【保存版】管楽器・弦楽器ソリストのための録音バイブル|ATM35・DPA他、最強クリップマイク8選を徹底比較
この記事の目次
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管楽器や弦楽器のソロパートを録音する際、「スタジオにあるボーカル用のマイクでは何が違うのか?」と疑問に思ったことはありませんか?
実は、スタジオワークでソリストの情熱的な演奏を余すことなく収録するためには、一般的なスタンドマイクにはない「楽器用クリップマイク(コンタクトマイク)」ならではの強みが必要です。
本記事では、長年のスタンダードであるAudio Technica ATM35を中心に、プロ御用達のDPA、憧れのNEUMANNなど、ソリストの表現を極限まで高めるマイク8選を徹底解説します。
この記事を担当:朝比奈幸太郎
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイク技術を学び帰国
帰国後、金田式DC録音専門レーベル”タイムマシンレコード”て音響を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、音楽家, 音響エンジニア,として活動
五島昭彦氏より金田式DC録音の技術を承継中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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【さらなる専門家の監修】録音エンジニア:五島昭彦
学生時代に金田明彦氏に弟子入り。
ワンポイント録音の魅力に取り憑かれ、Panasonic半導体部門を経て、退職後金田式DC録音の専門スタジオ:タイムマシンレコードを設立。
ジャズは北欧系アーティストを中心に様々な美しい旋律を録音。
クラシック関係は国内外の様々なアーティストのレコーディングを担当しており、民族音楽にも精通。
現在は金田式DC録音のDSDレコーディングを中心にアコースティック楽器の収録を軸に活動中。
世界で唯一、金田明彦氏直系の弟子であり、金田明彦氏自らが手がけた金田式DC録音システムを使用している。
第1章:知っておきたい「普通のマイク」との決定的な違い
ランキングを見る前に、失敗しないマイク選びのために知っておくべき2つの技術的ポイントを解説します。
1. 最大入力音圧レベル(Max SPL)の重要性
管楽器、特にトランペットやサックスのベル(朝顔)付近の音量は、ジェット機の騒音に匹敵する130dB〜140dBに達することがあります。
一般的なコンデンサーマイクは非常繊細ですので、この大音量を受け止めきれず「音割れ(歪み)」を起こしてしまうことがあります。
対して、今回紹介する楽器用マイクは高耐入力設計になっており、ソリストがどれだけフォルテッシモで吹いても、クリアな音質を保つことができます。
その代わり、他の繊細な収録には応用できないため、ソリスト収録専用マイクとして導入することになります。
2. マイキングと「オン・オフ」の距離感
ソリストは感情を込めて身体を動かして演奏します。
スタンドマイクの場合、楽器が動くとマイクとの距離が変わり、音量や音質(低音のふくらみなど)が不安定になります。
今回の特集でご紹介するマイクは、楽器に直接取り付ける「クリップ式」を中心にしており、常にスイートスポット(最適な集音位置)をキープできるため、安定したプロクオリティの収録が可能になります。
セッティングのコツと録音方法
こういうマイクを使う録音スタイルはKotaro Studioの理念にはありませんが、これはこれで面白いものです。
例えばビッグバンドの録音をとってみても様々な選択肢がありますが、各楽器にすべて装着してミックスするというのもいいでしょう。
ただし、それは基本的にはサンプリング音源に近い感覚になるので個人的にはあまり好きじゃありません。
オーケストラを無指向性マイクで狙い、ソリストに装着するのもいいかもしれません。
ソリストのミックスはもちろん補助マイクとしてです。
無指向性マイクはもちろんKotaro Studioのクラフトマイクを使用してください。
第2章:不動のスタンダード「Audio Technica ATM35」の実力

まずは、Audio Technica ATM35を紹介しましょう。
■ audio technica / ATM35
日本の現場を支え続けるaudio technica楽器用マイクの基準的存在
- 特徴:
- 高耐入力: 最大145dB SPLまで対応し、至近距離でのトランペットやパーカッションでも歪みません。
- 音質: オーディオテクニカらしい、色付けの少ないフラットで煌びやかなサウンド。弦楽器の擦れる音から管楽器のブレスまで鮮明に拾います。
- ローカットスイッチ: 不要な低域ノイズをカットし、ミックスしやすい音で収録可能。
- おすすめのシチュエーション:
- ジャンルを選ばず、とにかく「失敗のない、扱いやすい音」で録りたい時。
- 管楽器全般、ストリングス、ピアノ、ドラムタムなどマルチに使いたい時。
第3章:【目的別】ソリストのための最強マイク・ランキング
ここからは、ATM35以外の選択肢を含め、紹介します。
それぞれのブランドには音の特徴というものがあります、それは設計上の癖だったり、コンセプトだったりするわけなので、好みのブランドというもので統一すると、音作りに統一感がでていいでしょう。
ここから筆者の個人的な好みを反映させつつ、失敗のないマイク選びをガイドしていきます。
【第1位:究極のリアルサウンド】
潤沢に予算がある場合はやはりトップブランドを狙うといいでしょう。
特にDPAはこういうマイクも得意です。
■ DPA / 4099-DC-2-199-T (CORE 4099)

「世界のトップソリストが指名する、圧倒的な透明感」
- 解説: スタジオ、コンサートホールで最も目にするハイエンドマイク。COREテクノロジーにより、歪みを極限まで抑え、ダイナミックレンジが広大です。
- 強み: 楽器ごとの専用クリップが豊富で、楽器を傷つけずに最適な位置に固定可能。EQ処理がいらないほどナチュラルな音です。
■ NEUMANN / MCM 114 SET GUITAR

「マイク界の王様ノイマンが放つ、艶のある音色」
- 解説: レコーディング用マイクの最高峰ノイマンが開発したクリップマイク。ノイマン特有の「リッチで艶のある中低域」がクリップマイクで手に入ります。
- 強み: 弦楽器(ギター、チェロ、バイオリン)のふくよかさや、木管楽器の温かみを表現したい場合に最適です。
【第2位:コスパと性能のベストバランス】
ATM35の遺伝子を継ぐモデルや、ライブで活躍するタフなモデルたちです。
■ audio technica / PRO35

「ATM35の弟分、驚異のコストパフォーマンス」
- 解説: ATM35の技術を受け継ぎつつ、価格を抑えたモデル。最大入力音圧も145dBと十分。
- 違い: ATM35に比べるとわずかにレンジは狭くなりますが、宅録や小規模なライブでは十分すぎる性能を発揮します。初めての1本に最適。
■ SHURE / BETA98H/C

「ライブの定番、音が前に飛んでくるパンチ力」
- 解説: SHUREらしい中高域の抜けの良さが特徴。バンドサウンドの中でも埋もれない「強い音」が録れます。
- 強み: 管楽器(特にブラスセクション)の輪郭をハッキリさせたい時に威力を発揮します。
■ SENNHEISER / e908B

「柔らかく、耳触りの良いシルキーな高音」
- 解説: ゼンハイザー特有の、キンキンしない滑らかな高域特性を持ちます。
- 強み: サックスやトロンボーンなど、少し角を取りつつ豊かに響かせたい管楽器にマッチします。ショックマウント内蔵でノイズに強いのも特徴。
e 908 B / e 908 B-ewの違い
e 908 Bは、クリップマイクe 908本体と、MZA 900 Pインラインプリアンプ(3.5mm – XLR変換、ファンタム電源アダプター)がセットになった製品です。
特に意図しなければ基本的にはe 908 Bを選択しましょう。
【第3位:特定の用途で輝く個性派&入門機】
■ AKG / C519M

「カブリを抑えるタイトな指向性」
- 解説: 狭めの指向性を持っており、周囲の音を拾いにくい設計。
- 強み: 宅録環境で部屋の反響を減らしたい場合や、隣の奏者との距離が近いアンサンブル収録でクリアな分離感を保ちます。
■ JTS / CX-508

「破壊的安さ。予備機や練習用にも」
- 解説: 非常に安価ながら、実用的なスペックを持つコンデンサーマイク。
- 強み: 特徴的なプラスチック製のスパイラル形状アームで、管楽器のベルにガッチリ固定できます。「まずはクリップマイクを試してみたい」という学生やビギナーの強い味方です。
第4章:スペック比較表(まとめ)
| モデル名 | 推奨用途 | 音の傾向 | 特記事項 |
| Audio Technica ATM35 | 万能・標準 | フラット・クリア | プロの定番。迷ったらコレ。 |
| DPA 4099 | ハイエンド | 超ナチュラル | 楽器本来の音を再現。透明感。 |
| NEUMANN MCM 114 | ハイエンド | リッチ・艶 | ノイマンサウンド。弦楽器に特におすすめ。 |
| Audio Technica PRO35 | 入門・中級 | バランス型 | ATM35の弟分。高コスパ。 |
| SHURE BETA98H/C | ライブ・管 | パンチがある | 輪郭がハッキリする。耐久性高。 |
| SENNHEISER e908B | 管楽器 | ウォーム | 耳に痛くない滑らかな高域。 |
| AKG C519M | 宅録・管 | タイト | 周囲の音を拾いにくい。 |
| JTS CX-508 | 入門 | ドンシャリ気味 | 圧倒的低価格。 |
おわりに:あなたの「ソロ」を最高に残すために
管楽器や弦楽器のソロ収録は、プレイヤーの息遣いや指のタッチといった「微細なニュアンス」こそが命です。
まずは、業界標準のAudio Technica ATM35(またはPRO35)を基準に考えてみてください。
その上で、「もっと空気感が欲しいならDPA」「もっと太い音が欲しいならNEUMANN」「ライブでガツンと鳴らしたいならSHURE」といった選び方をすると、あなたにベストなマイクが見つかるはずです。
最高のパートナー(マイク)を見つけて、あなたの最高のソロ演奏を世界に届けてましょう。
もちろん楽器のソロをこのマイクだけで収録するとモノラル収録になります。
音楽は必ずステレオで収録してください。
加えてこの収録セッティングはオンマイク収録となります。
音の良し悪しを外的な情報で決めつけてしまわないように注意してください。
あなたの求める音が実は超オフマイクでの収録かもしれません。
そういう場合は、当サイトで販売しているP-86SやP-22SなどのプラグインパワーマイクのAB方式一本でステレオ収録するのも一つの方法です。
マルチマイクの1chとして採用するもよし、全体のステレオAB方式の補助マイクとして機能させるもよし、ここで紹介したマイクだけでモノラル収録すること以外はいろんなアイディアを出して創造性を高めていきましょう。
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