空間オーディオを創る方法〜SPAT Revolution 22とは?

バイノーラル音源や空間オーディオ、3D音源など様々なマルチオーディオコンテンツがありますが、どのように編集して制作していけばいいのか?

音響エンジニアはどのソフトで行っているのか?気になっている方も多いのではないでしょうか?

もちろんLogicをはじめとしてDAWソフトでも基本的なマルチチャンネルの設定などはできます。

SPAT Revolutionと何が違うのか?

Profile

この記事を担当:こうたろう

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイクREC技術を学び帰国
金田式DC録音のスタジオにて音響学を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、ピアニスト, 音響エンジニア, マルチメディアクリエーターとして活動中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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SPAT Revolution 22とは

音響空間デザインと3Dオーディオレンダリングのための強力なソフトウェアです。

世界中の音楽プロデューサー、サウンドデザイナー、音響エンジニアによって使用され、オーディオシーンの位置や動きをリアルタイムでコントロールできます。

SPAT Revolutionは、フランスの音響技術会社Flux:が開発したもので、3Dオーディオの制作、ミキシング、レンダリングに特化した革新的なツールです。

リアルタイム3Dオーディオレンダリングとは

3D空間内での音の位置や動きを瞬時に計算し、リスナーにその場で再生する技術です。

この技術を使うと、リスナーがいる場所や頭の動きに応じて、音の方向や距離がリアルタイムに変わるため、まるで実際にその場にいるかのような臨場感のある音響体験が得られます。

  1. 音源の位置情報
    • 3Dオーディオシステムは、音源の位置情報を収集し、それを基に音の位置を決定します。これには、音源のXYZ座標が含まれます。
  2. 空間音響処理
    • 収集した位置情報を基に、音響アルゴリズムが音の方向、距離、反響、減衰などを計算します。この処理は、リスナーが感じる音の自然な広がりや動きを再現するために行われます。
  3. ヘッドトラッキング(オプション)
    • バイノーラルオーディオやVR/ARコンテンツでは、ヘッドトラッキング技術を使用してリスナーの頭の動きを追跡します。これにより、リスナーが頭を動かすたびに音の方向が正確に変わるように音響処理が行われます。
  4. レンダリングエンジン
    • 音響アルゴリズムが計算した結果を基に、レンダリングエンジンが実際の音声信号を生成します。この信号はスピーカーやヘッドホンに送られ、リスナーにリアルタイムで再生されます。

具体的な使用例

  1. バーチャルリアリティ(VR)
    • VRヘッドセットを使用するユーザーが仮想空間内を移動すると、周囲の音がユーザーの位置や視線に応じてリアルタイムで変化します。これにより、仮想空間内での没入感が大幅に向上します。
  2. ゲーム
    • ゲーム内でプレイヤーが動くと、音の発生源や敵の位置がプレイヤーの動きに応じて動的に変わります。これにより、ゲーム体験がよりリアルでエキサイティングなものになります。
  3. ライブパフォーマンス
    • ライブコンサートやイベントで、アーティストの位置や動きに合わせて音の方向や音量がリアルタイムで調整されます。これにより、観客はより臨場感のある音響体験を楽しむことができます。

アンビソニックファイルの形式とVRマイク編集方法

アンビソニックファイルの形式

アンビソニック音響は、全方向からの音を正確に再現するための技術で、特にバーチャルリアリティ(VR)や360度ビデオの音響で使用されます。アンビソニック音響のファイル形式には以下のものがあります:

  1. AmbiX (B-Format)
    • 特徴: 現在最も一般的なアンビソニック形式。4つのチャネル(W、X、Y、Z)を持ち、1次アンビソニックス(1OA)をサポート。
    • ファイル拡張子: .amb, .wav
    • 用途: VR、360度ビデオ、ゲーム音響
  2. FuMa (Furse-Malham)
    • 特徴: 古典的なB-Formatで、AmbiXに比べて異なる正規化方法を使用。
    • ファイル拡張子: .wav
    • 用途: 特定のアンビソニックスプロジェクトや歴史的なアーカイブ
  3. ACN (Ambisonic Channel Number)
    • 特徴: チャネルの順序と正規化が異なるため、AmbiXやFuMaと区別される。
    • ファイル拡張子: .wav
    • 用途: 高次アンビソニックス(HOA)で使用

SPAT Revolution 22の価格と代替ソフトウェアについて

SPAT Revolution 22の価格

SPAT Revolutionは、プロフェッショナル向けのリアルタイム3Dオーディオレンダリングおよび音響空間デザインソフトウェアで、2つのバージョンが提供されています。

EssentialとUltimate。それぞれの価格は以下の通りです:

SPAT Revolution Essential:

  • 月額サブスクリプション(24ヶ月のRent to Ownオプション): €22.80 / 月
  • 年間サブスクリプション: €202.80 / 年
  • 永続ライセンス: €466.80(1年間のサポートとアップグレードを含む)

SPAT Revolution Ultimate:

  • 月額サブスクリプション(24ヶ月のRent to Ownオプション、WFSオプション込み): €144.00 / 月
  • 年間サブスクリプション: €643.20 / 年
  • 永続ライセンス: €2,314.80(1年間のサポートとアップグレードを含む)

代替ソフトウェア

SPAT Revolutionの代替となるソフトウェアには、以下のようなものがあります:

  1. Nuendo (Steinberg)
    • 特徴: 強力なポストプロダクションツール、VRオーディオ制作、アンビソニックス対応。
    • 価格: 約€1,000
  2. Pro Tools Ultimate (Avid)
    • 特徴: プロフェッショナルな音楽およびオーディオポストプロダクションツール、広範なプラグインサポート、3Dオーディオ対応。
    • 価格: サブスクリプションで$79.99 / 月 または永続ライセンスで$2,599
  3. Reaper (Cockos)
    • 特徴: 手頃な価格で高機能なDAW、アンビソニックスプラグインのサポート。
    • 価格: 個人ライセンスで$60、商業ライセンスで$225
  4. Max/MSP (Cycling ’74)
    • 特徴: 視覚的なプログラミング環境、カスタムオーディオ処理、インタラクティブインスタレーション向け。
    • 価格: サブスクリプションで$9.99 / 月 または永続ライセンスで$399

これらのソフトウェアは、各自のニーズに応じた3Dオーディオ制作や音響空間デザインの機能を提供します。

SPAT Revolutionは、特にリアルタイムでの高度な音響処理や複雑な音響空間のデザインに優れているため、特定の用途では他のソフトウェアよりも優れている点があります。

空間オーディオの編集に興味がある方はぜひ各ソフトについて調べてみてはいかがでしょうか。