【良い音で録音する方法】いい音とは何か?いい録音とは何か?

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録音アーティスト、音楽家の朝比奈幸太郎です。

本日はいい音とは何か?についてブログ形式でお届けしていこうと思います。
これは何も再生だけ、録音だけのお話ではないんです。
カメラもオーディオも入り口と出口がとても重要なんですね。

この話をするといつも思い出すのが、カメラマニアの人はアナログもデジタルも入り口、つまりレンズにこだわる。
しかし、出口、つまり印刷は結構適当だったりします。

オーディオマニアさんは逆で、出口、つまりスピーカーやアンプにはすごいこだわる、だけど入り口、マイクロフォンや録音には無関心であり、自分で録音するという人は昔はかなり少数派でした。

さて、みなさんにとっていい音とはなんでしょうか?

デジタルオーディオであれば、ハイレゾ音質が一つの定義として挙げられるのではないでしょうか。
つまりサンプリングレートがあがればあがるほど音質はよくなる?と考える人。

アナログであれば、物理的なノイズを極限まで抑えた状態の音であると定義することもできるかもしれません。

しかし不思議なことに、レコードのプチプチノイズや、テープレコーダーのヒスノイズなどは、わざわざそれを付加するためのプラグインだって登場しているほどです。

これ、いい音なんですよね?

以前このような質問をされたことがあります。
私にはよくわからないのですが、これは良い音なんですよね?

それはあなたの感じ方一つです。。。としかお答えできないわけです。

実はいい音もいい写真も同じで、そこに感性が合致するのかどうか?というところが非常に重要になってきます。

感性を動かすシークエンスとは?

いい音にもいい写真にも必ずシークエンスが存在します。
あるいは、後述しますが、あえてシークエンスを拒絶する意図のあるものもあるわけです。

シークエンスとは、連続性だったり、ストーリー性だったりといった翻訳をすることが可能ですが、やはり一つの音源に対し、前後のストーリーが存在するかどうか?という問いのことを言います。

フィールド録音でも音楽録音でも同じことが言えるんです。

いい録音は必ずといっていいほどストーリー性がそこにあります。
そして演奏アーティストと、録音アーティストが一体となったとき、そのシークエンスの幅は永遠とも言えるほど広がり続け、作曲家の想いや、この地球の歴史そのものまで感じさせてくれるほどの作品となるわけです。

ここに人々は一種の芸術性、つまり「言語化できない何か」を感じるわけです。

これは音を聴いて感動するかしないか?というシンプルな問いに変換することも可能ではありますが、感動の中を覗いてみるとそこにはシークエンスが潜んでいるということであります。

ではあえてシークエンスを拒絶するものといえば、これまた芸術の世界ですので言語化は難しいのですが、代表的な写真家だと、ジョエル=ピーター・ウィトキン(1939年生まれ)氏の写真などはあえてシークエンスを停止させることで、永遠性、永続性を表現した方であると言えるわけです。

黒澤明のような録音

シークエンスとはなにか?いまいちまだ掴めないという方は、黒沢映画をみることを強くおすすめします。

黒沢監督の映画はシークエンスの塊であり、カメラのフレームに収まっていない領域でも物語は進行していました。

そんな黒沢映画に憧れていたのが、ソビエトのタルコフスキーです。
彼もフレームの外に世界を描くことで、確固たるシークエンスを表現していました。

ここまでの解説からいえること、いい録音とは、タルコフスキーが音楽をなしで映画表現するように、映像はなしで音表現ができるものであるといえます。

ノイズの考え方

となれば、音が割れていようが、ノイズだらけだろうがなんでもいいんじゃない?と思ってしまうかもしれませんが、実はその通りであり、その通りではない部分がありますが、やはり中道を考えていただきたいわけです。

ノイズを定義するのって実はとても難しく、それは日常生活でも同じであると言えます。

誰かと会うこと、誰かと交わす言葉、ニュース、私たちは日常生活でノイズかそうじゃないか?を区別しながら生きていないことが多いわけです。

これが録音の際にも現れてしまいます。
ノイズをしっかりと定義すること、それがいい録音への第一歩であると言えるわけです。

例えばエアコンの音、ノイズと感じる人、ノイズと感じる現場あるでしょう。
一方でなんらかの意図があれば必要な要素であることもあります。

生活圏の中にある人は、電車の音や飛行機の音は、ノイズとしか感じられない人もいるでしょう。
しかし、もちろんそれらの音を録音するために高額なマイクやレコーダーを購入する人もいるわけです。

何がノイズで何がノイズでないのか?は非常に難しい定義になります。

ピアノ録音の際に、打鍵の音、ペダルの音、奏者の汗が飛び散る音。
筆者は必要な要素だと感じますし、バイオリニストが舞台で演奏中、感極まって動いてしまい、舞台の板が泣いた・・・これをノイズだと定義する人もいるでしょうし、要素だと思う人もいます。

おそらく筆者のノイズ感は、許容範囲が非常に広い、というよりもありのままを録るというスタイルですので、ほとんどすべての音を肯定的に受け取ります。

その昔リヒテルという偉人ピアニストのライブ録音版のCDがありました、確かショパンのスケルツォ2番だったと思いますが、客席から咳の声が止まらないというものがありました。

しかも、そのお客さんは必死に咳を堪えている様子が録音されており、まさに圧倒的なシークエンスを筆者は感じたわけです。

当然これをノイズと感じる人もたくさんいることでしょう。

いい音で録音する方法

1、シークエンスを観ること、感じること

2、何がノイズか?何が要素か?しっかり定義すること

3、自分の感性を信じること

三つ目の自分の感性を信じるという点が実はもっとも難しいところだと思います。
これでいいんだろうか?
本当に良い音なんだろうか?

と自問自答する日々を繰り返すわけですが、ここも自分の立ち位置をしっかりと把握することで乗り越えられます。

職業としての録音エンジニアの場合、いい音の答えはクライアントが持っています。

そしてヒヤリングや試行錯誤を繰り返すことで、「このジャンルのクライアントが好きな音はこういう音か」などがわかってくるようになります。

ここは経験も必要でしょう。

しかし録音アーティストとして録音する場合は、そのまま、誰の意見も聞かず、あなたの出したいい音をそのまま信じてください。

それが答えです。
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