【視聴音源あり】Sony Sony PBR-400 パラボラ集音器を使ったシネマティック雷雨サウンドの作り方
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簡易紹介:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
プログラミング(C)を株式会社ジオセンスのCEO小林一英氏よりを学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、またスタジオでは音響エンジニア、フォトグラファーなどマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではプログラマー、音響エンジニアとして知識とスキルをシェアしていきます
関連サイト
昭和時代の音響を彷彿とさせるSonyのPBR-400パラボラ集音器。
レコーディング・エンジニア河村大さんがHIBINOのPR動画で使用していたのを見て、どうしても使ってみたくなり中古で探し、テストしました。
河村さんの使用例はこちら。
フィールドレコーディング・エンジニア河村大さんによるDPA 4011A(単一指向性マイク)活用法<パラボラ収音>
DPA4011という指向性マイクとしてはオーディオマニアが喉から手が出るほど欲しい最高のマイクロフォンの一つです。
予算が許す方でDPAのフラット特性が好みの方は指向性マイクのステレオペアの選択肢として間違いないです。
DPA ( ディーピーエー ) / ST4011A / サウンドハウスで見るやっぱりステレオペアで買わないともったいない・・・
とは思いますが、モノラルとして一本でも買えますので用途に合う方はこちらもチェック。
DPA ( ディーピーエー ) / 4011A 一本だけ / サウンドハウスで見るパラボラ集音器
モノはこんな感じ。
こちらはジャンク購入で、マイクを固定する部分が壊れており、ゴムで補修して使いました。
新品同様品もたまに見かけますが、数万円以上と実験するにはちょっと痛い価格となっており、ジャンク品で8000円ほどで落札。
マイクの固定部分はかなり太く、おそらく市販されているマイクであればどんなものでも挟めると思います。
雷の音比較
まずはEM158の無指向性マイクAB方式で普通に録音しただけの雷の様子を聞いてみましょう。
ちなみにサウンドクラウドの無料版が時間いっぱいになった方はDropboxなどでハイレゾ配信できるのでこちらの記事を参考にしてください。
編集なしの雷の音
これだけでも臨場感があるのですが、やっぱりシネマティックなサウンド作りとしては少し寂しい感じですよね。
映画館の巨大アンプで鳴らすにはもう少しパンチが欲しいところ。
続いて雨の音だけをピックアップして聞いてみましょう。
雨の音だけピックアップ
ノーマライズ処理でゲインを持ち上げていますが、細かい調整などはしていません。
この雨と先ほどの雷を足すだけでもかなりのシネマティックサウンドになるかと思います。
次にこの二つをミックスした音と、いよいよパラボラ集音器で地面や壁に飛び散る雨の音を編集したサウンドを聴いてみてください。
シネマティックサウンド〜パラボラでの地面の音
地面でぴちゃぴちゃしっかり跳ね返っている音が入っているのがわかるでしょうか。
お気づきのように12秒あたりからは地面の音を消しています。
わずかですが、パラボラで集音した音を足すだけで一気にシネマっぽくなりました。
PBR-400パラボラ集音器には手持ちの指向性コンデンサーマイクAKGのC5を装着しています。
AKG ( アーカーゲー ) / C5 コンデンサーマイクをサウンドハウスでチェックショットガンマイクとの違い
さて、やはり近年高性能なショットガンマイクの登場によりパラボラの登場シーンがなくなってきたかと思います。
やはりでかいし、持ち運びにはしんどいところがありますからね。
個人的に大きな違いはEQのかけやすさ。
ショットガンマイクは超指向性といえども音の角がふんわりしていますので、尖った掛け方ができない点がありますが、パラボラで集音した場合、その素材そのものは使い物にならないほどエフェクト的なサウンドにはなりますが、音の角が尖っているためEQや編集が非常にしやすいという特徴を感じました。
さらに、4011の例でもそうですが、手持ちのマイクで超指向性よりもさらに尖った指向性で録音素材が取れるという点は大きいですよね。
例えば河村さんもおっしゃっていますが、波の音でも砂が乾いていく音。
これは通常のショットガンマイクでは角がふんわりしすぎて加工しずらいんです。
こちらはAB方式WM-61A相当品素子とF4で録音していますが、砂の乾く音は全然感じられないですよね。
こういうシーンでパラボラを駆使できたら嬉しいと思いました。
雨の表現力
シネマ風サウンドの作り方としては様々な技術がありますし、そのシーンの意図としてどんな音を狙うのか?
どんな音をピックアップするのか?
表現力の見せ所になります。
編集のスキルとしてはやはり低域と高域のバランスをしっかりと考えた編集を心がけましょう。
例えばこちらの徳島に遊びに行った際のVlogで冒頭雨の音を収録していますが、低域を削らずに高域を上げたり、雨の音にフォーカスする際にそのトラックをかなり大袈裟にピックアップしていますが、カメラワークやシーンに合わせてフェーダーをコントロールし、視聴者の気を引くこともできます。
雨の音一つとってもどの音に反射した音を録るのか?
この動画のように車などの人工物に反射させるのか、自然界の音のみを録るのか?
冬なのか?夏なのか?
いろいろな状況によって無指向性であれば幅を変える、マイクロフォンも変える、パラボラやショットガンを使い分ける等の楽しみ方があるわけです。
実は水温によっても水の弾かれる音が違っていることをご存知でしょうか?
試しに各温度によって水の音が違う様子も実験してみてください。
水温が低い、つまり冬場の雨や海の音というのは高域が飛び跳ねやすい傾向がありますから、削る必要があります。
夏場は逆に中域を削る方向で編集するといい感じに仕上がりやすい。
そんな音の魅力、音の不思議な世界を探求してみるのも面白いかもしれませんね。
まとめ
パラボラ集音器はならではの音は存在しているが、用途をしっかり選んで、加工編集前提で使用するのがGOOD!
今回はZOOM F3で収録しましたが、F3自体が非常に優秀なマイクアンプを搭載していて、そのままでも結構がっつりシネマティックサウンドになってきます。
F3 Field Recorder / サウンドハウスで見てみる今回雷の音を収録したEM158とDPA4060との簡単な音声比較テストも参考にしてみてください。