【南米文化】ヤーガン語の最後のネイティブ話者が死去

この記事について20世紀に入り、世界各地で少数言語が消滅していっていますが、この度南米チリのパタゴニア地区に古くから伝わってきたヤーガン族のヤーガン語のネイティブ話者が亡くなりました。

ヤーガン族

クリスティナ・カルデロンさんが93歳で亡くなっていたことがわかり、ヤーガン語を話せる人はこの地球上からいなくなりました。

情報出典:AFP通信

クリスティナ・カルデロンさんは89歳時点で取材を受けており、こんなことを語っています。

「Sabadgud zanika(サバグド サニカ)」
「あなたといられて幸せですという意味よ」
〜中略〜
ひ孫「ヤーガン後で『木』はなんていうの?」
クリスティナさん「janis(ハニス)」
〜中略〜
「私が死んだら、悲しいことですが、すべてが終わってしまうと思います。もう誰もヤーガン語を話さなくなるでしょう」

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ヤーガン族とは?

1883年のヤーガン族の人々 / 引用:Wikipedia

ヤーガン族は、約6000年前にパタゴニア地区に住みついた狩猟民族と言われています。

約150年前には、人口は3000人ほどになり、西洋人が移住し混血が進んだことで減少。

クリスティナさんは、チリ政府が認めた最後の純血ヤーガン族として人間国宝に認定されていました。

古くは南アメリカ・フエゴ島の南の島々からホーン岬(南アメリカ最南端の場所でほぼ南極)にかけて1万年以上存在していたコーノ・スールの先住民。

世界で最も南に位置する民族とされています。

メモホーン岬はかつて上陸ツアーなどが存在していましたが(2014年時点で確認)、現在は上陸のためのツアーなども存在せず、荒波と悪天候が日常のため上陸できる確率は極めて低いことで有名です。
引用:PuertoWilliams博物館

世界に存在する消滅危機言語

世界には消滅危機となっている言語はまだまだ多数存在しています。

南米エリアでいうと、インカ帝国時代、またそれ以前よりかなりの数の民族が存在していましたから消滅した言語の数は計り知れないでしょう。

南米エリアで消滅危機となっている言語をピックアップしていきます。

ユネスコが規定する消滅危機リストの中から、重大な危険以下をピックアップしています。
      
  1. 脆弱(Vulnerable)
  2.   
  3. 危険(Definitely Endangered)
  4.   
  5. 重大な危険(Severely Endangered)
  6.   
  7. 極めて深刻(Critically Endangered)
  8.     
  9. 1950年以降に消滅(Extinct)

ウルグアイ

グアラニー語。

当サイトでも何度か紹介しているマテ茶の発祥の地、民族であるグアラニー族の使うグアラニー語は現在ユネスコの消滅危機言語リストの「重大な危険」ランクに入っています。

【世界で最も貧しい大統領】がいた国:ウルグアイ

アルゼンチン

メラニー先生のスペイン語聞き流し学習(スタジオコンテンツ)

  • クンザ語 – Atacameño – 消滅
  • グアラニー語(チリパ方言) – Ava-Guaraní – 危険
  • チャナ語 – Chaná – 極めて深刻
  • チョロテ語(イヨフワハ方言) – Chorote Iyojwa’ja – 重大な危険
  • グアラニー語(ボリビア方言) – Guaraní Boliviano – 脆弱
  • プエルチェ語 – Gününa Küne – 消滅
  • チョロテ語(イヨウフワ方言) – Manjui – 危険
  • マプチェ語(アルゼンチン方言) – Mapuche (Argentina) – 重大な危険
  • グアラニー語(ムビャ方言・アルゼンチン・ウルグアイ) – Mbya Guarani (Argentina, Uruguay) – 重大な危険
  • モコビ語 – Mocoví – 危険
  • セルクナム語 – Ona – 消滅
  • ピラガ語 – Pilagá – 脆弱
  • ケチュア語(サンティアゴ・デル・エステロ方言) – Quechua of Santiago del Estero – 危険
  • タピエテ語 – Tapieté – 重大な危険
  • テウェルチェ語 – Tehuelche – 極めて深刻
  • トバ・コム語 – Toba – 危険
  • ビレラ語 – Vilela – 消滅
  • ウィチ語 – Wichi – 脆弱
アルゼンチンはKotaro Studioで取材することができる可能性があるためすでに消滅した言語もリストアップしてみました。
ネイティブではないにしろこれらの言語を話す子、孫世代はまだ見つかるかもしれません。

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ペルー

  • アマワカ語 – Amahuaca – 重大な危険
  • アンドア語(ペルー方言) – Andoa (Peru) – 極めて深刻
  • アラベラ語 – Arabela – 重大な危険
  • カパナワ語 – Capanahua – 重大な危険
  • チャミクロ語 – Chamicuro – 極めて深刻
  • コカマ・コカミリャ語(ペルー方言) – Cocama-Cocamilla (Peru) – 重大な危険
  • イニャパリ語 – Iñapari – 極めて深刻
  • イキト語 – Iquito – 極めて深刻
  • ハカル語 – Jaqaru – 重大な危険
  • ヘベロ語 – Jebero – 極めて深刻
  • ムニチ語 – Munichi – 極めて深刻
  • ノマツィゲンガ語 – Nomatsiguenga – 重大な危険
  • オカイナ語(ペルー方言) – Ocaina (Peru) – 極めて深刻
  • オマグア語(ペルー方言) – Omagua (Peru) – 極めて深刻
  • オレホン語 – Orejón – 重大な危険
  • ケチュア語(カハマルカ方言) – Quechua of Cajamarca – 重大な危険
  • ケチュア語(カハタンボ・パスコ・北フニン方言) – Quechua of Cajatambo, Pasco and northern Junín – 重大な危険
  • ケチュア語(チャチャポヤス方言) – Quechua of Chachapoyas – 極めて深刻
  • ケチュア語(パカラオス方言) – Quechua of Pacaraos – 極めて深刻
  • ケチュア語(サン・マルティン方言) – Quechua of San Martín – 重大な危険
  • ケチュア語(ヤウヨス方言) – Quechua of Yauyos – 極めて深刻
  • レシガロ語 – Resígaro – 極めて深刻
  • シャラナワ語 – Sharanahua – 重大な危険
  • タウシロ語 – Taushiro – 極めて深刻
  • アウシリ語 – Vacacocha – 極めて深刻
  • ケチュア語(ワンカ方言) – Wanka Quechua – 重大な危険
  • ヤミナワ語(ボリビア・ペルー方言) – Yaminahua (Bolivia, Peru) – 重大な危険
  • アムエシャ語 – Yanesha’ – 重大な危険
  • サパロ語 – Zaparo – 極めて深刻
ペルーもインカ帝国が多民族帝国だったため、多くの文化や言語がまだ存続しています。

チリ

  • ウィリチェ語 – Huilliche – 極めて深刻
  • カウェシカル語 – Qawasqar – 極めて深刻
  • ラパ・ヌイ語 – Rapanui – 重大な危険

この度ヤーガン語が消滅しました。

文化の消滅

中南米はメキシコを中心として消滅危機言語の数はかなり存在しています。

お隣中国もかなりの数を抱えていることはもちろんのこと、日本国内を見ても消滅危機言語は存在しているんです。

  • アイヌ語(北海道) – Ainu (Hokkaido) – 極めて深刻
  • 奄美語 – Amami – 危険
  • 八丈語 – Hachijo – 危険
  • 国頭語 – Kunigami – 危険
  • 宮古語 – Miyako – 危険
  • 沖縄語 – Okinawan – 危険
  • 八重山語 – Yaeyama – 重大な危険
  • 与那国語 – Yonaguni – 重大な危険

南米は特にコンキスタドールたちにより大規模な侵略戦争が起こった場所です。

戦争は文化を破壊します。

特に歴史上インカ帝国エリアは徹底的に破壊され尽くしたことで有名で、インカ帝国時代のテクノロジーの多くは謎に包まれています。

この辺りの歴史もスタジオでアーカイブできればと強く願っています。

Kotaro
Kotaro
服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
スタジオでは「誰かのためにただここに在る」をコンセプトに、誰がいつ訪れても安心感が得られる場所、サイトを模索中。