【公式】X-86S (Mini-XLR) スタートアップガイド|プロ仕様の接続術

Pro Edition

X-86S
セットアップガイド

Mini-XLR 端子を採用したプロフェッショナルモデル「X-86S」の導入手順です。
正しい電源供給を行うことで、無指向性マイクの頂点とも言える音質を実現します。

📖 読了時間 約 8 分 ✦ プロ仕様マニュアル
01 Essential

ファンタム電源
変換アダプター

X-86S を一般的な XLR 端子 (ミキサーや I/F) で使用するには、電圧を変換するアダプターが不可欠です。
現在、信頼できる選択肢は以下の 2 つのみです。

Standard

CLASSIC PRO
CEMPW100

予算を抑えたい方向けのスタンダード機。
このアダプターでも X-86S 本来の音質はしっかり伝わります。
「まずは X-86S を導入してみたい」「コストを抑えたい」という方は、こちらでも十分にプロ仕様の音質を確保できます。

★ Highly Recommended The Final Answer

AKG
MPA VL

X-86S の本気を引き出す、プロ仕様のアダプター。

X-86S の性能をしっかり引き出してくれる、プロ仕様のファンタム電源変換アダプターです。
回路の質が高く、低音の解像度や空気感の再現において、CEMPW100 との違いがはっきり聴き取れます。
ライブハウスやスタジオで長く使うなら、こちらをおすすめします。値段以上の価値があります。

02 Pro Gear

運用を支える
周辺機材

AKG のアダプターで引き出した「極上の音」を、物理的な振動ノイズで汚さないために。
当スタジオの現場で実際に使用している、プロ仕様のスタンドやアクセサリーをご紹介します。

ステレオバー (マイクバー)

K&M 236 (標準タイプ)

ドイツ製 K&M のマイクバー。
剛性が高く、微細な振動をしっかり抑えるため、安価な製品とは「音の締まり」が違います。
通常はこれ一本で OK です。

K&M 23560 (ロングタイプ)

自然界の録音や、オーケストラなど、左右の幅を大きく取りたい場合はこちら。
マイク間隔を広げることで、より壮大なステレオイメージを作ることができます。

マイクスタンド

K&M 26000B (円形ベース)

スタジオ常設ならこちら。
ベース部分に鉄板が入っており、その重量で床からの振動をシャットアウトします。
圧倒的に音が良くなる、プロの定番です。

K&M 20120B (折りたたみ)

持ち運びを重視するならこちら。
軽量ですがドイツ製ならではの精度があり、ガタつきが少なく安定した録音が可能です。

便利ツール

Editor's Pick

K&M 238B
ユニバーサルブラケット

これは最高のアイテムの一つ。
スタンドのポールに取り付けて、レコーダーやマイクバーを増設できます。
音響だけでなく日常生活でも「痒い所に手が届く」万能ツール。

03 Method

応用セッティング・
メソッド

無指向性 AB 方式の「距離」の考え方

AB 方式のセッティングは一般的には 30cm〜50cm が基本とされていますが、これは 30cm 以下だと音の到達時間差が少なすぎ、十分なステレオ感 (広がり) が得られないためです。

逆に、距離を縮めすぎるとお互いの周波数領域が干渉し合い、位相の悪い音になってしまいます。まずは 30cm 以上離す ことを基本ルールとしてください。

ピアノ録音における具体的なマイキングメソッドについては、note にて詳しく解説しています。
当スタジオの X-86S や P-86S を使えば、ピアノソロ作品としてアルバムリリースしても恥ずかしくない素晴らしい音響で録音できます。

机や床に貼る「バウンダリーマイキング」

30cm 以上の間隔さえ守れば、X-86S は 机や床に直接テープで貼り付けても使用可能 です。

これは「バウンダリーマイク」と呼ばれる手法で、床や壁からの反射音を排除し、クリアな音を録ることができるテクニックです。
舞台演劇や会議の録音などでよく使われますが、先端を少し浮かせるなどの工夫が必要です。

ドキュメンタリー制作:インタビュー音声の録音方法

もちろん、自宅のデスクに貼り付けて録音することも可能です。
ただし、足元の安定性は音質に直結します
グラつく机よりも、どっしりとした場所に設置するのが理想です。

卓上で最高の音質を目指すなら、鉄製の重量級スタンド「K&M 232B」の使用を強く推奨します。
無指向性はもちろん、指向性の大口径マイクでポッドキャストの収録をする際にも便利で、振動を逃さず音の芯が太くなります。

機動力の極み:「メガネマイク」という選択

特殊な応用例として、X-86S をメガネのテンプル (つる) の両端に装着する方法もあります。
左右の間隔は頭の幅 (約 15cm〜20cm) に限定されますが、頭のアーチで自然なステレオ感が生まれ、また耳に近い部分にセットすることで バイノーラルマイクのような音響効果 が期待できます。
マイクスタンド不要で「自分の聴いている音」をそのままバイノーラル風に記録できるため、軽装で臨みたいロケなどに最適です。

旅の記録や、街の環境音をステルス録音したい場合に最適な、超軽装備スタイルです。

【ジャーナリストにおすすめ】メガネマイクの魅力と設営方法
04 Technical

技術情報と
取り扱い注意

プロユーザー向け技術情報:位相について

屋外録音の必需品:風防

屋外では微風であっても、マイクにとっては「暴風」のようなノイズ (ボボボ…という音) になります。
外で録音する際は、必ずウインドスクリーン (風防) を装着してください。
X-86S には、以下のサイズのものが適合します。これを装着するとかなりの暴風でも録音が成功していることが多いです。

取り扱いの最重要事項

NG

テープで塞がない

マイクを固定する際、先端の金属部分 (音の入り口) にテープがかからないようにしてください。
ここが塞がると、高音が録音されなくなったり、音が極端に小さくなったりします。

NG

先端を強く押さない

先端部分には非常に薄く繊細な振動板が入っています。
指で強く押したり、落下させて衝撃を与えると、振動板が変形し、本来の性能を発揮できなくなります。
楽器と同じく丁寧に扱ってください。

X-86S は無指向性マイクの中でもかなりの実力を持っています。
ステレオペア録音だけでも素晴らしい性能を発揮してくれます。
ライブハウスやスタジオにも導入実績があり、プロ仕様の仕事に耐えることができます。

Kotaro Studio

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