プロの録音エンジニアが13000円のレコーダーと200円のマイクでエリーゼのためにを録音してみた

高くて美味しいものは当たり前。

安くて美味しいものを見つけた時の感動は誰かにシェアしたくなりますよね。

本日は低価格ながら素晴らしい性能を持ったZOOM U-44というオーディオインターフェイスの実力をピアノ録音音源を使って紹介していきます。

この記事はポッドキャストの書き起こしになります。

音源の視聴はポッドキャスト内で配信中!

U-44の4つの特徴

 ZOOM ( ズーム ) / U-44 をサウンドハウスで見る

実はこのU-44,記事を書くのは2回目なんです。

初めて購入したのは発売してすぐでした。

発売当時から性能の素晴らしさがピックアップされて、わたしのレビュー記事も伸びていたんですが、サーバーのトラブルで消えてしまったんです。

2回書きたいほどの隠れた名機であるということを最初にお伝えしておきます。

U-44は次のような特徴があります。

      
  1. 優れたマイクアンプ。
  2.   
  3. 優れたヘッドホンアンプ。
  4.   
  5. 軽い。
  6.   
  7. バッテリー駆動も可能。

こんな特徴なのにかなり低価格という凄まじい名機なのです。

ZOOM ( ズーム ) / U-44 をサウンドハウスで見る

百聞は一見にしかず・・・というわけでまずはショパンのワルツの録音聞いて見ましょう。

欠点はここ

  • MIDIがあるが、レイテンシーは非実用的。
  • ループバックはない。
  • マイクアンプのゲインが切り替えられない。

U-44に搭載されているMIDIはおまけ程度で、オーディオレイテンシーはかなり厳しいので、他の選択肢が必須になります。

ライブ配信するのであれば、同じZOOMでもAMS-44にしてください。

ZOOM ( ズーム ) / AMS-44 をサウンドハウスで見る
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2chのものも売っていますが、2chだとステレオ+モノラルの組み合わせで収録できないので、最低4ch必要になってきます。
詳しくはこちらの記事の『ちゃんとステレオになってる?』を参照してください。

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マイクアンプのゲイン

こちらは五島先生からのフィードバックですが、マイクアンプのゲインが切り替えられないため、使うマイクによってはドラム収録などはできない状況があります。

ピアノ収録でも今回紹介しているような古典音楽なら問題ない場合が多いですが、近現代となってくるとダイナミックレンジに対応できないケースがあったり、マイクの距離が非常に限定的になったりと自由な録音ができないケースもあります。

そのため、本格的な録音をするという方はオンマイク、オフマイクの調整はもちろん、自由度が少なくなりますので、注意してください。

ただしU-44はこれだけの性能を持っているので、録音対象を限定すれば無視できるレベルです。

ギターのソロや、ウクレレ、琴、などピーク値が決まっていてかつマイクセッティングにそこまで神経質になる必要のない録音に優れています。

録音初心者の方、またヘッドホンアンプを探しているけどマイクも使えた方がいいという方にはおすすめ。

逆に本格的に録音をしたい方や、ドラム録音なんかはほぼ無理と思った方がいいです。

他の選択肢を考えましょう。

ピアノ録音の特徴

今回紹介しているピアノ音源は前回のグリーグの回同様ヤマハの伝説の名機S400Bを使い、無指向性の自作マイクWM-61Aオリジナル素子を2個ピアノに貼り付けて録音しています。

幅はグリーグよりも少し広めの32cm。

ZOOMらしい非常に透明感のある、素直な音色です。

さきほど聞いていただいたショパンのワルツでは若干リバーブを調整しています。

このリバーブのかかり方、というのは録音素材に大きく依存します。

素材そのものが持っている要素を演算処理してかけていくタイプのプラグインの場合は、素材に依存しているので、綺麗な特性で録音されていないと綺麗に処理されていかないのですが、U-44で録音した素材はリバーブ処理も大変美しくしかも、極めて自然に広がっているのがわかります。

最後にイコライザーやリバーブ含めて編集ではノーマライズだけ。

一切何にも触っていない完全すっぴん状態のベートーベン『エリーゼのために』を聴きながらお別れとしましょう。

Kotaro
Kotaro
服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
2022年9月より豊かな暮らしをテーマとしたウェブサイト『レンタルdeクラセル』も発信中〜