【保存版】プロが教えるDSDオーディオを楽しむためのガイド:高解像度音響の世界へ
この記事の目次
DSDについて深く理解することができ、音を愛する人のためのDSD完全ガイドをお贈りします!
簡易紹介:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
プログラミング(C)を株式会社ジオセンスのCEO小林一英氏よりを学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、またスタジオでは音響エンジニア、フォトグラファーなどマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではプログラマー、音響エンジニアとして知識とスキルをシェアしていきます
DSD録音の基本と進化
DSD(Direct Stream Digital)録音は、アナログ音源をデジタル信号に変換する際に使用される技術です。
この方式は、従来のPCM(Pulse Code Modulation)方式と異なり、より高いサンプリングレートで音を捉えることが可能です。
DSD録音の歴史は、1990年代にさかのぼり、SACD(Super Audio CD)の登場とともに注目されました。
DSD技術の深掘り:音響の科学
DSDフォーマットは、1ビットの超高速サンプリングを特徴としています。
これにより、音の細部まで豊かに再現することが可能になります。
DSDのサンプリングレートは、2.8MHzから11.2MHzに及び、これはCDの44.1kHzや一般的なPCMフォーマットの96kHz/192kHzを大きく上回ります。
DSDとPCMの比較
DSD(Direct Stream Digital)とPCM(Pulse Code Modulation)の違いについて詳しく説明しますね。
DSDとPCMの最大の違いは、サンプリングレートとビット深度にあります。
PCMはより多くのビット(通常は16ビットまたは24ビット)を使用し、DSDは1ビットのみを使用します。
この違いにより、DSDはより自然で滑らかな音質を提供するとされていますが、PCMは編集の柔軟性が高いという利点があります。
PCM(Pulse Code Modulation)
- 原理: PCMはアナログ信号を一定の間隔でサンプリングし、それぞれのサンプルをデジタル値に変換します。このプロセスにはサンプリングレート(一秒間に何回サンプリングするか)とビット深度(各サンプルのデータ量)が関係しています。
- サンプリングレートとビット深度: 例えば、CDの標準は44.1kHzのサンプリングレートと16ビット深度です。これは、一秒間に44,100回のサンプリングを行い、各サンプルを16ビットのデータで表現することを意味します。
- 品質とファイルサイズ: サンプリングレートとビット深度が高いほど、音質は良くなりますが、ファイルサイズも大きくなります。
DSD(Direct Stream Digital)
- 原理: DSDは1ビットの極めて高いサンプリングレートでアナログ信号をサンプリングします。この方法はパルス密度変調(PDM)と呼ばれ、アナログ波形を1ビットのデータストリームで表現します。
- サンプリングレート: DSDの標準的なサンプリングレートは2.8224MHzです。これはPCMの標準サンプリングレートよりもはるかに高く、非常に細かいディテールを捉えることができます。
- 音質: DSDはその高いサンプリングレートにより、非常に自然で滑らかな音質を提供します。特に高周波数の再現性に優れています。
- ファイルサイズ: DSDファイルはサンプリングレートが高いため、通常、PCMファイルよりも大きなファイルサイズになります。
比較と使い分け
- 音質: DSDはより自然でアナログに近い音質を提供すると言われていますが、PCMも高解像度のフォーマットでは非常に高品質な音声を提供します。
- 互換性: PCMはより一般的で、多くのデバイスやソフトウェアでサポートされています。一方、DSDは特定のオーディオ機器でのみサポートされていることが多いです。
- 用途: DSDは主にオーディオファイルやオーディオフィール向けの高品質な音源に使用されます。PCMは一般的な音楽再生、映画、ビデオゲームなど幅広い用途に使用されます。
どちらのフォーマットも一長一短があり、使用する環境や目的に応じて選択するのがベストです。音質に敏感な方はDSDの自然な音質を好むかもしれませんが、互換性や利便性を重視する場合はPCMが適しています。
DSDオーディオの魅力とは?
DSDは非常に高いサンプリングレート(例えば2.8224MHz)を使用しています。
これはPCMの標準サンプリングレートよりもはるかに高く、音の細部まで捉えることができるため、よりリアルで豊かなサウンドを提供します。
つまり情報量が圧倒的に違うというわけですね。
DSDオーディオの最大の魅力は、アナログ録音の温かみと細やかさを保ちながらデジタル化することができるという点です。
もちろんアナログ録音の情報量は無限大であり、どこまでそこに近づけるのか?という戦いでもあります。
どこまでいっても永遠にアナログと🟰になることは理論上ありませんが、DSDは2024年時点で最もアナログに近い情報量を持ったデジタル規格ということになります。
DSDは音質にこだわるプロフェッショナルなリスニング環境を求める人々にとって、最高の音楽体験を提供することができます。
DSDオーディオを楽しむためのガイド
ここからは実際に機器の選び方からファイルの購入方法まで、DSDオーディオを最大限に楽しむためのステップを紹介します。
対応ハードウェアの選択
DSDファイルを再生するには、DSD対応のDAC(デジタル・アナログコンバータ)が必要です。
DACは、デジタルオーディオ信号をアナログ信号に変換する装置。
購入時には、DSDフォーマット(例えばDSD64、DSD128、DSD256など)に対応しているかを確認しましょう。
最近はDACとヘッドホンアンプがセットになっているものも売られています。
デジタル送信機(PCやタブレットなどのDSDを再生するデバイス)とこのDSDDAC(ヘッドホンアンプ付き)があればヘッドホンで再生を楽しむことができますし、ヘッドホンアンプが別売りのタイプですと、別途用意しなければいけません。
最初にヘッドホンで楽しみたいのか、スピーカーで楽しみたいのかを決める必要がありますが、いずれにせよ、いくらDSDだからといってもアンプ部によってその音が大きく左右されることを理解しておかなければいけません。
おすすめのDSD DAC
ヘッドホンアンプや、その他アンプ部というのは、オーディオ再生の要となる部分であり、いくらDSD再生だからといって、いくら高級ヘッドホンやスピーカーを持っているからといって、肝心のアンプ部がダメなら音は台無しになってしまいます。
使用しているパーツが公開されていればだいたいの予想は建てられるのですが、実際にはほとんどの場合聞いてみないとわからないところが多く、賭けに近いのが現状です。
そのため別売りで揃えた方が、ヘッドホンアンプが失敗したときのリカバリーが立てやすいので分けて購入するのがおすすめです。
TOPPING E30 II 2×AK4493S DAC
また、ディスクリートLNRD回路を採用し、電源からのノイズを効果的に除去し、ノイズフロアを15uV以下に抑えています。
純粋なDACモードでDSD信号を直接処理し、DAC+プリアンプアプリケーションでは内蔵ボリュームコントロール機能を使用して、パワーアンプやアクティブスピーカーに直接接続できます。
リモコンで音量を調整することも可能です。
DSDDACはヘッドホンアンプを搭載していないので、別途ヘッドホンアンプを用意する必要があります。
そのデザインとスタイルは、L30 IIヘッドフォンアンプと完璧にマッチし、ほとんどのヘッドフォンに適しています。
S.M.S.L D400EX D/Aコンバーター
特に注目すべきは、その超低歪み率(THD+N < 0.00006)と124dBの超高SNRです。
これにより、非常にリッチな音色と優れた技術性能を提供します。
D400EXは、第三世代のXMOS XU316 USBプロセッサを採用し、PCM 32ビット/768kHzおよびDSD512までのネイティブ再生をサポートしています。
また、MQAデコーディングにも対応し、光入力と同軸入力もMQA-CDと互換性があります。
Bluetooth 5.0技術を搭載し、LDAC、aptX HD、aptX、SBC、AACの高解像度伝送プロトコルに対応しています。
高解像度のオーディオ信号をアナログ信号に変換することに焦点を当てており、ヘッドホンアンプは別で用意する必要があります。
ヘッドホン
ヘッドホン選びも重要です。
モニターヘッドホンとリスニングヘッドホンをわけて考えてください。
モニターヘッドホンは録音する人向けです。
リスニングは視聴者向け。
SENNHEISER HD 25 PLUS
モニターヘッドホンはとくにこだわりなければ以下の3種類から、特にゼンハイザーのHD25はスタジオの音響顧問であり、金田式DC録音の五島昭彦氏も採用しており、圧倒的なおすすめになります。
SENNHEISER HD 25 PLUS
当サイトでも一押しの中の一押し。
本当に素晴らしい音を体験できます。
上位モデルもあるんですが、このHD25の方がいいんです。
サウンドハウスでの価格スタジオの音響顧問:金田式DC録音の五島昭彦氏も絶賛、何個も持っています。
SONY / MDR-CD900ST
これを外すわけにはいきません。
業界では定番中の定番。
オーバーイヤータイプですので長時間のモニター、制作におすすめです。
サウンドハウスでの価格ただし、業界ではどこでも誰でも持っているので持ち出す時は名前を書くなど目印が必要かも?!
CLASSIC PRO / CPH7000
サウンドハウスのオリジナルブランドのモニターヘッドホン。
サウンドハウスでの価格お安く提供してくれていますが、その分余計な加工がされていないため、とても素直でフラットな音を提供してくれます。
非常にコスパのいいモニターヘッドホンです!
ではリスニングヘッドホンも見ていきましょう。
リスニングヘッドホンの方が基本的には高額になりがちです。
先ほど紹介したモニターヘッドホンHD25はリスニングヘッドホンとしても最上級の音を提供してくれます。
基本的に音にフォーカスした場合ヘッドホンはHD25だけでいいほど。
HD25の唯一のデメリットは装着感(長時間の使用だと痛い)くらいです。
これもパットを交換することである程度緩和可能です。
とはいえ、開放型でのおすすめもありますので、紹介します。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / HD650
ちょっとお値段貼るように感じるかもしれませんが、もうこれ買うとその後ヘッドホン沼に陥ることがなくなり、結果的にコスパがいい商品になります。
まだ上があるのではないか?まだいい音のヘッドホンがあるのではないか?この音を聞くとそんな悩みをこの先抱えることがなくなります。
そしてこういう商品はやはりサウンドハウスさんが業界最安値ですね。
Sennheiser ヘッドホン 有線 HD 599 SE
DSD音源の入手日本サイト
現状だとハイレゾ音源の失敗により、高音質業界は足踏みしているのが事実です。
高画質はディスプレイ一つで実現できますが、高音質での視聴はやはりDACやアンプなどある程度の専門知識が必要な点が普及しない1番の原因だと思われます。
そのため、DSD音源もAmazonやSpotifyで気軽にプレイリストを作るというわけにはいかず、専門の配信ストアやサイト、ダウンロード購入という形になってきます。
e-Onkyo Music
日本のオンキヨーが運営する高解像度音源配信サイトで、DSD音源も多数取り扱っています。
日本のアーティストの音源も豊富です。
mora(モーラ)
ソニーミュージックエンタテインメントが運営するデジタル音楽配信サービスで、ハイレゾ音源を含む幅広い音楽を提供しています。
DSDフォーマットの音源もあります。
OTOTOY
高解像度音源の配信に特化した日本の音楽配信サイトです。
DSDフォーマットの音源も扱っており、インディーズからメジャーまで幅広いジャンルの音楽があります。
DSD音源の入手海外サイト
海外サイトの魅力は日本ではリリースされていない作品も幅広く手に入れることができる点です。
HDtracks
高解像度オーディオファイルの大手配信サイトで、DSDフォーマットの音源も多数取り扱っています。
ジャンルも豊富で、クラシックから現代音楽まで幅広い選択肢があります。
NativeDSD Music
DSD音源に特化した配信サイトで、DSD 64からDSD 256までの様々なフォーマットを提供しています。
クラシック音楽が中心ですが、ジャズやワールドミュージックなどもあります。
Acoustic Sounds Super HiRez
アナログレコードの販売で知られるAcoustic Soundsが運営するサイトで、DSDだけでなく、FLACやALACなど他の高解像度フォーマットも扱っています。
ProStudioMasters
DSDだけでなく、24ビットの高解像度オーディオファイルも多く取り扱っているサイトです。
様々なジャンルの音楽があり、選択肢が広いです。
これらのサイトでは、購入前にサンプルを試聴することができる場合が多いので、自分の好みやシステムに合った音源を選ぶことができます。
無料で使えるDSD再生ソフトウェア
e-Onkyo Musicやmoraなどの日本のストアでは、専用の再生アプリケーションを提供することがありますが海外サイトでは提供されないケースも多いです。
そのため、自分で再生できる環境を持っておくと、楽しめるDSDの幅は一気に広がります。
Foobar2000
プラグインによるカスタマイズが可能で、DSDプラグイン(SACDプラグインなど)を追加することでDSD再生が可能になります。
VLC Media Player
多様なフォーマットに対応しており、ユーザーフレンドリーなインターフェースを持っています。
DSDファイルの再生には追加の設定が必要な場合があります。
Audirvana Free
高品質なオーディオ再生が可能で、DSDファイルもサポートしています。
ただし、無料版は機能が限定されている場合があります。
有料のDSD再生ソフトウェア
JRiver Media Center
高度なオーディオ機能を備え、DSD再生に最適化されています。
多機能であり、オーディオファイルの管理にも優れています。
Audirvana
高品質なオーディオ再生に特化しており、DSDを含む多くのフォーマットに対応しています。
ユーザーインターフェースも洗練されています。
DSD再生ソフトウェアの選択方法
- 対応フォーマット: DSDファイルの種類(DSD64, DSD128, DSD256など)に対応しているか確認してください。
- ユーザーインターフェース: ソフトウェアの操作が直感的で、使いやすいかどうかを確認してください。
- 追加機能: イコライザー、プレイリスト管理、ネットワーク再生など、必要な追加機能があるかどうかを確認してください。
- システム互換性: お使いのコンピューターシステム(Windows, macOSなど)との互換性を確認してください。
- コストパフォーマンス: 無料版で十分か、有料版の追加機能が必要かを検討してください。
- 仕様変更:仕様変更により対応しなくなったりする場合もあるかもしれませんので、必ず確認してから購入してください。
金田式DC DSD録音の可能性
当スタジオの音響顧問である五島昭彦氏は現在金田式DC DSD録音を行っており、極めてアナログに近い形で金田式DC録音をしています。
ただし、まだ編集状況が整っていなかったり、配信方法に対して上記のように再生ソフトや再生装置の普及率の低さから気軽に小規模配信できるフォーマットが整っていなかったりします。
金田式DC DSD録音はオーディオファンにとっては夢のシステムであり、まさにレコードを持ち歩ける、レコードを劣化せずに保存できる画期的な概念です。
当時44.1khz / 16bitの情報量であるCDがレコードを劣化せずに保存できると世界で広がりましたが、その音質はレコードには到底及ばない情報量でした。
DSDであれば、人間の耳ではほとんど違いのわからないレベルまでレコード、アナログに近づけることができると思います。
今後のDSDのオーディオ世界が楽しみであると同時に、金田式DC DSD音源が増えていくことを願って止みません。
金田式DC DSD音源のデータ販売が始まりましたら速報でお届けしますので、是非当サイトをブックマークしてくださいね!
それでは、みなさんのオーディオ体験が素晴らしいものになりますように!