BEHRINGER FLOW 4V:32bit対応10トラックフィールドレコーダーが映像制作者の新定番になる理由

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FLOW 4Vとはどんなレコーダーか?

オーディオ界でコスパといえば、BEHRINGER。
マイクロフォンからシンセサイザー、スピーカーにいたるまで様々なジャンルでコスパ最強名機があるブランドです。

今回はBEHRINGERの新作「FLOW 4V」を紹介。

映像クリエイター・YouTuber・ドキュメンタリー制作者向けに設計された、10トラック対応のフィールドレコーダー兼デジタルミキサーです。

  • 4つのMIDASマイクプリアンプを搭載し、XLR/TRS入力で4チャンネルを同時に扱えます。
  • 8チャンネルの独立トラック+専用ステレオミックスで、合計10トラックの同時録音が可能。
  • 本体重量は約800g、1/4インチネジ付きでカメラや三脚に直接取り付けられるコンパクト設計。

映像制作現場では、「カメラに直結して、映像と音声をフレーム精度で同期させたい」というニーズに強く応える、まさに“映像制作者の味方”といえる機種です。

映像制作現場での強み

映像制作向けのレコーダーでもありますが、これはもちろん音楽制作にも使えるわけです。
すでに映像制作なのか?オーディオレコーディングなのか?その垣根は完全になくなったと言えますよね。

FLOW 4Vの最大の特徴は、タイムコードとカメラ連携です。

  • SMPTEタイムコードを生成・受信・ジャムでき、カメラとフレーム精度で同期。
  • HDMIからカメラのREC信号を受信し、カメラのRECスタートと同時に音声録音を開始・停止できるため、複数カットでもポストでの音声合わせが圧倒的に楽になります。

また、

  • 内蔵8チャンネルミキサーで、EQ・ローカット・ハイカット・ダイナミクス・オートミックス(AutoMix)が利用可能。
  • 予め「クリーンなステレオミックス」を同時録音できるため、YouTubeやSNS配信用の「すぐに使える音声」も現場で確保できます。

32ビット浮動小数点録音の利点と注意点

FLOW 4Vは、今や業界標準となるほどの32ビット浮動小数点(32bit float)録音に対応しており、これは映像現場で大きなメリットをもたらします。

32bitのメリット

おさらいのためにシェアしておきましょう。

  • ダイナミックレンジが広く、クリップしにくいため、急な大音量(拍手・車のクラクションなど)でも音が潰れにくい。
  • レベル調整をある程度ポストプロダクションで行えるため、現場でのアナログゲイン設定の失敗リスクが低減します。

これまで音響担当が必須だった映像制作で、ある程度の知識をつければ映像クリエーターだけでも最高クラスの録音ができるということです。

ただし、マイク選び、そしてマイクセッティングを間違えなければ!です。

マイク選びについて

マイク選びに関しては、当スタジオと出会ってくださったみなさんはラッキーだと言えます。

当スタジオでは無指向性のAB方式のマイクを厳選されたパーツを使って制作しております。

当スタジオの特別音響顧問でもある金田式DC録音の五島昭彦氏とともに何度もブラインドテストを繰り返し、DPAやゼンハイザーなどと互角、またはそれ以上に戦えるような音質であることを確認しています。

特にFLOW 4Vのように48Vのファンタム電源で使用する場合は、X-86Sを導入されることを強くおすすめしています。

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【永久保存版】プロが選ぶ本物の最高級マイク6選

競合機種との比較(ZOOM・TASCAM・Sound Devices)

FLOW 4Vは、ZOOM F8n、TASCAM FR/DRシリーズ、Sound Devices MixPreなどと直接比較されるクラスです。

項目BEHRINGER FLOW 4VZOOM F8n / F6TASCAM FR/DRシリーズSound Devices MixPre
チャンネル数10トラック(8イン+ステレオミックス)8トラック〜4〜8トラック中心6〜12トラックなど
32bit float対応対応対応対応
タイムコードSMPTE生成・受信・ジャム機種により対応機種により対応高精度タイムコード対応
価格帯約279ドル前後(お手頃)中〜高価格帯中価格帯〜高価格帯
映像連携HDMI REC連携、タイムコードでカメラと同期多くはタイムコード対応タイムコード対応機種ありタイムコード+プロ向け機能

さて、映像制作といえば、Sound Devicesという印象が強いですよね。
これは、ハリウッドなどので映画制作で長らくSound Devicesが採用されていたことに由来します。

ただし、昨今であれば、Sound Devicesにこだわる必要は全くないといっても過言ではないと考えています。

ZOOMやTASCAMなどでは、往年のSound Devicesを超えるような音質、機能のものもたくさん出ています。

もちろん、Sound Devicesにしか出せないトランスサウンドというのは確かにあり、製作者の意図と合致すれば選択の余地はありますが、Sound Devices以外でもマイクアンプを別で用意するといったことで、細かい表現は可能になります。

Sound Devicesのブランド価値に値段をかけるのではなく、ご自身が本当に求めている音はなにか?をしっかり見定めていくことが重要です。

懸念するべき注意点

さて、ここから他社の機種の比較を拡張していきたいわけですが、FLOW 4Vの最大の懸念点は48kHzサンプリングレートでの24ビットおよび32ビット浮動小数点録音に対応するということ。

確かにYoutubeや映像配信の多くは48khzがリミットであり、これ以上の音質で残すことの意図を問うことは難しいとも言えます。

しかしやはりサウンプリングレーとは倍になればなるほど確かに情報量を感じます。

192khzを起点として人間の耳ではあまり感じられなくなるのかな?と個人的には感じます。

オーディオレコーディング、音楽アルバムの制作目的としては、48khzはかなり限定的であり、アコースティック楽器のクラシック収録などになると、やはりかなりしんどい現場になるのは事実でしょう。

そういう意味ではFLOW 4VはYouTube・企業PV・ドキュメンタリーなど、目的を限定して開発されたレコーダーであると言えます。

また、もう一点の懸念点としては、ヘッドホンアンプ、つまりモニターラインの質であります。
仮に、YouTube・企業PV・ドキュメンタリーを目的としているのであれば、ここのラインは開発費をかけていない可能性が高いと感じますので、実際に音を聞いてみてからの判断となるでしょう。

となれば、音楽収録は別でヘッドホンモニターアンプを増設する必要があり、肝心のコスパという意味では本末転倒になりかねません。

多チャンネル録音で32bit対応なので、と飛び付かず、用途と意図を明確に持ち、48khzで割り切れるのであれば購入という、実は極めて慎重に検討するべき機種であると言えます。

こんな人におすすめ

FLOW 4Vは、次のようなユーザー層に特に向いています。

  • YouTube・企業PV・ドキュメンタリーなど、映像+音声を同時に扱うクリエイター
    • タイムコードとカメラ連携で、編集時の音声合わせが劇的に楽になります。
  • 予算を抑えつつ、マルチトラック録音とクリーンなステレオミックスを両立したい人
    • 32bit floatと自動ミックス機能で、現場でのレベル調整負担を軽減できます。
  • ロケハンやロケ現場で、軽量かつコンパクトなレコーダーを求める人
    • 約800gでカメラや三脚に取り付けやすく、移動撮影にも適しています。

逆に、

  • すでに高価なSound DevicesやZOOM上位機種を所有しており、極限まで音質・信頼性を求めるプロフェッショナル
  • タイムコードやマルチトラックをほとんど使わない、シンプルな2チャンネル録音のみの用途

といった場合は、FLOW 4Vの全機能を活かしきれない可能性があります。

まとめ

BEHRINGER FLOW 4Vは、「軽くてお手頃、10トラック対応、32bit float+タイムコードで映像制作を支えるフィールドレコーダー」として、映像クリエイターの新しい選択肢を広げる一台です。

ZOOMやTASCAM、Sound Devicesと比較しても、価格と機能のバランスが非常に高く、予算と機動性を重視する現場の“味方”になり得る機種といえるでしょう。