【永久保存完全版】テープレコーダーの録音方法〜最新モデルからおすすめのビンテージ名機10選まで

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最初に、いまこの記事を開いたあなたに聞かせてください。
「CDの音をカセットに録って聴きたい」「スマホのプレイリストをテープで持ち歩きたい」。

その衝動は、とても自然です。

フィルムで撮った写真に触れたときのように、音にも“紙質”があります。

CDの音や、スマホのプレイリストだけじゃなく実際に録音もしてみませんか?
例えば筆者もポッドキャストをソニーのデンスケで録音したことがありますが、ウォームなアナログサウンドでびっくりしましたよ。

テープレコーディングは、音に紙質を与える媒体です。

このブログでは、最短で失敗しない録音手順と、高音質でじっくり攻める手順を、あなたの今日の環境に合わせて道案内します。

最後には、中古で狙うべき名機と、メルカリでの探し方テンプレも用意しました。
さあ、ひと息ついて、あなたの“1本目”を始めましょう。

中古で狙うべき名機

テープにはちゃんと選び方があるんです。
重要なポイントはいくつかありますが、ヘッドの材質、走行系の状態など、みるべきポイントもしっかりこの記事で解説していきますので、ぜひ失敗しないテープレコーダーライフを送ってください。

Profile

この記事を担当:朝比奈幸太郎

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイク技術を学び帰国
帰国後、金田式DC録音専門レーベル”タイムマシンレコード”て音響を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、音楽家, 音響エンジニア,として活動
五島昭彦氏より金田式DC録音の技術を承継中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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何をテープに録音するのか?

まず最初にとても重要なポイントはこの記事を見にきてくれたみなさんがイメージしているのが4.7cmのテープレコーダーということで大丈夫か?ということです。

いきなり専門用語はやめてくれ!と思った方、大丈夫、4.7cmというのは、一般的にカセットテープのこと。

カセットテープの情報を探しているということで間違いない方は次に進んでください。

違うんだ、あの映画とかで出てくる回るやつ・・・
という方は、当サイトの姉妹サイト、オーディオアカデミーというサイトで超専門的に解説していますから、こちらのサイトに飛んでください。

オーディオアカデミー(オープンリールテープの解説)

それではカセットテープで間違いない方、進めましょう。
まず、どんな音をどこから持ってくるかを決めましょう。

CDなのか、スマホやPCのプレイリストなのか、レコードなのか、あるいはマイクでの生録なのか。

入力先が決まったら、正しい経路でテープデッキのLINE INへ信号を渡します。
基本はほとんどの場合赤と白のLINE INでOK.

Amazonベーシック RCAオーディオケーブル 1.2m

CD プレーヤーはRCAのライン出力からテープのLINE INへ。
CDの場合は、一体型が現行機でいろいろ出ているので、一体型を買えばケーブル不要でテープに録音できます。
音質にこだわりがなければ一体型でもOK!

昨今はレコードでさえ一体型が出ているほど。

ただし、レコードの場合は、みなさんご想像の通り、そんなに甘い世界じゃありません。
音にこだわりのある方は、しっかりこだわって再生経路、カセット経路をとるべきです。

スマホの場合は、3.5mmからRCAへ変換してLINE INへ。

Amazonベーシック RCAアダプターオーディオケーブル アンプ用 

UGREEN RCA 3.5mm 変換 オーディオケーブル ステレオミニプラグ RCA

PCはオーディオインターフェイスのLINE OUTから、レコードはフォノイコライザーを必ず経由してからLINE INへ。

ここで難しく考える必要はありません。
要は「その機器が“LINE”として出している音を“LINE”で受ける」。
この一本の筋を外さなければ迷いません。

テープの種類

テープは種類によって音の紙質が変わります。

はじめてならノーマル(Type I)で十分楽しめますし、CDや配信の透明感をそのまま封じたいならクロム(Type II)が頼もしい相棒になります。

メタル(Type IV)はたしかに別格ですが、対応機(しかも高額になるのでおすすめはしない)も少なく扱いは上級者向け。

ノイズリダクションについて覚えておくのはひとつだけ。
録音でONにしたなら再生でも同じ方式でONにする、

つまり録再一致です。

古いテープをかけるときは、まずNRをOFFにして様子を見てから決めると安全です。

録音前の清掃と、ときどきの消磁は楽器の調弦に相当します。

ヘッドとテープ走行系をアルコールで軽く拭き上げてからRECボタンに触れると、あなたの耳はすぐに違いを理解するでしょう。

CDからカセットへは二通りの始め方があります。

最短の近道はCDラジカセの「CD→TAPE」ダビング機能を使うやり方。

配線は不要、体験最優先でその日のうちに一本仕上がります。

音を詰めたいならセパレートでCDプレーヤーのLINE OUTをデッキのLINE INへ。

録音待機の状態で曲のサビを鳴らし、ピークがメーター上で−3dBから0dBに届くくらいに合わせます。

30秒ほど試し録りをしてテープモニターで聴き戻すと、歪みや高域の伸び具合が見えてきます。

ここでOKなら、そのまま本番。

Type IIのテープを選び、ノイズリダクションは録音と再生で同じ設定にしておけば迷いません。

スマホやPCからの録音は、音量の主導権をどちらに持たせるかがコツです。

スマホなら端末側はまず半分のボリュームから始めて、デッキ側の録音レベルつまみで詰める。

PCはオーディオインターフェイスのLINE OUTを使い、再生ソフトのマスターは少し余裕を残し、仕上げはやはりデッキ側で。

この“送り側に余裕、受け側で決める”という姿勢が、テープの中に綺麗に音像を立ち上げる最短距離です。

もちろん、サブスクや配信音源を扱うときは私的複製の範囲で楽しみ、DRMを回避するような行為は避けるのが大前提です。

レコードからの録音は、フォノイコを挟むことが絶対条件です。
フォノカートリッジの微弱な信号は、RIAAカーブの補正と適切な増幅を受けて、はじめてLINEレベルの音になります。
フォノイコ内蔵プレーヤーならそのままLINE OUTでOK。

アース線の接続を忘れると、低いハムがのってしまいます。
ここは落ち着いて、ターンテーブル、フォノイコ、デッキの順に経路を確認していきましょう。
盤の温度とカセットの軽いサチュレーションは驚くほど馴染みます。

かすかな表面ノイズすら、音楽の密度の一部に変わる瞬間が訪れます。

オープンリールでの録音は、糸掛けから始まる小さな儀式です。ガイド、ヘッド、キャプスタンへとテープを通し、録音待機で入力を確かめてからRECとPLAYを同時に押す。速度は速いほど高音質で再生時間は短く、ゆっくりにすれば長時間録れます。迷ったら19cm/sから。最初の一台は整備情報が豊富で部品の流通がある定番機を選ぶと安心です。操作の所作そのものが音楽体験の一部になっていきます。

ここまで来たら、音の仕上げに三つの視点を持ちましょう。

まずレベル。

打ち込みやロックなど瞬間的に音が立ち上がるソースはピークを−3dB寄りに、アコースティックやしなやかな歌ものは−2から0dBへ少し近づけてもいい。

次にバイアス。

調整つまみが付いたデッキなら、試し録りをして高域の伸びと歪みのバランスを耳で探ります。

曇ったら少し減らし、ザラついたら少し増やす。

そのたびに短く録って戻し聴き、半目盛刻みで寄せていくと、ちょうど良い場所に音が“座る”のが分かります。最後にEQ。使っているテープのタイプに必ず合わせる。ここを間違えると、せっかくの努力が嘘みたいに崩れてしまいます。

テープレコーダーでポッドキャストの録音

テープでポッドキャストを録るのも素敵です。

声は近く、やさしい距離に置かれ、聴く人の耳の中でふわりと像を結びます。

筆者も過去デンスケでポッドキャストやってみたことがあります。
3:59あたりからソニーのデンスケで録音。

上記のポッドキャストでは、特殊な方法でDCマイクアンプを挟んで無指向性のAB方式で録音していますが、一般的にはダイナミックマイクを一本、あるいは二本。
ポータブルの名機に挿して、ピークはあえて−6dBに構え、録音。

多くの名機では、録音ボタンをおしながら再生ボタンを押すことで録音が開始される仕様になっていると思います。

現代では録音ボタンと再生ボタンは完全に分かれていることが多いので、そういうところもアナログを感じますよね。

アナログをデジタルに変換

ここからが結構重要。。。

もちろんアナログに録音して、アナログのまま楽しむのは最高です。
レコードからカセットに録音した音楽をソニーのパーマロイヘッドのウォークマンなんかを外に持ち出して電車で聞く、バスで聞く、もう本当にびっくりするくらい高音質というか、スマホではどんなに高額な機材を買っても太刀打ちできない領域の音に圧倒されますよ。

昔の人はこれが標準値だったんだ・・・と思うと、なんだか寂しく、そして情けなくもなるほどです。

デジタルに変換したい人というのは、主にポッドキャストをテープレコーダーで録音して配信したい人や、テープレコーダーで音楽を録音して配信したい人向けになります。

アナログフィルムでも最終的に撮影後デジタル化してみんなとシェアしますよね。

ADCの種類

取り込みはADCを使います。
このADCは、オーディオインターフェイスやフィールドレコーダーに入っているもので、入力端子がついている機材ではほとんどのもので入っています。

ADCがない機材

入力があってもADCがついていないケースとして、古い機材であったり、プロ用のフラッグシップ機だったりすると、マイクアンプだけ使うという人がいるので、ADCがついていないこともあるので注意。

PCでの録音の場合は、無料で使えるAudacityを使うといいでしょう。
WindowsでもMacでも対応していて、なおかつなんと無料なのに32bit対応で複数トラックのミックスもできちゃうという優れもの中の優れもの。

テープ版とデジタル直版の二種類を公開すると、世界観の演出と聴きやすさの両方が手に入ります。ジングルだけオープンリールで作るという遊び心も効きます。

質感のコントラストが、あなたの番組の個性になります。

テープレコーダーの選び方

機材選びは、いま買える現行の据え置きから攻めるのも良い選択です。

USBで取り込みまで一台でこなすモデルは、録ったそばからアーカイブできる身軽さが魅力。
設備や長時間運用が前提なら、堅牢さと操作の確実性を優先しましょう。

アナログ熱というのが、世界中でじゅくりじわじわブームになっていますから、現行モデルでもテープを搭載したものも多く出るようになってきました。

デジタル一体型

中古の名機選び

中古の名機は、何よりも本物のアナログサウンドを体験できますし、やはり昔のテープは音がいい。

というのも、現代ではほとんど使われなくなっている、ヘッドの中の一つにパーマロイヘッドというものがあります。

個人的にはやっぱりこちらをおすすめします。
カメラでいうと、バルナックライカを買うようなものから、Mシリーズを買うようなものまで。
実にたくさんの選択肢があり、また、国ごとに特徴があり、非常に面白い世界です。

その昔日本もドイツに習ってオーディオ、カメラ大国であったように、日本のオーディオ技術は世界屈指のものでした。

本質的な音の部分に関してはドイツには叶わないところがありますが、これはカメラも同じです。
ただ日本のものは壊れにくいし頑丈です。

中古で選ぶ際に重要なのは、個体の整備状態です。

ヘッドの摩耗具体、ピンチローラの状態(交換されているかどうか)、ベルトの劣化(こちらも交換されているかどうか)、端子の腐食(はんだで再処理されていれば最高)。

説明文に録再テストの具体性があるか、左右差がないか、整備の履歴が明快か。
ここが音の行き先を決めます。

中古で賢く手に入れるなら、まずはメルカリかヤフオクがいいでしょう。

メルカリ購入

キーワードは「整備」「動作品」「ベルト交換」「アジマス」「整備済み」など技術的な単語を一つ添えると、出品者の説明の質を自然に引き上げられますし、整備されたものはタイトルに入っていることが多いので。

実はカセットの整備はそこまで難しいものではなく、昔のオーディオマニアなら誰でも簡単な整備くらいはできるので、特に専門業者にこだわる必要はありません。
評価を見て、整備不良トラブルが起こってなければOK!

写真ではヘッドの線傷や偏摩耗、ピンチローラの割れやテカり、ベルト粉化の痕跡、背面端子の錆を確認。説明文には録再OKの報告、交換履歴、走行安定の所感、可能なら試聴動画の有無を求めると良いでしょう。

質問は丁寧に、しかし要点を外さずに。あなたの誠実さは、良い個体を引き寄せます

録音の時の最重要注意点

法的な線引きについても一言。
家庭や個人的な範囲で自分の楽しみのために複製することは認められていますが、コピー防止の回避や違法配信を元にした録音は避けてください。

お店や施設で流したり、配布したりするなら、相応の権利処理が必要です。
音楽文化へのリスペクトは、良い録音に宿ります。

最後に、今日の一本を仕上げましょう。
A面の最初にあなたの好きな曲を置いて、B面の終わりに少しだけ無音の余白を残す。
白いラベルに日付と気分を書き込む。
その瞬間、あなたの音楽はファイルから作品へと変わります。
テープは懐古品ではありません。
あなたの耳で、あなたの手で、今日の音を今日の温度で留めてくれる、現役の道具です。
メルカリの保存検索を整え、良い出会いを待ちながら、まずは一本。
録りましょう。
ここから始まります。