この記事ではフォクトレンダーのSuper Wide Heliarを作例交えて紹介します。
ただし15mmという超広角レンズはフォクトレンダー一択と言えるのではないだろうか。
L39での最広角は確か同じくフォクトレンダーからの10mmというのが出ていたはず。
これらはBessa-Lのためにリリースされたレンズでこのスーパーワイドヘリアー15mmも1999年発売と比較的新しいレンズであり、オールドレンズの部類にさえ入らないレンズとなっている。
構成 | 6群8枚 |
絞り | F4.5~F22 |
絞り羽根枚数 | 10枚 |
最短焦点距離 | 0.3m |
フィルター径 | 58mm |
レンズマウント | ライカ L(スクリュー) |
重量 | 105g |

簡易紹介:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
写真・映像スタジオで音響担当を経験しながら本格的な写真技術を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門ブランドであるCuranz Soundsのピアニストとして、また音響エンジニア、フォトグラファーとマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではフォトグラファーとしての知識とスキルをシェアしていきます
写るんですみたいに使う
このレンズはこのL39マウントが初代となっており、二代目、三代目と続いていく。
15mm F4.5 Aspherical III(コシナ公式サイト)
このレンズの特徴としては、被写界深度が非常に深い点で(ピントの合う範囲が広い)開放F4.5の場合でもピントリングを2mの位置に合わせ、約0.9m~∞まで合うように設計されており、、F8では1mの位置に合わせれば約0.5m~∞までかなり広い範囲でピントが合うように設計されています。
広角で絞り込むことによってピント合わせを省略することができるので、このレンズも写るんですと似たような感覚で撮影することができるというわけです。
L39マウントということなので、やはりレンジファインダーを軸に創られていますから、外付けのファインダーを覗いて構図を決めていくわけです。
バルナック型ライカにつけた時はこんな感じ。

【完全ガイド】バルナックライカで始まりバルナックライカで終わる〜フィルムカメラの旅完結
だからこそライカにはライカの外付けファインダーが必要で、こうやって非純正をつけたときはつけたときで、ライカの歴史ある質実剛健な姿勢がまた一つの美学として感じることができます。
外付けファインダーはやはりかっこいい。
レンジファインダー機ならではの贅沢というか、勲章というか、とにかくかっこいい。
この外付けファインダーもフォクトレンダー製でもちろん状態の良いものであれば凄まじくクリアに世界をみることができます。
それはそれはもうこれで目が慣れてしまったらプリズムファインダーは見にくいとまではいいませんが、やっぱり直視するファインダーは別物なわけですね。
外付けファインダーがなくても撮影できますので、『目』の近くに持っていって『目』で見ながらっていう感覚で撮影もできるので究極の広角撮影とも言えるのかも。
R2Cまでが完全機械式。
TはMマウントですがレンジファインダーのみ搭載、Rが良さそうですがLマウント、R2が最強か?!と思いきや、R2まで行くと中古価格で、『あっ、これならM型ライカ探そうか・・・』となる価格帯。
BESSAシリーズは気軽にM型レンズ使えるイメージですが、実は選ぶがめちゃくちゃ難しいシリーズなんですね。
50mmで軽快にスナップ撮っていて、ちょっとここだけ風景撮りたい!
なんて時はわざわざ外付けファインダーつけずに、レンズだけサッと変えて無限遠でパシャリというわけで、アナログ式カメラって最新のデジタルカメラよりも状況によっては素早く撮影ができてしまうところがあります。
当然シャッター速度のブレ耐性は広角になればなるほどついてきますので、だいたいこの画角であればF8,11で1/30秒でも気をつけて撮影すればほぼブレない。
1/15秒以下とかでも風景撮る時はどこかに置いて撮影したら結構いけるんですよね。
最短焦点距離も0.3mなので、寄れるといったら言い過ぎだけどなかなか近づける、故にISO100の室内集合写真なんかもでも工夫次第で結構余裕の立ち回りが可能になります。
フィルム作例
今回はコダックのゴールド(Kodak Gold)ISO200を使いました。

多分半世紀前と同じ景色?!
めっちゃノスタルジックですよね。
線路と田んぼ。
今の時代頑張らないと見れない景色になりました。

縦位置でも。
これはノーファインダー。
絞りを22に合わせて縦位置で地面付近に持っていって撮影。

これぞザ・フィルム写真というイメージ。
現像ソフトなんかでフィルム加工というと、こういう印象に仕上げるのが一般的ではないでしょうか。
Goldで撮影するとまさにという感じです。

これは同じ場所でライカで撮影する前に露出測るついでに撮った一枚。
露出はiPhoneアプリで撮影しました。
比べるものではありませんが、見比べてみるといろいろ面白いですよね。

一方でこちらは色乗りがすごくいい。
これはフィルムの感度ノイズが出るか出ないかの違いが大きいですが、反射光のレンズへの入射角によっても大きく左右されます。
こういった外付けファインダーの場合はレンズへの入射角を正確に把握できないため、予想外に色乗りのいい写真が撮れたり、逆に想定していないノイズ感が出たりして、現像するまでわからないところがある点がレンジファインダースナップの面白いところ。
これはElmar 50mm f3.5 (L) Red Scaleを使って撮影。
色の出方などを考えるにやはりElmar 50mm f3.5 (L) Red Scaleはかなり独特の世界なのかもしれません。
【フィルム作例】赤エルマー / Elmar 50mm f3.5 (L) Red Scale
このバラはLady Emma Hamilton。
エマ・ハミルトンの名前でバラ業界では人気の種類。

この日は祖父がショートステイでお泊まりなので一人晩酌、一人ご飯。
というわけで夕暮れ時に撮影してみましたが、目測なのでやっぱり室内だとピントが合わせ辛いのは確か。
広角なので雰囲気わかればいっか・・・くらいに思っておいた方がいいですね。
まとめ
バルナックライカL39マウントで超広角使いたかったらフォクトレンダー一択になります。
ただ、付属の外付けファインダーと仕上がった写真の印象にはかなり乖離がある感じが見受けられます。
付属の外付けファインダーは印象的には魚眼レンズ。
脳内で補正する必要ありです。
慣れるまではなかなか癖の強いレンズではありますが、バルナックライカで景色撮影したい方は是非試してみてはいかがでしょうか。
プロフィール

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音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。
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