【永久保存版】カセットテープのおすすめ名機と種類を徹底解説!
こんにちは。
音楽家の朝比奈幸太郎です。
今回は、アナログオーディオの深淵なる世界、カセットテープについて掘り下げます。
近年、世界中で再燃しているカセットテープブーム。
しかし、それは単なるファッションやノスタルジーではありません。
いえ、実際ファッションやノスタルジーとしても私たちに一定の要素を与えてくれる存在なのかもしれません。
そのノスタルジーが開いてくれる感覚、それこそアートといえるからです。
本記事では、オーディオ界のレジェンド「金田式(金田明彦氏)」が推奨する伝説のテープ『TDK SA90』『SD90』の秘密を解き明かしつつ、カセットテープの種類や音の違い、そして今手に入れるべきおすすめの名機を徹底解説します。
この記事を担当:朝比奈幸太郎
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイク技術を学び帰国
帰国後、金田式DC録音専門レーベル”タイムマシンレコード”て音響を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、音楽家, 音響エンジニア,として活動
五島昭彦氏より金田式DC録音の技術を承継中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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アナログオーディオの世界において、レコードと並んで愛され続けるメディア、カセットテープ。
「テープなんてどれも同じでしょ?」と思っているなら、それは大きな間違いです。
磁性体の種類、ハーフ(ケース)の剛性、そして製造メーカーの哲学によって、その音は驚くほど変化します。
今回は、その奥深い世界を案内しつつ、おすすめのカセットを紹介。
伝説の「金田式」が愛したカセットテープ TDK SA90 / SD90
まずは最高を知るというのはとても大切なことで筆者が大切にしているところであります。
最高のカセットテープとは何か?
筆者の尊敬するオーディオ自作派のバイブル『無線と実験』誌などで知られる、金田明彦先生が提唱する「金田式DCアンプ」。
もちろんカセットでのDC録再システムも提唱してくださっていあるわけですが、「時空を超えた音楽表現・オーディオDCアンプシステム下巻」(第9章:カセット録再システム)にて、おすすめのカセットテープを紹介してくださっています。
TDKの『SA90』と『SD90』です。
たっけーと思った方、ご安心ください。
後半は金田式とは関係ないですが、お手頃で買いやすいおすすめも掲載しています。
まずは、最高の二種類について知識をつけておきましょう。
オーディオ仲間の間で話題になるかも!?
① TDK「SA」の衝撃とアビリン磁性体
TDK SA(Super Avilyn)は、カセットテープの歴史を変えた革命児です。
1970年代中盤、TDKは酸化鉄にコバルトを吸着させた独自の磁性体「アビリン(Avilyn)」を開発しました。
これにより、従来のクロームテープ(Type II)が抱えていた「中低域の痩せ」を克服し、ハイポジション(ハイポジ)という新たなスタンダードを確立したのです。
通常、オーディオの常識では「テープは短いほど音が良い(ベースフィルムが厚く、転写が少ないため46分や60分が有利)」と言われます。
しかし、金田式ではあえて「90分」が推奨されています。
③ TDKの歴史と文化的背景
TDK(東京電気化学工業)は、日本が誇る磁性材料のパイオニアです。
世界で初めて音楽用カセットテープを開発したのもTDKでした。
70年代〜80年代、日本のシティポップや歌謡曲が最も輝いていた時代、その音を支えていたのは間違いなくTDKの技術です。
SAやSDのサウンドには、当時の日本の「真面目で緻密なモノづくり」の魂が宿っています。
カセットテープで音は変わる?種類の基礎知識
おすすめを紹介する前に、テープの種類(ポジション)による音の違いを理解しておきましょう。
カセットデッキの「テープセレクター」は、これらに合わせてバイアスやイコライザーを調整するために存在します。
Type I:ノーマル(Normal)
- 素材: 酸化鉄(Ferric)
- 特徴: 最も一般的。中低域が太く、温かみのある音が特徴。高域の伸びは控えめですが、ボーカルものやロック、ジャズの熱気を伝えるのに適しています。
- 代表格: TDK D, TDK AD, Maxell UR, Sony HF
Type II:ハイポジション(High Position / Chrome)
- 素材: コバルトドープ酸化鉄、または二酸化クロム
- 特徴: ノーマルに比べ、高域の特性が良く、ノイズ(ヒスノイズ)が少ない。繊細なアコースティック楽器に向いています。
- 代表格: TDK SA, Maxell XLII, Sony UX
Type III:フェリクローム(FeCr)
- 素材: 酸化鉄とクロムの二層塗り
- 特徴: ノーマルの低域とクロムの高域をいいとこ取りしようとした規格ですが、調整が難しく短命に終わりました。現在はほぼ入手困難なコレクターズアイテム。
- 代表格: Sony Duad
Type IV:メタル(Metal)
- 素材: 純鉄(Metal Alloy)
- 特徴: 磁気エネルギーが最大。圧倒的なダイナミックレンジと高域特性を持ちます。デジタル録音に迫る性能を持ちますが、デッキ側がメタル対応である必要があります。
- 代表格: TDK MA, Maxell MX, Sony Metal Master
今手に入れるべき!おすすめカセットテープ 5選
ここからは、中古市場(デッドストック)や現行品を含め、Kotaro Studioが厳選するおすすめテープを紹介します。
maxell オーディオテープ
HIDISC 音楽用カセットテープ ノーマルポジション 90分
maxell 録音用 カセットテープ ノーマル/Type1 60分
マクセル カセットテープ(10分/10巻パック) UR-10M 10P
カセットの魅力と音質
デジタル全盛の今だからこそ、手間をかけて録音し、物理的に回転するテープを眺めながら音楽を聴く時間は贅沢そのものです。
実際オープンリールテープほどの音質には勝てないかもしれませんが、いいデッキ、いい環境で再生すると驚くほどのアナログサウンドを楽しむことができます。
そして家を改造するほどのオーディオマニアじゃなくても意外とお手頃な価格でそんなすごい音を楽しむことができるのも、カセットテープの魅力なんです。
あなただけの一本を見つけて、素敵なアナログライフを送ってください。
次回の記事では、おすすめのカセットデッキをお届けします。
自宅に据え置くタイプ、持ち運びタイプ。
選び方のコツを伝授します。
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究極のタイパは最高のマイクを手にいれること
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