吉備楽・非公開アーカイブス

吉備楽は岸本芳秀によって、インスト中心だった雅楽に歌と琴の割合を多くアレンジして誕生しました。

岸本芳秀(読み)きしもと・よしひで

没年:明治23.6.3(1890)
生年:文政4(1821)

江戸後期・明治期の音楽家。

吉備楽(雅楽器を用いる,新歌謡,舞踊)の創始者。

岸本家は寛文年間(1661~73)以来,岡山藩の雅楽家の家系であり、芳秀は幼少期より父芳景から雅楽を学びます。

10歳の頃に父と死別し、14歳から3度京に行き、楽頭その他の楽家から大曲,秘曲の伝授を受け,笙,篳篥,竜笛,羯鼓,太鼓,鉦鼓などの奥儀を学びます。

明治3(1870)年藩主池田茂政の命により、同僚の楽家3人と奈良の春日神社で大和舞の講習を受ける。

翌年廃藩置県となり、楽家たちは解雇、その後、三味線や箏も堪能だった芳秀は、それまでの管楽器本位の雅楽を歌と箏本位に改めた吉備楽を創始しました。

吉備楽は岡山地方を中心に行われ、同地方を中心とする黒住教、金光教の祭典楽と余興に用いられています。

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について