【プロの選択肢】自然音(環境音)を入手する3つの方法
この記事の目次
ヒーリング音楽を制作したり、ドキュメンタリー映像の制作をしたり。
そのコンテンツクオリティを決定づけるのは、実は「音楽」そのものよりも、背景に流れる「自然音(Nature Sounds)」というものもたくさんあると思います。
ノイズ混じりの安っぽい川の音では、せっかくの没入感が台無しになってしまいますよね。
2026年時点で、プロが自然音を入手する方法は大きく分けて3つあります。
- 【究極】自分で録音する(フィールドレコーディング)
- 【最新】生成AIでゼロから作り出す
- 【定番】プロ仕様のライブラリからダウンロードする
それぞれのメリットと、おすすめのツールを紹介していきましょう。
この記事を担当:朝比奈幸太郎
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイク技術を学び帰国
帰国後、金田式DC録音専門レーベル”タイムマシンレコード”て音響を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、音楽家, 音響エンジニア,として活動
五島昭彦氏より金田式DC録音の技術を承継中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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方法1〜【究極】自分で録音する(フィールドレコーディング)
〜世界に一つ、あなただけの「空気」を切り取る〜
これが最高にして最良の選択肢です。
自然界の音に触れる、ドキュメンタリー映像の制作では、実際の音とは違う場所の類似の音をはめることもしばしばあるかと思います。
それでも十分成立することはわかってはいるのですが、やはり実際に録音すると、そのコンテンツにはまさに命が吹き込まれる。
クリエーターとして大切にしてほしいこだわりになります。
方法2〜【最新】生成AIでゼロから作り出す
「録音に行けない場所の音が欲しい」「現実にはありえない幻想的な環境音が欲しい」
そんな時に活躍するのが、テキストから効果音(SFX)を生成するAIです。
おすすめツール①:ElevenLabs (Text to Sound Effects)
〜音声AIの王者が放つ、驚異の「環境音」生成〜
- 特徴:
- これまで「人の声」で世界を席巻したElevenLabsが提供する効果音生成機能です。
- プロンプト入力欄に「Heavy rain on a tin roof(トタン屋根に激しく打ち付ける雨)」や「Wind howling in a snowy forest(雪の森で唸る風)」と入力するだけで、超高音質な環境音が生成されます。
- ここが凄い:
- 長さの指定が可能: BGM制作に必要な尺に合わせて生成できます。
- 架空の音も作れる: 「クリスタルの洞窟に響く水滴」のような、現実には録音が難しいファンタジックな音も、AIなら具現化できます。
おすすめツール②:MyEdit (CyberLink)
〜日本語でOK。手軽に使える効果音ジェネレーター〜
- 特徴:
- 映像編集ソフトPowerDirectorで有名なCyberLinkが提供するWebサービスです。
- 日本語のプロンプトに対応しており、「波の音」「鳥のさえずり」と入力するだけで、誰でも簡単にオリジナルの環境音を作成・ダウンロードできます。
- ここが凄い:
- 著作権フリー: 生成した音はロイヤリティフリーで使用できるため、YouTube等でのトラブルを回避できます。
方法3〜【定番】プロ仕様のライブラリからダウンロードする
「AIもいいけれど、やっぱり本物の自然の音が欲しい(でも録りには行けない)」
そんな時は、ハリウッド映画やBBCのドキュメンタリー番組でも使われる、プロ仕様の素材サイトを利用しましょう。
おすすめサイト①:A Sound Effect
〜世界中の録音技師が集う、インディーズ効果音の聖地〜
- 特徴:
- 世界中のフィールドレコーディング・エンジニアが、自身で録音したこだわりのライブラリを販売しているマーケットプレイスです。
- ここが凄い:
- 「バイオーム」ごとの音: 「アマゾンの熱帯雨林」「アイスランドの氷河」「日本の夏の田舎」など、地域や環境に特化した、極めてマニアックで高音質なパックが手に入ります。
- 他のクリエイターと被りにくい、ユニークな音が揃っています。
おすすめサイト②:Splice Sounds
〜DTMerの標準装備。月額制で欲しい音だけつまみ食い〜
- 特徴:
- 音楽制作をする人で知らない人はいない、世界最大級のサンプル・サブスクリプションサービスです。
- ここが凄い:
- Cinematic Earth: Spliceの中には「Cinematic」や「Foley(効果音)」に特化したレーベルが多数あります。
- アルバムごと買う必要がなく、「波の音が1つだけ欲しい」といった場合に、数百円(クレジット)単位で1ファイルからダウンロードできる手軽さが魅力です。
おすすめサイト③:Artlist (SFXプラン)
〜YouTuber御用達。映像映えするクリアな音〜
- 特徴:
- BGMと効果音のサブスクリプションサービスです。映像クリエイター向けに作られているため、動画に載せた時に「映える」音が揃っています。
- ここが凄い:
- ライセンスが最強: 一度ダウンロードすれば、解約後も永久に商用利用が可能(プランによる)という、寛大なライセンス契約が特徴。YouTube運営を長く続けるなら、ここのSFXプランに入っておけば間違いありません。
まとめ:音源の入手方法を使い分けよう
ヒーリング音楽のクオリティを上げるための使い分けは以下の通りです。
- 身近な自然・こだわりの音
👉 【推奨】自分で最高のマイクを持って録音に行く(あなたのマイク販売ページへ) - 録音不可能な場所・ファンタジーな音
👉 ElevenLabs などの生成AI - 特定の地域・映画級のクオリティ
👉 A Sound Effect や Splice
これらをレイヤー(重ね合わせ)することで、聴く人が思わず深呼吸したくなるような、極上のコンテンツが完成します。