 6.0
- 購入のしやすさ
- 8.0
- 総合点
- 1.5
LEWITT(ルイット)の大口径コンデンサーシリーズの中では最も安価に手に入るマイクロフォンです。
このマイクがおすすめできない理由をみていきましょう。
決して悪くないんですが、すべてに置いて中途半端になっしてまうのが正直な感想です。
このクオリティーであれば、ショックマウントなどなどわざわざ準備するのは面倒にさえ感じます。
コンデンサーハンドタイプのマイクでいいのでは・・・?
個人的にC5あたりとあまり変わりません。
AKG ( アーカーゲー ) / C5 コンデンサーマイク / サウンドハウスで見るLEWITTは素晴らしいコスパと音質のマイクロフォンです。
あなたにとってのLEWITT(ルイットファーストミーティング)最初の一本に絶対に選ばないでください。
というよりもこのマイクを購入する理由はどこにもありません。
厳しい言い方をすると、LEWITT(ルイット)は実質次の440からスタートになります。
LCT440PURE / おすすめ度:★★★★☆
- 音質
- 8.5
- コスパ
- 7.5
- デザイン
- 9.0
- 購入のしやすさ
- 8.0
- 総合点
- 7.0
シリーズ中で最もコスパに優れた最高の逸品です。
このクオリティーのマイクロフォンをこの価格で出してくるという辺りがLEWITT(ルイット)の新興オーディオメーカーとしての決意を感じます。
LCT440を2本使ったステレオペアマイク(オランダ方式)で使ったりしていましたが、コスパは最高にいいです。
LCT440PUREは間違いなく世界中でベストセラーとなっているはずですし、この価格帯で購入できる同程度のクオリティーのマイクは他にはないと断言できます。
LCT 440 PUREは、どんなサウンドソースにも対応でき、素晴らしいサウンドを収録してくれます。その名に恥じないスタジオ万能機です。
LEWITT公式サイト
アコースティック・ギター、ドラム、管楽器、ギター・キャビネットなど、ピュアなスタジオ・サウンド・クオリティで、これまで以上に素晴らしいサウンドを録音できます。
同ラインではLCT 441 FLEXという指向性パターンを切り替えられるマイクもありますが、個人的にはあまりおすすめしません。
おそらくAKGのC414を意識して制作したものですが、LCT440PUREほどのコスパは感じられないでしょう。
さて、ここで環境に意識を向けている人に対して440のリミテッドエディションを紹介。
LCT 440 PURE VIDAというのがあります。
私たちは、多様性と持続可能性を推進することに価値があると考えています。特に自然を愛する者として、この熱帯雨林の宝を保護することに専念する試みに参加できるのは喜ばしいことです。
Roman Perschon, CEO of LEWITT
LCT 440 PURE VIDAの売り上げの収益の一部は、熱帯雨林の保護に直接寄付されます。
LEWITT ( ルウィット ) / LCT 440 PURE VIDA Editon / サウンドハウスで見る LEWITT ( ルウィット ) / LCT 440 PURE VIDA Editon / Rock oNで見るLCT 540 S / おすすめ度:★★★★★
- 音質
- 9.5
- コスパ
- 9.5
- デザイン
- 9.0
- 購入のしやすさ
- 8.0
- 総合点
- 9.0
Kotaro Studio音響顧問:金田式電流伝送DC録音の五島昭彦氏も『540はDPA4011と戦える』とコメントしているほど。
このマイクは本当に、本当に度肝を抜かれる最高のマイクです。
五島昭彦氏の作品は金田式DC録音作品のページで紹介しています。
LCT 540Sの素直な入口と透明感、低域から中域にかけての滑らかなグラデーションとセクシーな減衰力性能は本当にフラッグシップマイクに匹敵するほどの最高性能です。
完璧な製品を生み出すためには、付加的な機能はある程度割り切り、本質的に必要な機能に注力する必要があります。
LEWITT CEOであるRoman Perschon氏のコメント
LCT 540 SUBZEROは画期的な製品ですが、個々の機能のどれもが必要不可欠であり、何一つ欠けてもこの製品は生まれませんでした。
Roman Perschon氏のおっしゃっている通り、まさに完璧な製品であると言えます。
本気で録音・音響エンジニアを目指す方にとっても最強の武器となりますし、Youtuberやポッドキャスターにとってもこの性能と音質と値段なら非常にローリスクな設備投資と言えます。
中級者以降〜であれば、2本揃えてステレオペアにし、バリバリ音楽収録や仕事に活かせると思います。
指向性2本使ってNOS方式でステレオペアとするとなると、これ以上の音響とはどんな選択肢があるのか?
おそらくNeumann Km184かDPA4011などになってくるでしょう。
下記の記事では簡単な距離別音声テストを行っています。
初心者の方でボーカルやナレーションなどに関してマイクセッティングがいまいちわからないという方は是非チェックしてくださいね!
LCT640 TS / おすすめ度:★★★★☆
- 音質
- 9.0
- コスパ
- 8.0
- デザイン
- 8.5
- 購入のしやすさ
- 7.0
- 総合点
- 8.5
640Sは一本でステレオ録音(デュアル出力)ができるタイプの大口径コンデンサーマイクロフォンです。
例えば540Sならワンポイント録音などのステレオ録音する場合2本必要になります。
しかし640Sは一本で済むという点でなによりセッティングの簡略化に大いに貢献しています。
ただし内蔵ステレオモードは補助目的での用途になります。
640Sをステレオで録音するにはやはり2本購入してセッティングすることでポテンシャルを最大限まで引き出せると言えるでしょう。
現場によってはセッティングと撤収までの時間が非常に限られている場合や、軽装備でいかなければいけない場所での録音など様々な事情があるかと思います。
また、ポッドキャストなどもステレオの臨場感を補助的に捉えて他のマイクで音声をピックアップしてミックスする等様々なステレオならではの補助要素が考えられます。
他にも一本でステレオ収録可能なマイクは世の中にちょくちょくありますが、その中でも音質クオリティーは非常に高いと言えます。
また、640Sは5タイプの指向性に切り替えて使用します。
640Sを無指向性モードで室内楽アンサンブルの録音を行った際には、他のどの無指向性マイクとも互換できない特別なニュアンスを感じました。
そういう意味でもやはりルイットのマイクロフォンは特別な存在であると言えます。
指向性のステレオペア録音の場合は先述のLCT540Sで基本的にOKです。
LCT 840 / おすすめ度:★★★☆☆
- 音質
- 9.0
- コスパ
- 5.0
- デザイン
- 8.5
- 購入のしやすさ
- 5.5
- 総合点
- 8.5
LEWITT ( ルウィット )の真空管マイクといえばこのLCT840。
ただし次に紹介する940の場合はFETと真空管を切り替えられる仕様になっているため、価格差を考慮するとルウィットの真空管マイクを使いたい場合は940がベストな選択肢かな?
という印象です。
在庫探すは結構大変ですし、少し中途半端なマイクとなっていますが、音質自体は個人的に好きです。
LCT 940 / おすすめ度:★★★★☆
- 音質
- 9.5
- コスパ
- 7.5
- デザイン
- 7.5
- 購入のしやすさ
- 7.5
- 総合点
- 8.5
LEWITT ( ルウィット )でフラッグシップマイクの入口といえばこれ。
FETと真空管を切り替えられる仕様となっており、真空管サウンドを体験したい方はこれで決まりです。
ただし非常に重装備となってしまう点とどう電力を取るのか?
なども考慮しなければいけない機種になるので、非常に高い専門知識が要求されるマイクとなっています。
持ち出しての収録というのはあまり現実的ではなく、スタジオに常設するタイプのマイクと言えます。
音質面でいうと、確かに真空管ならではの温かみを感じますが、ざらざらした感じの温かみが好みの方には合わないかもしれません。
シャンソンやタンゴなんかのボーカルにはぴったりだと思いますが、ナレーションや台詞などの場合は声質によっては他の選択肢もあり?
LEWITTのFETは先述の540Sでかなり完成領域になっていますので
そういったことを考えると、特に真空管が気に入った!
といったケースでない限りはやはりLCT 540 Sにマイクアンプなどの音響装備を強化していったが・・・幸せになれるのかな?
と思ってしまします。
LEWITT ( ルウィット ) / LCT 540 S サウンドハウスで価格をチェックLEWITT Ultimate microphone system LCT 1040 / おすすめ度:未知数
サンプル音源を聞く限り、個人的には最高と感じます。
このクラスのマイクを選ぶ方は真空管に切り替えた時にどれだけの威力を発揮してくれるかが最重要ポイントかと思います。
LEWITT ( ルウィット ) / LCT 1040 / サウンドハウスで見るこの価格帯ですから、FETだけでみた場合に他の選択肢が多数あることは間違いありません。
FETでは最高に好みの音質且つ、『FETで最高のマイクと真空管で最高のマイクを二つ買う』よりもコスパ良く買えるか?が重要ポイントになります。
真空管でいうところの例えばTELEFUNKEN U47やNEUMANNのU67なんかと比べてどこまで戦えるのか?という聞いた方の感想の領域を抜け出せません。
TELEFUNKEN ( テレフンケン ) / U47 / サウンドハウスで見る NEUMANN ( ノイマン ) / U 67 Set / サウンドハウスで見る仮にこのあたりのマイクと比較しても匹敵すると感じられる場合はFETも切り替えられて比較すると低価格となる1040は間違いなく買いになるでしょうし、遠く届かないと思う場合でもFETのサウンドが他のフラッグシップ価格帯のマイクと比較して充分な性能が出ていると感じられる場合は検討の余地がありそうです。
またこれらのマイクを比較する場合は再生環境にも気を使わなければいけませんので、初心者の方は必ずオーディオに詳しい方のサポートの元購入検討するようにしましょう。
またこの価格帯ですとFETとして考えても例えばTLM49やそれこそ540だとペアで揃っちゃう・・・なんて考えると真空管の威力次第ではありますが、この価格をかける恩恵はあまりないのかなと感じました。
筆者の特に専門分野であるピアノの音源を聴いてもこれは間違いなく他の選択肢、例えば単一指向性のSCHOEPS Stereo Set MK 4や、カプセル切り替え式のMK5、無指向性でもDPA4006が視野に入る価格帯ですから、それらを取るかなという印象。
ただし、 NEUMANN / M149 Tubeよりは真空管マイクとして優れていると感じますのでNEUMANN / M149 Tube を買うなら1040です。
まとめ:LEWITTは440PUREか540Sがベスト
新興マイクロフォンメーカーとして大変信頼しているLEWITT(ルイット)ですが、最もLEWITT(ルイット)のコスパ威力を体験したい場合は440PUREか540Sがベストな選択肢であると言えます。
940はFETとの切り替えができるので目的によっては重宝しそうですが、540S以降になってくると他の選択肢も慎重に検討するべきであると考えます。
540Sは買って後悔しないマイクとしてKotaro Studioとして、また、Kotaro Studioの音響最高顧問の五島昭彦氏も自信を持っておすすめします。
ポップガード
LEWITTのマイクロフォンは基本的にポップガードがセットでついてきます。
この付属のポップガードはかなり性能がいいのですが、外部ブランドで用意するとなるとステッドマンの101があります。
これはかなり性能がよく、ポップノイズをかなり削ってくれますので、ボイストレーニングなどを受けていない方や、初めて音声配信、収録する方はセットで買うといいでしょう。
マイクケーブル
マイクケーブルはかなり重要な項目になります。
最高のおすすめはモガミ2549。
少しお値段貼りますがお値段に見合った価値がありますので、お試しください。
MOGAMI 2549 (0.5m)
0.5mは自宅スタジオやミキサー、マイクアンプなどを経由する際にとても重宝する長さです。
音質にこだわりがあればいつか必要になることになるので、用意しておきましょう。
MOGAMI 2549(2m)
一般的なセッション録音などに最適な長さです。
1.5mでは少し心配なシーンもありますが、2mという絶妙な長さのケーブルは様々な現場に対応できる柔軟性の高い長さになります。
MOGAMI 2549(3m)
自宅スタジオでは少し長いと感じる3mですが、自然界の収録や、ホールでのセッション録音や、ライブ会場でのステレオペアセッティングには最適な長さになります。
お仕事でオーディオを取り扱う方は次の5m以上と必須の長さになります。
MOGAMI 2549(10m)
10mあればほとんどの現場で対応可能になります。
自宅スタジオではよほどのことがない限りほとんど使うことがないでしょう。
小さい規模のスタジオやホールの録音でも景観を考慮した配線には5m以上のケーブルが必須です。