Sony α6400 でのシネマティック動画撮影の設定方法

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執筆:こうたろう / 音楽家・宗教文化研究家

音楽大学で民族音楽を研究。
卒業後ピアニストとして活動。
インプロビゼーション哲学の研究のため北欧スウェーデンへ。

ドイツにて民族音楽研究家のAchim Tangと共同作品を制作リリース。
ドイツでStephan Schneider、日本で金田式DC録音の五島昭彦氏から音響学を学ぶ。

録音エンジニアとして独立し、芸術工房Pinocoaを結成。
オーストリア、アルゼンチンなど国内外の様々なアーティストをプロデュース。

写真家:村上宏治氏の映像チームで映像編集&音響を担当。

現在はヒーリング音響を研究するCuranz Soundsを立ち上げ、世界中に愛と調和の周波数を発信中。

APSサイズのミラーレスカメラとしてα6400は最高の選択肢の一つです。

当スタジオでもアルゼンチンの取材担当が現地で使っています。

その他ドキュメンタリー映像の制作のための素材撮りなどでメインカメラ顔負けの活躍をしてくれています。

今回はα6400のシネマティック撮影で使っている設定、実際にアルゼンチンのチームに指示している設定項目を公開し、みなさんの参考にしていただければと思います。

ピクチャープロファイル

α6400のピクチャープロファイルは初期設定だと次のようになっているかと思います。

  • PP1:Movie
  • PP2:Still
  • PP3:ITU709
  • PP4:ITU709
  • PP5:Cine1
  • PP6:Cine2
  • PP7:S-Log2
  • PP8:S-Log3
  • PP9:S-Log3
  • PP10:HDR1/2/3

この中でもほぼ使わないのがPP7まで、S-Log2までですね。

基本的に使うのはPP8以降の設定になります。

ポイントS-Log3があるのにわざわざS-Log2を選ぶ理由はないという理解でOKです!

HLG(Hybrid Log Gamma)

S-Log3の場合は普段撮影慣れしていなかったり、取材スタッフがさっと撮影するにはある程度のカラグレの知識や、編集を想定しないと難しい場面があるため、今回の設定例ではPP10のHLGを使用します。

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HLGとは、イギリスのBBCと日本のNHKが放送用に開発した規格です。

PP10の細かい設定

PP10の中でも内部処理させるための詳細設定があります。

これはもちろん状況などによって様々変えていけばいいですが、当スタジオでアルゼンチンスタッフに指示している内容をメモしておきます。

  • ブラックレベル:+1
  • ガンマ:HLG3
  • ブラックガンマ:中 0
  • ニー:マニュアル 100%(スロープ+5)
  • カラーモード:709
  • 彩度:-2
  • 色合い:0
  • 色の深さ:0
  • ディティール:-3

シャッタースピードは1/60

ホワイトバランスは5500K

ポイント

SMPTE 196M規格は、フィルム投影の色温度として5400Kで指定しています。
デジタル時代にはあまり関係ないですが、伝統的な一つの基準値としてこの5400Kを覚えておきましょう。

もちろん4K / 30P

ポイント

F6やサウンドデバイスなどフレームレートを設定できる録音機材の場合は29.97Dに合わせてください。
(カメラ設定に対して適切に同期する)

ただしレコーダーとカメラの音を同期させるためにコンバーターを通さずにアナログでカメラ側に記録するのはやめてください。

それはカメラのADCであって、どんなに高級なマイクロフォンを使ってもそのマイクの性能を引き出すことはできません。

他はISOと絞りで調整するように指示しています。

ポイントこのように設定しておけば、撮影者が動画編集やカラグレの知識がほぼゼロでも絞りとISOで明るさや見え方が変わると教えておけばFIXでの素材収集はばっちりですね!
そのためカラーモードも709にしてあります。

HLG3

HLG3はノイズレベルが高い反面、HLGの中では最もダイナミックレンジが広く撮れます。

ダイナミックレンジとはこちらの記事のデッサンでの比喩のように、影の部分もしっかり撮る能力という例えで差し支えないでしょう。

S-Gamut3.Cine

ただし、FX30と合わせたい場合や、意図がある場合は遠隔でもPP8でS-Gamut3.Cineを設定してもらうこともあります。