Audacityでフェードイン・フェードアウトのやり方&別テイク編集ガイド

Audacityでフェードイン/フェードアウトを行う基本

フェードインとフェードアウトは音声の出入りを自然にするための基本的なテクニックです。

Audacityでは選択範囲に対してエフェクトを適用することで簡単に実現できます。

フェードアウトの手順

  • フェードアウトしたい区間を選択 – 波形表示で音を減止したい部分の終わり側をドラッグで選択します。
  • エフェクトメニューから「フェードアウト」を選択 – 上部メニューの「エフェクト」→「フェードアウト」をクリックします。
    選択範囲の音量が先頭から終わりに向かって減小していきます。
  • 必要に応じて繰り返し適用 – 効果が足りない場合は同じ手順でフェードアウトを重ねるとより滑らかな減衰が得られます。

フェードインの手順

  • フェードインしたい区間を選択 – 新しい音が始まる部分の先頭側をドラッグで選択します。
  • エフェクトメニューから「フェードイン」を選択 – 上部メニューの「エフェクト」→「フェードイン」をクリックすると選択区間の音量が無音から減りながら増えていきます。
  • 効果を確認して調整 – フェードの長さや効果を確認し、必要であれば範囲を変更して再適用します。

さまざまなフェード形状

Audacityのフェード機能には複数のタイプがあります。

目的や楽曲の質感に合わせて選びましょう。

  • リニアフェード – 一定速度で音量が変化する標準的なフェード。
    短い選択範囲やシンプルな音声に適しています。
  • スタジオフェード – S字カーブで自然に遠ざかるようなフェードアウトを生成し、特に高周波が小さくなるため奥行きを感じさせます。
    音楽的な終止に適します。
  • クロスフェード – 2つのオーディオセクションを重ねて一方をフェードアウトしながらもう一方をフェードインさせ、つながりを滑らかにします。
    複数のテイクを滑らかにつなぐ際に用います。

素材の準備

別テイクのフレーズを自然につなぐ方法(中級者向け)

クラシック音楽編集では、複数テイクを組み合わせてベストな演奏を作り上げることがあります。Audacityでも高度な編集が可能です。

素材の準備

曲全体のレイアウトに沿って、使用するテイクを複数トラックに読み込み、各トラックを別々に配置しておきます。

カットポイントを決める

つなぎたいフレーズの前後で無音に近い箇所や音の立ち上がりが穏やかな場所を選びます。

はっきりとしたアタックの部分や微妙にタイミングがずれる部分は避け、曲のフレーズの流れに合わせて自然に切り替えられるポイントを見つけます。

位置合わせ

次のテイクを既存テイクのカットポイント付近に移動し、波形を視覚的に合わせながらリズムやテンポを一致させます。

ズームインして波形のピークを見比べつつタイムシフトツールで微調整します。

フェード処理

前のテイクの終端をドラッグして選択し、エフェクトメニューから「フェードアウト」を適用します。
次のテイクの開始部分も選択して「フェードイン」を適用します。

両者を少し重ねてクロスフェードさせることで音量が滑らかに連続します

音色・音量の調整

テイクごとに演奏や録音条件が異なる場合、つなぎ目が不自然に聞こえることがあります。

ゲインを揃えたり、EQやコンプレッサーを使って音色やダイナミクスを整えます。

仕上げ

ヘッドホンとスピーカーで何度も再生し、つなぎ目が分からないか確認します。

必要に応じてカットポイントの位置やフェード範囲を再調整します。
クラシック音楽の録音の場合、作業のほとんどはこの別テイクの繋ぎ合わせといっても過言ではありません。