【調律】相場は!?国別相場あり「良い調律師の見つけ方」

※この記事は2020年7月4日に更新されました。

前回の記事でグランドピアノを記事を書きましたが、調律の相場ってなかなか公にならないのと、かなり変動するので把握するの大変ですよね。

本日は一般的な相場と、プロの現場での相場、またピアノ製造の聖地とも言えるドイツでの相場と、南米アルゼンチンでの相場も比較しながら見ていきたいと思います。

今回の記事は主に音高や音大生~プロを目指す人寄りとなっています。

ピアノ調律一般的な相場は?!

一般的な相場というわけで、まずは某大手サイトでの相場を調べてみました。

調べてみると・・・

普通調律
14,500円(アップライト)17,500円(グランドピアノ)
定期調律
12,500円(アップライト)15,500円(グランドピアノ)
長期定期調律
10,500円(アップライト)13,500円(グランドピアノ)

という設定になっていました。

にゃるほど!

フリーランサーの場合

フリーの調律師にお願いするとなると、もちろん交渉次第にはなりますが、だいたい大手ランダム派遣型の調律よりも高くなります。

25000円~35000円。

感覚的ですがこの辺りが相場かなと思います。

また、交渉次第ですが、〇時間まで〇円~そこから一時間追加ごとに〇円という形態もよくあります。

だいたい追加料金は一時間当たり2500円~3500円くらいの間が相場です。

そこはやはり、スタジオの調律であれ、コンサート・ライブの調律であれ、ピアニストが納得するまで付き合ってくれるのがフリーランサー。

そして、ピアニストが納得するという意味を理解しているのも概ねフリーランサーになります。

ここが理解できない人はフリーランサーとして調律師の活動はできないんじゃないかと思います。

大手などの派遣調律師に比べると、やはりフリーランサーはお値段は上がりますが、基本的に調律師はフリーランサーに依頼したほうがいいです。

理由は後述します。

ドイツの場合

筆者がドイツのスタジオで収録する際に依頼した調律師は200ユーロ(コンサート一回分)でした。

当時のレートで、確か25000円前後になっていたと思います。

ただし、これはスタイウェイの認定調律師の場合の価格。

日本でもそうですが、基本的にスタイウェイ関係の調律は厳しい規定があったり、一般的な価格よりも高くなるケースがあります。

この辺りが外国産のピアノを購入する際の維持費の変化に繋がります。

では、スタイウェイの認定調律師ではない場合の価格は??

というと、だいたい150ユーロ~が相場とのことでした。

ドイツの場合、後述しますがパートナー感がすごく強いので、基本的に初見で依頼したアジア人(筆者)に立ち合いで調律してくれたりはしません。

スタジオに入る前に調律をすでに初めており、挨拶を交わした程度でした。

ドイツなどで調律師を探す場合は、誰かにしっかり紹介してもらった方がいいかもしれませんね。

南米アルゼンチンの場合

アルゼンチンと言えばタンゴですよね。

タンゴにもピアノは使います。

タンゴに関しては、筆者が共同運営している「芸術工房Pinocoa」では南米のアルゼンチンタンゴを専門に作品制作をしていますので、是非そちらのサイトも遊びに来てみてください。

芸術工房Pinocoa

と、いう訳で、アルゼンチン、ブエノスアイレスで活動しているピアニストの大長志野 さんに調律相場事情をうかがってみました。

すると、、、

「結構適当な人が多い」

とのこと。

さすが南米という感じかにゃ!?

だいたいスタジオ経由の調律師の場合だと、チューナーを使って機械的に回して合わせるだけの人が多いのだそうです。

日本でもマニュアル育成された調律師はそういう人が実際いたりします。

大長志野 さん曰く、「5度を取ったり、オクターブで取ったりはしてくれない」とのことです。

で、こういうマニュアル機械調律でだいたい一回7500円程度だそうです。

チューナーとハンマーを携えて、適当な人がバイト感覚でやってる人もいるほど・・・だそうで、さすがは南米というべきか、日本やドイツとは全然違う常識で動いていそうですね。

ブエノスアイレスはデフォルト常連国でレートはあまりにも激しく変動するため、あまりあてになりません。

そんな中でも、ちゃんと(一般的な意味で)調律をしてくれる調律師に依頼するとなると、10000円~15000円程度となっているんだそうです。

ただし、このちゃんと調律してくれる調律師は滅多にいないため探し出すのも依頼するのも大変なんだそうです。

おそらく、アルゲリッチや、バレンボイムが凱旋コンサートなどをする際に呼ばれるような調律師だと思います。

そう考えると激安相場なのかもしれませんね。

アルゲリッチやバレンボイムなどに関してはこちらの記事を参考にしてみてください!

調律師の存在を理解する

調律師という存在はピアニストにとっては、まさにパートナーと言える存在で、某大手のように巨大組織からランダムに派遣された人とパートナーを組むわけにはいきません。

パートナーは言い過ぎかもしれません。。。調律師の方が遥かに上の存在です。なにせ、調律師がいなければピアニストは演奏することができないわけです。整備士のいない飛行機を飛ばせないのと同じことですね。整備士が「俺もうやーめた」といったらパイロットは頭下げるしかありませんからね。

なので、良い調律師と巡り合えるまでピアニストは探し続けなければいけません。

筆者はピアニスト時代、名調律師に恵まれて活動してきました。

調律師の良し悪しでコンサートの成功が決まります。

そんなエピソードを・・・

Valery Afanassievのコンサートで・・・

筆者が愛してやまないValery Afanassiev(ヴァレリーアファナシエフ)氏のとある来日公演でのこと。

もちろん、発売されてるCDなどはすべて拝聴し、彼の音に対するこだわりや、探求心はよく理解していました。

非常に好みの分かれるタイプのピアニストですが、特にこのブラームスなんかは、激論が繰り広げられるかもしれません(笑)

で、いざ楽しみにコンサート会場へ向かうと、調律師が最終確認ということで、ピアノをポンポンポンポンチューナーを見ながら鳴らしていました。

で、颯爽と舞台袖へ引いていったのですが・・・

ん、ん、ん、??まさか終わりかい?え、全然ダメじゃね?

もちろん筆者も現役のピアニスト時代、さらに音響は専門でしたから一音聴けばだいたいすべてを把握できます。

「これやばいんじゃないか・・・」

と不安にさいなまれながら開始を待っていると・・・

コンサート開始。

CDのレコ発記念コンサートだったので、ベートーベンの月光第一楽章の最初の和音を力強くアファナシェフが鳴らします・・・

その瞬間。

「終わった・・・」

あしたのジョー状態。

と思った筆者がアファナシェフの顔を見ると、一瞬で鬼のような形相になり、一瞬フリーズしていました。

もちろんその後の演奏は悲惨なもので、勿体ないから最後まで見ていましたが、とても聞いてられる様なコンサートではありませんでした。

最後に、観客がどれだけアンコールしようとも、決して姿を見せることはありませんでした。

申し訳ないですが、ひどい調律でした。

まさに整備士の整備不良で、飛行機は見事墜落したわけです。

整備不良の飛行機はどんなに腕のいいパイロットが飛ばしたとしても墜落します。

なので、調律師は、あなたがレパートリーを選ぶのと同じ、レパートリーに愛情を注ぎこむのと同じかそれ以上の情熱をもって探し、接しなければいけないわけです。

もちろん日本の湿気にいらついていた・・・など、他の理由もいろいろあるかもしれませんが、調律がおかしかったのは間違いありません。

ちなみにいつのコンサートだったかな・・・?

と「Afanassiev 来日」で検索してみたところ、このようなブログ記事が・・・

深く失望した Afanassiev の Beethoven ピアノソナタ演奏

内容は、、、まあ基本的に筆者もこの方と同意見です。

ただ、筆者の場合は、どうしても調律の影響をかなり受けているように感じました。

アルトゥール・ミケランジェリならかなりの確率でコンサートは中止になっていたんじゃないかと思います。

良い調律師の見つけ方

ここからは良い調律師の見つけ方について独断と偏見なりますが、ご紹介していこうと思います。

もちろん他の意見もあるかと思いますが、筆者の場合は次の基準で調律師を見ていました。

やり直しを辞さない

ほぼこれで、かなり振るいにかけられます。

「辞さない」という日本語が実に的確に表現してくれます。

断ったり辞退したりせず、敢えてそれを実施する、という意味の表現。通常は実施がためらわれる事柄について、必要があれば行うという強い意思があることを表明する言い回し。

weblio 辞書

コンサートや収録の調律ともなると何度も何度も同じ個所をやりなす必要があります。

こういうケースでは基本的にフリーランサーとしか一緒にできません。

大手組織からランダムで派遣されたマニュアル調律師の場合は、マニュアルから外れた調律ができないため、それ以上もそれ以下でもない仕上がりになります。

冷凍食品みたいなもんですね。

そういうのが嫌でフリーランスになったという調律師もいるほどです。

この何度もやり直すというのは、時には最初から全部・・・

ということもありえるわけです。

筆者も一度、コンサート前に調律が完成し、本番前に部屋の湿度が急変し、完全に狂ってしまい、「こりゃもう一度や・・・」となったのですが、その時の調律師も「よっしゃ!」とやる気満々で対応してくれました。

こういうケースでも対応してくれる調律師じゃないとダメです。

手間よりも、「とにかく良い音が鳴ってくれた方が幸せ」と感じている調律師とじゃないと良い音は創れません。

そして良い音のためならどんな手間も手間と感じず、嬉しそうに作業する調律師じゃないと良い音は完成しません。

本当に良い音を追求したいのであればマニュアル調律師に依頼しないこと。

これが良い調律と出会う最も最短方法です。

音のコンセプトを話し合える

アートの世界ですから時に抽象的な概念での話し合いもあります。

あと〇ミリ・・・
あと〇枚

など具体的なやり取りができない絶妙な概念の場合に、「こうなんというか、カーーーーーんっていう勢いが」とかいうやり取りで、抽象概念で返してくれるかどうか?

もポイントになります。

筆者の知る名調律師は皆、「なるほど」とすぐに作業に取り掛かります。

実は割と重要だったりします。

まさに一緒に音楽を創るパートナーですから、そういうキャッチボールもできなければいけません。

一緒に舞台に乗ってくれる

これは何も、本番中に舞台に上がってくれるという意味ではありません。

本番前に調律して、帰っちゃう人って結構います。

筆者のドイツでの調律師もそうだったんですが、例えば休憩中も責任をもって修正しようとしてくれるかどうか?

もポイントになります。

で、どうやって見つけるの?

1、レッスンの先生などに紹介してもらう

ピアノの先生は基本的にご自身も演奏活動をしています。

その関係で演奏会の調律師というのはやはり決まってくるわけです。

先生に一度紹介してもらえないか尋ねてみましょう。

もちろん大手のマニュアル型音楽教室の先生はダメですよ。

同じ所属のマニュアル調律師がやってきます。

2、ジャズやタンゴなどのライブハウスに通い見つける

クラシックのコンサートホールなどの場合は、楽屋までいけなかったりするので、もう少し舞台と客席との敷居の低い、ライブハウスなどに通い、直接調律師を見つけるというのも一つです。

その場合、実際のライブでその調律師の腕も確認することができるので話が早いかもしれません。

良い調律師はこのように飛び込みでお願いしに行っても「新しい世界が見れるかも?」とワクワクしてくれます。

3、調律師Youtuberに連絡してみる

最近だと調律師がYoutuberとしてピアノの解説だったり、調律の解説をしていたりします。

その中から信頼できそうな調律師を見つけて連絡してみるのはいかがでしょうか?

この場合もある程度腕を拝見した上でのアタックなので、話が早いかもしれません。

まとめ


  • 相場は調律一回あたり2万円~4万円程度。
  • アルゼンチンでタンゴのコンサートする場合は1万円以内で可能だがクオリティーはかなり低い。
  • マニュアル型の調律師は避けた方が良さそう。
  • 調律師がいないとピアニストは離陸できない。
  • 基本は師匠やレッスンの先生に紹介してもらう。

ピアニストにとって最も大事なミッションが良い調律師と出会うこと。

これでピアニスト人生が左右されると言っても過言ではありません。

それで、作品や録音の良し悪しも変わるからです。

みなさんの参考になれば幸いです。

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