最後にはまずはシングルで配信していく一つの戦略についても解説します。
この記事を読むだけでTuneCoreがいかに楽にリリースできるかをざっくり把握できるようになり、あなたもきっとTuneCoreで音楽を世界に届けたくなる!
そしてインディペンデントアーティストとしてデビューしましょう!
TuneCoreが最高な3つの理由
1、著作権管理が楽
映像はもちろんですが、音や音楽の著作権って昔は結構難しくてCD時代から音楽レーベルとして制作していたおっさん世代にとってジャスラックに管理されている曲をリリースするのはかなり大変な作業でした。
例えば小難しいルールとしては5分で一曲分の著作権がかかる。
つまりジャズなんか『曲のテーマ部分は40秒くらいなのに3曲分払わないといけない・・・もう勘弁してくれ』となるわけです。
また、5分2秒とかいうトラックが完成した場合は製作陣で大会議です。
もちろん2秒部分に一曲分の使用料がかかるわけですから。
これらの苦労が全くかかりません。
そのあたりは各自情報のアップデートした上でアルバムの構成を練っていきましょう。
現代でも自分で著作権管理曲をリリースする場合、上記のような苦労が必要です。
提出書類もなにやら多かった気がします。
ジャケット入稿前にJASRAC認定マークをもらい、それを入れてくれと指示があったりします。

プレス工場によってはフォントがないので文字をアウトライン化しなきゃだし、アウトライン化の前に別名でバックアップ取って・・・
などなどめっちゃ大変でした。
それに比べてTuneCoreはJASRACの楽曲データベースから曲、またはアーティストから検索し、管理コードを入力するだけ。
面倒な手続きや、分配などもすべて自動でやってくれます。
もう今やTuneCoreでしかやりたくない・・・というくらい自分でJASRACと契約するのは本当に大変です。
2、【神機能】スプリットが白眉
スプリット機能が神機能。
一緒に制作したチームで売上からの取り分を分けるということがあるかと思います。
これも平成時代は大変でした。
TuneCoreなら役職を指定して、そのアカウントに〇〇%配分するかというのをリーダーが決めることができます。
これは本当に神機能で以下の利点があります。
- 売上の取り分で揉めない。
- 税金の処理を各々でできる。
- 様々な人材をチームに誘いやすい。
小規模レーベルで物販の場合取り分なんかも正直なところ平成であれば、一枚一枚の単位で管理しているわけではないので、売上はだんだん適当になりがち。
リリースして一年後くらいの作品はもうなんとなくざっくりザル計算になるのは暗黙の了解だったりします。
TuneCoreであれば、何年経過しても一円単位でしっかりと配分してくれるので楽。
おまけに3つ目の様々な人材を誘いやすいというのもあるかと思います。
売上の配分でやってくれないか?と知り合いのデザイナーやフォトグラファー、イラストレーターなどに依頼しやすいですよね。
もちろんスプリットの役職にはそういった役職もあります。
3、世界と繋がる、世界に広がる
さて、Kotaro Studioの432hzできくスタジオジブリ作品のシリーズは世界中で視聴されており、頻繁にチャートインのお知らせが届きます。
最高で2位までチャートインしたことがありますが、内訳はニュージーランド、オーストラリア、モンゴル、香港、サウジアラビアとなっていました。
モンゴルと香港は推測ですが、中国からのIPアドレスを変えてのアクセスであると考えられます。
TuneCoreの関係者もどこかのインタビューで語っていましたが、『中国系は今やっと著作権が安定しつつあるフェーズに突入した』とのことで、今後2020年代は中国市場をしっかりと意識していると語っていました。
世界中の人に聞いてもらえるという点において特にピアノ曲などのインスト系は物販では不可能だった広がりを持てるようになりました。
【メリットに変換できる】TuneCoreの2つのデメリット
もちろんデメリットもあります。
ただしこのデメリットは裏を返せばメリットにもなりますので、考え方次第。
TuneCoreで何作も配信している筆者が体験したデメリットについてみていきます。
1、審査基準が意外と曖昧でよく変わる
TuneCoreというと “TuneCore 審査 通らない” などで検索されたりするほど、とにかく審査が厳しい印象があるかと思います。
確かに厳しめです。
厳しめなんですが、同時に結構適当でもあります。
以前音声だけのアルバムを配信したことがありました。
メラニー先生のスペイン語聞き流し講座です。
とりあえずこれはすんなり審査を通過して、半年後くらいにこれの日本語版を海外向けにリリースしようとしたときでした。(文は正確ではありません。)
音声だけのアルバムは配信できへんで!
なんかバックになんでもええから音楽をBGMとして入れなあかんのやで〜
そうなんすか・・・?!
前スペイン語のやつ出せたんでっけど、基準がよくわからんので今後のためにもどう違うのか解説してもらって、どっちかに統一してくれません?
あー、確かに出とるな・・・
審査する人とかいろいろ状況によって変わるんやで〜
理解してや。
でもうちょっと深く聞いてみると、音声だけの場合はプラットフォームによっては跳ね返される可能性があるとのことで、そのリスクを背負っても良いなら審査通しますとのことでした。
もし跳ね返されたらもったいないので日本語版はサウンドクラウドへ。
ちなみにスペイン語圏の人に向けた日本語学習音声はこんな感じになってます。
Aprender japonés “Vamos con idioma japones!”(サイト内ページ)
加えて別のアルバムで432hzシリーズの音源を出そうとした時のお話ですが・・・
432hzっていう単語は使われへんのやで〜。
他のタイトルに変えてや!
え〜〜〜?!
432hzで他のアルバムガンガン出してるけどこれも違いと基準解説してくれまっか〜?!
まあ状況は変わっていくんやで〜。
理解してや〜!
というわけで、Jpopラブバラード名曲選は432hz調整されたピアノなのに432hzを挿入できませんでした。
メリットに変換
でもこれって、各プラットフォームのルールや状況をしっかり把握して追い続けているプロがいてくれるから助かっていると言えます。
AmazonやらAppleやらSpotifyやら、よく知らない中国の配信業者などの細かいルール変更をいちいち追ってられませんよね。
特にAppleなどは本当に毎月変わるんじゃないかってくらいアプリや配信、ストアのルールは目まぐるしく変わります。
そういうところにアンテナを貼っておいてくれる、そして変更になったら対応して、教えてくれるというのは音楽業界でやっていくための強い味方であると言えます。
2、配信料が一年ごとにかかる
他の配信代行サービスなんかでは、一度登録して配信料払ったらずっと更新料はかからないというルールのところもあります。
しかしTuneCoreの場合はアルバムだと毎年5000円ちょっと配信料がかかります。
これは同業者と話をするときにもよく話題になりますが、個人的にはメリットだと感じています。
メリットに変換
やはり100%還元されるというのは大きなメリットです。
一度登録したらOKなサービスは永久に〇〇%搾取され続けることになるわけです。
その点、配信料として代行手数料を払って100%売上を受け取るというのはアーティストへのリスペクトを感じます。
初期投資がかかっているだけに『これからも頑張ろう』という強い意欲がわいてくるのもプラス面。
それにその配信手数料は売上の中から割り当てることができます。
通常1000円以上から登録口座に引き出しができるのですが、引き出さずにTuneCore内に置いておくとそこから配信料に割り当てられるので便利。
インディペンデントアーティストとしてデビュー
インディペンデントアーティストとは個人だけで独立したアーティストという意味。
ん?現代では当たり前になっていますか?
これもおっさん世代からすると本当に有難い時代。
今や全部一人でできます。
TuneCoreを機に爆発的にバズったアーティストといえば、香水で有名な瑛人さん。
シングルの配信料は年間利用料:¥1,551(税込)〜(2022年10月時点)。
瑛人さんも一番最初に香水をリリースしたときは¥1,551(税込)で配信したんですね。
シングル配信料を50%オフにする方法
こちらから登録するとこのシングル配信料金を50%オフにすることができます。
登録後に50%OFFになるクーポンがもらえます。
776円で配信できるわけです。
250円でダウンロード価格を設定したとしたらあなたのオリジナルが3回ダウンロードされればペイできるわけですね。
まとめ
- 個人制作でも最安776円から世界に配信できる!
- チーム制作でも神機能スプリットで売上の管理は全自動!
- TuneCoreスタッフが業界のルール変更に常にアンテナ貼ってる!
- 更新手数料はTuneCore内から引き出し可能!
配信手数料が高いという印象を持たれがちですが、考え方次第では非常に合理的で、アーティストの利益を最優先に考えてくれているシステムであると言えます。
頻繁に変わるルールはTuneCoreのルールではなく、各プラットフォームのルールですので、納得がいかない場合も『そういうものだ。』と素直に受け入れましょう。
あなたがGAFAM級のプラットフォームを作れない場合は、巨大なクジラの動きに従った方が圧倒的にお得です。
最近は音楽業界のマーケティング方法も大きく変わってきました。
業界の情報に常にアンテナを貼りつつみなさんの音楽家としての成功を願っています。
プロフィール

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音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。
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