Auracastで音声配信革命!ヒビノのAuraBroadcasterシリーズ登場

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2025年7月、ヒビノはBluetoothの新規格Auracastブロードキャストオーディオに対応した新製品AuraBroadcasterシリーズ(オープンプライス)を発表しました。

これまでのBluetoothでは困難とされてきた1対多数の同時音声配信を、低遅延、高品質で実現するというものです。

本記事ではAuraBroadcasterシリーズを詳しく解説していきます!

Auracast

Auracast™(オーラキャスト)は、Bluetooth LE Audioに新たに加わった音声配信(ブロードキャスト)機能です。

一台の送信機(スマホやパソコン、テレビ、公共放送機器など)から、複数の対応イヤホンやスピーカー、補聴器などへ同時に音声を配信できる点が大きな特徴。

従来のBluetooth(Classic)は基本的に1対1の接続でペアリングが必要でしたが、Auracastでは1対多の配信が可能になりました。

これにより、たとえばスマホやタブレットからの音楽や音声を、複数のユーザーが同時にイヤホンで聴く、といった使い方ができるようになります。

さらにAuracastは新たに採用された高効率なコーデック(LC3)を使うため、低遅延・高音質での伝送が実現しています。

送信距離

従来の約10メートルから100メートル以上と10倍ほど伸び、より広い範囲で安定した接続が可能となっています。

片方向通信の仕組みのため、受信機側の消費電力も小さく抑えられ、例えば補聴器などのバッテリーが限られた機器でも受信しやすいのがメリットです。

Bluetooth 5.2以降に対応した機器で利用でき、複数機器の同時接続やペアリング不要など、従来のBluetoothでは難しかった利便性を提供する革新的なワイヤレス技術となっています。

Auracastの主なメリット

メリット 要点 主な用途
1対多ブロードキャスト 送信1台→多数受信 館内放送/ガイド/同時通訳
ペアリング不要 放送を選ぶだけ 来場者の即時参加・回転率向上
低遅延・高音質 LE Audio/LC3 映像同期/ライブ/ゲーム
長距離・広域 〜100m超想定 ホール/屋外イベント
省電力 BLEベース 長時間運用/補聴器
アクセシビリティ 補聴器へ直接配信 案内放送/教育支援
チャンネル運用 複数放送を選択 多言語/ゾーン分け
公開/限定配信 公開・パスコード 公共空間/限定イベント

Auracastの活用シーン例

Auracastの利点を活かせる場面は多岐にわたります。例えば:

シーン 活用内容 主なメリット
博物館・空港 音声ガイド・案内放送 多言語対応/補聴器連携
観光・ツアー ガイドの声を全員に配信 移動中でも明瞭に共有
会議・セミナー 同時通訳や講義音声 各自イヤホンで聞き取り
ライブ・イベント 観客やスタッフへ直接送信 均一音質/静音環境対応
家庭・エンタメ TVやゲーム音声をシェア 個別ボリューム調整可
教育・福祉 講師音声を生徒のイヤホンへ 学習支援/バリアフリー

そういえば昔は海外の観光地などにいくと、言語を選択して、例えば英語のガイドなら英語のガイド用の機材をレンタルして案内してもらっていましたよね。

ヒビノ「AuraBroadcasterシリーズ」の紹介

ヒビノのAuraBroadcaster(オーラブロードキャスター)シリーズは、Auracast対応の業務用音声送受信機で、業務用に特化し、今秋(2025年9月末)発売予定。

  • 据置型送信機(固定設置型): オーディオ信号を安定して複数の受信機に配信するベースユニット。会議室、劇場、スタジアムなどに常設設置でき、音声を広範囲に均一に飛ばせますjp.pronews.com
  • ポータブル送受信機: 携帯型の送受信両対応デバイス。ツアーガイドやイベントで、移動しながら音声配信・受信ができる軽量・コンパクト設計ですjp.pronews.com。送信・受信どちらも可能で、現場での柔軟な運用を実現します。
  • 受信機(骨伝導イヤホン型): 骨伝導方式のワイヤレスイヤホン受信機。耳をふさがないので衛生的で周囲音も聞き取りやすく、特に教育機関や福祉施設での利用に向いていますjp.pronews.com。ユーザー自身の端末がなくても音声を聴ける貸出機としても利用できますjp.pronews.com

ヒビノはこれらの製品を通じて「専用機器不要で、どの席でも誰でも同じ高品質音声を聴ける『開かれた音声共有』」を目指しています。

AuraBroadcasterシリーズは、現場のマイクやPA装置、AV機器からの音声をAuracastで飛ばす役割を担い、多言語ガイドや聴覚バリアフリー配信、静音環境での情報伝達など幅広い用途が想定されています。

他のワイヤレス技術との比較

項目 Auracast
(LE Audio)
Bluetooth Classic Wi-Fi Audio
接続形式 1対多ブロードキャスト 1対1ペアリング ネットワーク経由
音質/遅延 高音質・低遅延 標準音質・遅延大 高音質・やや遅延
通信距離 〜100m超 約10m Wi-Fi範囲(家中)
省電力性 高(BLEベース) 低(消費大)
利便性 ペアリング不要/放送選択 都度ペアリング必要 ルーター必須/設定複雑
主な用途 イベント配信/公共空間/家庭シェア ヘッドホン・カーオーディオ マルチルーム再生/宅内配信

実際の比較表でも、Auracastは接続デバイス数や遅延性能、範囲の面でClassic Bluetoothを大きく上回り、Wi-Fiとの違いでもリアルタイム性と手軽さで優位と評価されています。

まとめ(Auracastの未来と展望)

Auracast™はBluetoothオーディオの常識を大きく変える新技術です。

一対多配信で多人数に同時に高品質な音声を届ける仕組みは、博物館の音声ガイドからライブ会場、家庭のコンテンツ共有まで幅広く活用できます。

今後はスマホや家電、車載機器などでもAuracast対応が進み、AndroidやiOSを含む主要OSへの採用も進展する見込みです。

クリエイターやライブ配信者にとっては、新たな音声配信手段として活用可能であり、視聴者やリスナーにとっては高音質・低遅延で多人数同時視聴できるメリットがあります。