ペンタックスに言いたいことがある / FA★ 50mmF1.4 SDM AW
- コスパ
- 8.0
- シャープネス
- 9.0
- 携帯性
- 7.5
- リセール
- 7.5
- 所有感
- 9.0
簡易紹介:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
写真・映像スタジオで音響担当を経験しながら本格的な写真技術を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門ブランドであるCuranz Soundsのピアニストとして、また音響エンジニア、フォトグラファーとマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではフォトグラファーとしての知識とスキルをシェアしていきます
カメラを創るということ
ペンタックスのフルサイズ機、K-1が登場したのが、2016年4月28日のこと。
それまでのデジタルカメラのラインナップといえば、645サイズとAPSでした。
645があるんだからフルサイズいらないでしょう?
と言われているような感じで、ペンタックスはフルサイズはでないのかな?
なんてカメラ仲間といろいろ話していたのを覚えています。
筆者はペンタックスの大ファン。
今でも最高の名機だと思っているK10Dは故障しての買い替えも含めて3台購入した。
あの日本写真界の巨匠、秋山庄太郎氏がペンタックスを使っていたというのを知った時は歓喜したのを覚えています。
今回かなり久しぶりにHD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AW + K-1の組み合わせでペンタックスと触れ合ってみて、ペンタックスの感触、色、質感、とても懐かしい想いを感じました。
PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AWをGOOPASSでレンタルしてみるここで大変僭越かつ恐縮なことなんですが、ちょっとペンタックスに言いたいことがある。
どうかこのままこのカメラ愛を貫いてほしい。
ミラーレスが当たり前になり、レフ機はもうオワコンかと言われて長い時間が経ちます。
ソニーはもちろんキャノンもミラーレスにほぼ移行。
あのニコンでさえ伝統と歴史あるFマウントを犠牲にしミラーレスへ移行しました。
ペンタックスはミラーレスを持っていませんし、この動画だらけの時代に、動画収録なんて一切考えていない。
むしろフィルムカメラなんて作ろうとしてる。
『俺たちは写真機を創ってるんだ。』
そんな強い想いを感じます。
今回はHD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AWのレンズレビューを書こうと思っていたのですが、K-1も含めた総合的なペンタックスの魅力をもう思いっきり書き殴っていこうと思う。
PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AWをGOOPASSでレンタルしてみるこれは決して他社やミラーレスを否定しているわけではないということは先に言っておきたい。
ISO高感度耐性はなし
K-1は2016年のフルサイズ機。
この辺りのデジタルカメラといえば、ユーザーはほぼ高感度ノイズを考えなくていい時代になっていました。
常用ISOという言葉もありますが、6400以上、12800も常用・・・
これはちょっと前までは考えられなかったこと。
この辺りの時代からはもうISO400, 800, 1600あたりは誤差の範囲内くらいの感覚で初心者であればシャッター速度稼ぐくらいのニュアンスで使う人もいるかもしれません。
でもこのK-1を使ってみて感じたのはISO800でもノイズが出る。
ここはちゃんと言いたい。
ちゃんと出てくれるということ。
ISO800でもちゃんとノイズが出てくれる。
ちゃんとノイズ出てくれるのはかなり重要です。
ノイズというのは本来はフィルムの粒子の粒であり、その広がりは表現の一つと考えられます。
ペンタックスは2009年にK-7を出した時にも一時期は『ISO800でノイズだらけ!』と叩かれていましたが、のちに『なんかフィルムっぽい!』と再評価されて、発売から数年経ってから中古市場でブレイクしたという実績もあるほど。
フィルム、そして写真機本来の粒だったりを確実に意識してカメラを創っています。
K-1でもそういう部分は確実に受け継がれていてちゃんとノイズが出てくれる。
例え外であっても、あえて粒の広い良いノイズで撮影したいという時があります。
絞りとシャッター速度は被写体の生命力と時の経過速度を表現するもの。
露出のためだけに動かしたくない状況だってあるわけです。
高感度ノイズ耐性があまりにも現代に寄せた感じだと良いノイズを選択できない。
ISO800からちゃんとノイズの粒を出せるというのはデジタルカメラとしては大変重要です。
重い、巨大、メガトン級ミラーショック
レフ機だから当然ですが、巨大で重く、ミラーショックはメガトン級です。
届いて一発目にシャッターを切った時は・・・
おっと、、、『シャッターを切るなんて表現ができる喜びはたまりません。』
一発目に感じたのはなんとも言えない喜び。
カメラマニアにとってこのメガトン級のミラーショック、レンジファインダーであればシャッター膜の鼓動というのは至福のマッサージタイムとなるわけです。
そしてこの重さはまるでお母さんが4kgや5kgの赤ちゃんを一日中おんぶや抱っこしていても平気なように、私たちカメラマニアにとっては撮影中その重さはまるで感じないわけです。
むしろちゃんと背中にいてくれる赤ちゃんのように存在感を感じられる幸せがそこにあります。
ミラーレスは本当に便利。
お仕事するならもうミラーレスは欠かせない時代になりましたが、やっぱりどこかメガトン級ミラーショックを懐かしく感じるカメラ好きも多いのではないでしょうか。
ペンタックス独特の緑色は健在です。
初心者には厳しいからちゃんと失敗できる
K-1を使ってみて感じたのが物理ボタンの多さ。
決して初心者には優しくありません。
ペンタのファン歴も長く、カメラがかなり好きな人じゃないと届いてすぐに全体を把握するのは難しいかもしれません。
でもこの物理ボタンだらけのお陰で撮影だけに集中することができます。
プリズムファインダーというコンバートされていない景色をレンズを通して見ながら、その世界に入り浸りながらいろいろな操作ができます。
もちろんミラーレスでもできるんですが、やっぱりISOの変更は液晶モニターみなきゃいけないということもあるでしょう。
ミラーレスで液晶モニター越しに撮影するスタイルだど、(モニターに反映させる設定にすると)撮影結果が記録する前からもう見えてます。
故に失敗写真を撮ることはありません。
プリズムファインダーの場合は、今目の前にある景色をそのままレンズ越しに見えているだけですから、完全アナログ状態のまま世界を見ることができます。
これはとても大切なことだと個人的には思います。
プリズムファインダーは20世紀のカメラの歴史において画期的且つ大変重要なシステムです。
各社ミラーレスに移行する際にはいろいろな葛藤があったことと思います。
ペンタックスはまだ貫いているのは本当にすごいことです。
ペンタックス機の素晴らしさ
ペンタックスがリコーに買収されたのが2011年の頃。
当時は『お嫁に来てもらったようだ』とリコーのCEOが発言していました。
リコーと言えばカメラ分野でもGRシリーズで高級コンデジ路線では、確固たるブランド力を持っています。
リコーもペンタックスも写真機にこだわっている姿勢は本当に応援したい。
悪い言い方をすれば時代に追いついていないという言い方をする人もいるでしょう。
でもこういう存在、こういうブランドはカメラという人類最高の発明品を失わないためにはとても重要な存在であると言えます。
iPhoneや中国の高性能スマートフォンに写真関係は持っていかれてしまった感のある現代では、デジタルカメラを購入するとなるとやっぱりミラーレスが第一候補となってくるでしょう。
今から10年ちょっとくらい前のミラーレスが主流になる前のレフ機全盛時代はM42マウントが使い放題なペンタックスKマウントはオールドレンズ界隈では優位性が非常に高かったですが、ミラーレスになった現代ではほとんどのオールドレンズはミラーレス機に装着できます。
今、この時代にペンタックスの優位性となるのは上に挙げた3点になります。
この3点は裏を返せば現代のカメラを売るという方向性とは正反対の価値観です。
でもやっぱり使った時の喜び、そして出てきた写真のペンタックスらしさ。
独特の陰影が造られるペンタックスレンズ。
今回GOOPASSでレンタルしましたが、返却後にK-1の後継機種であるPENTAX K-1 Mark IIを購入予定です。
K-1もローパスセレクター付いてます。
PENTAX K-1 Mark IIはローパスレス機になり、AFなどの性能は上がっているでしょうがよりシンプルに『フィルムがセンサーになっただけ』感が強くなっているような気がします。
一番新しいモデルはPENTAX K-3 Mark IIIですが、個人的にはやはりフルサイズという点は譲れない点でもあるのでPENTAX K-1 Mark II。
またペンタックス人生のはじまりです。
だからお願いです。
ミラーレス創っても良いんですけど、こういうカメラ愛はいつまでもずっと貫いてほしい。
応援しています。
PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AWをGOOPASSでレンタルしてみる