ASTON MICROPHONES Origin レビュー ( アストン・マイクロホンズ )

先日音響機材のまとめ買いの際に、アストンの指向性マイクロフォンを購入しましたので簡単にレビューしていきたいと思います。

ASTON MICROPHONES

とにかくデザインがめっちゃかっこいい。。。

英国製のマイクロフォンで、パーツの調達から組み立てまで一貫して英国で行うことにこだわりを持っています。

最大の特徴

最大の特徴は、ポップガードとショックマウントが内蔵されている点。

これは非常に大きな特徴と言えます。

通常大口径コンデンサーマイクロフォンの場合、多くはショックマウントを取りつけ、ポップガードをつけるのが一般的。

安価なマイクロフォンなどではポップガードを付けないとそもそもお話にならない機種も多く存在しています。

その点、アストンのマイクロフォンには、ボディの底面にそのままマイクスタンドを取り付けられるように設計されています。

これが意味するところは次の二点だと思います。

1、マイクの取り扱いにあんまり慣れていなくても最高級の音質で収録できる。

2、持ち運びがとにかく便利。

手軽に最高級の音質

1に関しては特に重要項目なのではないでしょうか。

実際ショックマウントや、ポップガードやら、追加で購入するパーツは多いモノです。

だいたいはセットになっていたりしますが、高級機種の中には別売りのモノも少なくありません。

プロ仕様になればなるほどそれぞれお気に入りのパーツがあるからです。

その点、アストンはすべてセットになっており、スタンドに立てて、ケーブルを差し込むだけで完結してしまいます。

持ち運びに関しても絶妙です。

上記写真のカバー部分は、ショック吸収する仕様となっており、落してもぶつけても強い衝撃があった際に形状が動き、衝撃を吸収してくれます。

まあこんなことあってはならないことなんですが。。。

テストしている動画ありましたのでシェアしたいと思います。

このように衝撃を吸収してくれますので、中の素子にまではダメージがいかないような設計になっています。

普通のコンデンサーマイクだったら、中の素子ごとズドン。。。

なんて事故もアストンならある程度は防いでくれそうですし、なによりも持ち運ぶ際の精神衛生上すさまじく安心感がありますよね。

また、この丸い形状がとにかく梱包しやすい。

タオルで丸めていっちょ上がりという感じですし、各種汎用品ケースにも対応しやすい形状であると言えます。

肝心の音質は!?

非常に抜けの良い、癖のない音質です。

OriginとSpiritがあり、Spiritの方は単一指向性、無指向性、双指向性が切り替えて使える仕様になっています。

初見モニターごしに音を聴くと、透明感があって、ノイズが少ない。。。

と感じがちですが、ここは正直言って、完全にローカットがデフォルトで設計されているためだと思われます。

さて、このデフォルトでのローカット設計、適当にローを抜いてるだけなのか、ちゃんと設計された上でカットされているのか。。。後ほど検証します。

引き算的なマスタリングが得意な方には苦手なマイクかもしれません。

ポイント

取り扱いに慣れていない人もターゲットにしているあたりから、ノイズ処理などを編集で行うことを前提とせずに収録できるように設計されているはず。
そういう意味では音響には慣れていないビデオグラファーや、ユーチューバーなどをターゲットにしているのだと思われます。

音楽収録は難しい?!

このような設計から、ローノイズがデフォルトで入ってくるような収録では良い選択肢かもしれませんが、例えば繊細なイコライジングが要求されるピアノ音源などの収録では最初からローカット設計されているので、個人的にはかなり厳しい。。。デフォルトでのローカット設計をうまく使いこなせるかどうかが肝になってきます。

足し算より引き算

簡単なテスト

簡単なテストをしてみたいと思います。

Tascam 208i + Aston

こちらは先日レビュー記事を投稿したタスカムのオーディオインターフェイスにてテスト。

PCノイズが入っていますがまったくの未処理未加工でmp3圧縮しています。

簡単すぎて申し訳ないです。

ローカット設計の検証

先ほど少し触れたデフォルトでのローカット設計の件。

マスタリングソフトのイコライザーでローを足してみました。

周辺の調整は行っていませんので中域以降の音質は劣化するとは思いますが聴いてみましょう。

Tascam 208i + Aston + テストで低域を追加

このように聴き比べて見ると、適当にローを抜いているわけではなく、しっかりと調整されていることがわかります。

仮に適当にローカットされているとすると、このように無骨にローを上げた場合、もっと大変な音質になっているはずです。

ポイント

音の成分自体はかなり粗削りな印象はありますので、倍音が交差するようなピアノ録音などはやはり難しいかと思われます。

ちなみに、ZOOM UAC-2での音も聴いてみましょう。

ZOOM UAC-2 + Aston

こちらも無骨にローを上げてみます。

ZOOM UAC-2 + Aston + テストで低域を追加

さて、ポップノイズがかなり気になるかと思います。

ポップガード機能が内蔵されているとはいえ、やはり簡易機能であることがわかります。

オススメの別売りポップガード

ポップノイズは重要なポイントとなりました。

どうやら、ポップガードを別で用意したほうが良さそうです。

本当に劇的に変わります。

アストンの良さがかなり引き出されているように感じます。

もちろんこちらのポップガードは他のマイクロフォンにも使用可能なので、一つ持っておいて後悔はないかと思います。

音声収録の際は必須といってもいいのではないでしょうか。

オススメな人

★女性ボーカルや女性ナレーションの収録。
★マイクの取り扱いにあまり慣れていないが、コンデンサーマイクを初めて買ってみたい方。
★ローノイズ環境での収録が多く、音響編集に時間が取れないビデオグラファー。
★移動の多いノマドインフルエンサー。
★ライブのMC用マイク。

ライブ活動などをされている方はやはりこのデザイン性はかなりポイント高いのではないでしょうか。

もちろんライブでボーカルパフォーマンスとして使うこともできます。

一方でがっつり低音ボイスで配信したい男性ナレーターにはこの価格帯ですと、別の選択肢があるように感じます。

他には、移動の多いノマドインフルエンサーには頑丈且つ荷物が少なくて済むので最強かもしれません。

実は今回アストンのマイクロフォンを導入したのは荷物が少なくて済むことと、頑丈さの部分が非常に大きな理由でした。

注意

ピアノや弦楽器などの倍音の多い楽器収録を目的としている方は、別の選択肢があるかと思います。

筆者が想定している使い方

先ほどのレビュー動画でも手持ちで収録していますが、実はポケットにDR-40Xなどのレコーダーを忍ばせて、そのまま手持ちでインタビューや、音声収録ができ、且つ良い音質で。。。

というわけで導入しています。

ちなみにDR-40Xで手持ちでラフなスタイルで収録するとこんな音声になります。

こちらもPCファンのノイズを未処理なので申し訳ないですが、先ほど紹介したポップガードなども何もつけずに手持ちで収録。

かなりの音質で収録できています。

もちろんより良くするためにはここからマスタリングソフトで整えていく必要はあります。

個人的にここが素敵

頑丈さが売りのアストン、かなり荒っぽく使っても許されるかと思いますので、南米など治安の悪い場所では、冬場などは特にコートの内ポケットにレコーダーを、コートと同色のケーブルを使い、アストンマイクロフォンを別のポケットに忍ばせておくと、周りからは全くもって、高性能マイクロフォンを使ってロケ収録しているようには見えません。
必要な時にさっと出して、さっと収録し、さっとしまうことができます。
これが一般的な大口径コンデンサーマイクロフォンだとそういうわけにはいきませんよね。
この手軽さだけでもこの価格を出すのに充分すぎる価値があるのではないでしょうか。

治安のよくない場所で最高クオリティーの音声収録でロケをする方にも最高です。

いえ、むしろそういった使い方でアストンの素晴らしさを最大限発揮していていきたいですよね。

もちろんハンドタイプのコンデンサーマイクでは可能ですが、やはりラージタイプのコンデンサーマイクをロケで縦横無尽に使うという贅沢はアストンマイクロフォンならではの使い方と言えると思います。

みなさんの参考になれば幸いです。

こうたろう

服部 洸太郎

フォトグラファー&サウンドデザイナー
ミュージシャンだった父の音楽スタジオと、モデルだった母の仕事場であるフォトスタジオの現像ルームが子供時代の遊び場という恵まれた環境で育つ。
音楽大学を卒業後ピアニストとして活動を開始。
自身のピアノトリオで活動後単身ドイツ・ケルンへ渡独。
ケルンを拠点に活動するアーティストAchim Tangと共に「ピアノとコントラバスのためのソナタ」を制作。
ドイツから帰国後ピアノソロ作品アルバムと共に同時リリース。
金田式電流伝送DC録音の第一人者である五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後、音楽プロデューサーとして音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックを中心としたアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加し、本格的に写真、映像技術を学ぶ。
現在は元ピアニストの経験を生かしたミュージシャンのライブフォトを得意としながら、肖像写真、動物写真、自然写真を中心にミュージックビデオの制作などオーディオ技術も得意とするフォトグラファーとして活動中。