【プロが教える】GarageBandとLogicの違い3選

ガレージバンドとロジック何が違うの?

音楽制作やポッドキャストの制作をするのにロジックを購入するか迷っている方に両者の違いを比較していきます。

『あなたのやりたいこと!』それ、実はガレージバンドで十分!
ということもあったりします。

まずは両者の違いをざっくり下の表で把握してください。
表形式でざっくり把握したあとに大きな違いを3つお届けします!

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GarageBandとLogic Proの違い
GarageBandとLogic Proの違い
項目 GarageBand Logic Pro
ユーザー層 初心者やアマチュアミュージシャン向け プロフェッショナルな音楽プロデューサーやエンジニア向け
機能
  • 簡単なインターフェース
  • 基本的なエフェクトやサンプルが豊富
  • Apple Loopsを使用したトラック構成
  • モバイル版あり(iOS)
  • 高度なエフェクトやプラグインが豊富
  • ソフトウェアインストゥルメントの種類が多い
  • 詳細な編集機能(スコアエディター、オートメーション、MIDIエディター)
  • 高度なミキシングとマスタリング機能
  • 外部プラグインの追加が可能
価格 無料(MacOSやiOSにプリインストール) 約24,000円(2024年現在)
トラック数 制限あり 理論上無制限
プラグイン 内蔵プラグインのみ サードパーティ製プラグインも使用可能
インターフェース シンプルで直感的 複雑だがカスタマイズ可能
GarageBandとLogic Proの違い

機能面での違い

機能 GarageBand Logic Pro
ユーザインターフェース ユーザーフレンドリーなインターフェース プロフェッショナルなインターフェース
録音・編集機能 基本的な録音・編集機能 高度な録音・編集機能
サウンドライブラリ 限定的なループとプリセットのライブラリ 大規模なループとサウンドライブラリ
Drummer機能 自動ドラム機能 カスタマイズ可能なDrummerトラック
プラグインとエフェクト 限られたプラグインとエフェクト 多種多様なプラグインとエフェクト
ミキサー シンプルなミキサー 詳細なミキサーとルーティングオプション
エクスポートオプション 基本的なエクスポートオプション 高度なエクスポートとマスタリング機能
モバイル対応 モバイルデバイス対応 ドルビーアトモス対応
Profile

この記事を担当:こうたろう

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイクREC技術を学び帰国
金田式DC録音のスタジオにて音響学を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、ピアニスト, 音響エンジニア, マルチメディアクリエーターとして活動中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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ポッドキャストやオーディオブックを制作したい

まず最初に抑えておきたい点としてシンプルなポッドキャストやオーディオブックを制作したい場合、ガレージバンドで十分なケースが多いです。

ガレージバンドとロジックは基本的には同じオーディオエンジン(音を取り扱うプログラム)を使用していますので、ロジックにしたら音質が劇的によくなる!というわけではありません。

ガレージバンドでもっと音をよくしたいと思った場合はマイクロフォンを導入してください。

初心者の方はIOSに対応したUSB一本で簡単につながる高性能なマイクがいいでしょう。

こちらの記事がおすすめ!
USBマイクを一本拡張するだけでポッドキャストやオーディオブックは劇的にクオリティーアップします!

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1、使える音源や素材の数

世の中にあるDAWソフトというのは、無料で使えるものから高額なものまでたくさんありますが、基本的に構造やアプリ自体の価格はそこまで差はありません。

DAWソフトって無料のものから、高額なものまでたくさんあるけど、何がそんなに高いの?

何がそこまで違うのでしょうか?

それは、音質ではないんです、音源や音素材の数と素材のクオリティーの違いになります。

レコーダーなどの機材を買うとついてくるDAWソフトには音楽素材やソフトシンセなどが入っていません。

もちろんトラック数に制限があったりとスペック的な差も多少ありますが、音源素材などは別のAIサービスなどを利用しているという場合は、GarageBand(または無料のDAWソフト)で済んでしまうことがあります。

2、マルチ画面に対応

もちろん簡単なポッドキャストや音の編集だけならシングル画面でも問題ありません。

いろんなパートを使った大規模なプロジェクトになるとやはり作業領域の問題でマルチ対応していないとかなりしんどいです。
特にやっぱり、ミキサー画面だけ別の画面でというのはプロの制作現場では必須となってきます。

USBタイプCでつながるようなモバイルモニターは欲しいですよね。

使うプラグインの数も増えてくるとどのトラックのプラグインなのか?など混乱してきて、作業時間を大幅に食い潰してしまいます。

Logicならマルチ画面対応で、スタジオの構築に便利。

3、ミキサーの有無

ガレージバンドにはミキサー画面がありません。

これは本格的な音楽制作をする際には致命的になります。

BGMとポッドキャストだけや、伴奏と楽器だけなど、2トラックか3トラック、多くても5トラックあたりまでしか使わないという方はガレージバンドでも十分ですが、それ以上になってくるとマルチ画面の有無同様管理や把握が難しくなってきて効率が著しく落ちてしまいます。

無料で使えるDAW代替案

ガレージバンド以外でも実は無料で使えるDAWソフトはたくさんあります。

ガレージバンドからロジックへのアップグレードを検討している方がみていると思いますので、もしガレージバンドからのアップグレード目的がミキサー画面がない・・・など基本的な機能制限によるものであれば、他の無料ソフトを挟んでみてもいいのではないでしょうか?

無料で使えるDAWソフト一覧

DAW Software Official Website 対応OS
Pro Tools First https://www.avid.com/pro-tools-first Windows, macOS
Cakewalk by BandLab https://www.bandlab.com/products/cakewalk Windows
Tracktion T7 https://www.tracktion.com/products/t7-daw Windows, macOS, Linux
GarageBand https://www.apple.com/mac/garageband/ macOS, iOS
SoundBridge https://soundbridge.io/ Windows, macOS
LMMS (Linux MultiMedia Studio) https://lmms.io/ Windows, macOS, Linux
Ardour https://ardour.org/ Windows, macOS, Linux
Podium Free http://www.zynewave.com/podium-free/ Windows
Waveform Free https://www.tracktion.com/products/waveform-free Windows, macOS, Linux

Cakewalk by BandLabなどはその昔ソナーという高級DAWでした。

すべての機能を無料で使えるため、Cakewalk by BandLabのためだけに音楽制作用のwinを購入してもいいくらい・・・

また、無料版ですので、それぞれ音源や音素材はほとんど皆無であるという認識を持っていてください。

ポッドキャストだけの方

Audacityというアプリは非常に使い勝手が良く便利に使用することができます。

特にポッドキャストやオーディオブックだけでいい場合は、AudacityだけでOK!

Youtubeに音声だけで配信する際も、Pythonコードを叩くだけで画像と音声を繋げてくれますから、便利です。

筆者もポッドキャストの配信自体は、2万円で購入したパナソニックのレッツノートとAudacityだけで制作しています。

Logic Proの導入を検討してもいい人

おすすめな人

  • 生涯Appleに骨を埋める覚悟のある方
  • 音源制作において5トラック以上取り扱う方
  • ディスプレイを並べて効率的に作業したい方
  • Appleのループ素材がかなり肌に合う方

特に注意したいのが、本当に未来永劫Appleを使い続けるかどうか?というところにあります。

Appleのプロ用アプリは買い切りが基本ですし、Windowsでは使用できませんので、もし将来的にwinに変更した場合などは、導入コストがまるまる無駄金になります。

もしWindowsにするかもしれない方や、どちらにでも対応できるようにアプリを揃えた方がいい場合は制作するソフトは他の選択肢がベストでしょう。

例えばCubaseは操作性に癖はありますが、Macでもwinでも使用できるため将来どちらのOSになったとしてもシームレスに移行できます。

動画制作ソフトで有名なDaVinci ResolveとCubaseの操作をマスターしていると、制作人材としては将来かなり強いと言えますし、実際どこかの制作チームに入るというケースでも即戦力になることができます。

Appleのアプリしか使えませんという状態はこれからの時代よりマイノリティーとして扱われていくリスクがかなり高いです。

近年話題となっているNVIDIAのグラフィックボードなどは、動画制作の基本軸となっているわけですし、NVIDIAがインテルのようにAppleと組むようなことになる世界は考えにくいです。(もちろんAppleはARMのCPUが入っているのでこれはこれですごいことであります)

筆者自身多くの制作チームに参加してきたり、クライアントとデータのやり取りをしている中で、Macで統一していますよというチームはかなりマイノリティーでした。

外部業者とやり取りする際にもwinに送ったらフォントの影響で文字化けするなんてことも多々あり、面倒に感じることが多かったのでクライアントとのやりとりや仕事ではWindowsを使うようにしていますが、Windowsを使うようにしてからはこうしたストレスからは解放されています。

Macもwinも一長一短ありますので、今後のこともしっかり考えながら選択してください。

筆者はオーディオアカデミーなどの関係で、MacとWindows両方使います。

ただ、人に教えるという仕事がない場合はWindowsだけでいいかな〜とも思っているわけです。