ポッドキャスト音声の音質比較〜無指向性と指向性の要素の割合を変える

これまで録音方法に関しては様々なマイクの種類や方法をお届けしてきましたが、音声編集の大局として、要素の割合を変えるという非常にシンプルで、最重要ポイントを比較して聞いたいただきましょう。

現在の環境

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収録日によって使う機材が違いますが、基本的なセットはこんな感じです。

メインマイクはAKGのC5。

AKGらしい音で扱いやすいハンドタイプのマイクです。

大口径マイクはどうしても場所を選ぶということもあり、ハンドタイプを使っています。

AKG ( アーカーゲー ) / C5 コンデンサーマイク をサウンドハウスで見る

大口径タイプを使いたい場合はルイットが激しくおすすめ。

こちらの記事を参考にしてください。

【保存版】LEWITTっていいマイクですか? 大口径マイクシリーズの選び方

黄色丸の部分になります無指向性マイクはEM158という自作のマイクを使っていますが、代替品としてはカントリーマンのB3×2個でのステレオがおすすめです。

COUNTRYMAN ( カントリーマン ) / B3 をサウンドハウスで見る

このラベリアタイプのマイクを卓上スタンドとマイクバーにセットして、マイクバーにはF6も載せてマウントしています。

マイクバーはできれば長いものがおすすめ。

いろいろなものをマウントできますし、AB方式の幅も長く取れたりしますので映像関係の方にも使いやすいと思います。

K&M ( ケーアンドエム ) / 23325 卓上マイクスタンド をサウンドハウスで見る K&M ( ケーアンドエム ) / 23560 3/8 をサウンドハウスで見る

モニターヘッドホンはHD25で間違いは起こりません。

SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / HD25 密閉型モニターヘッドホン をサウンドハウスで見る

無指向性と指向性を足す

編集方法としては、無指向性のステレオ2トラックと指向性のモノラルトラックをそれぞれノーマライズします。

それをミキサーでバランスを整えていくのですが、この割合で音の印象は大きく変わるわけです。

実際に聴き比べてみましょう。

無指向性要素が大きい場合の音はこんな感じ

こちらは五島先生がカントリーマンのB3という無指向性マイクを使っていたこともあり、音質を合わせるために無指向性部分の要素を強く出した例です。

【コスパ最高】 COUNTRYMAN ( カントリーマン ) / B3 を無指向性ペアマイクとして試してみて!

空間の響きが優先されて、開放的なイメージが特徴です。

指向性要素を強くした場合の音はこんな感じ

こちらは指向性のC5の要素を優先させた音で、ローカットなども入れておらず、かなりデッドな印象になります。

どちらがいい音なのかは人それぞれです。

【高音質とは何か?】芸術の楽しみ方

使い分けの例

無指向性要素を強くした五島先生との収録は実は現在の環境写真とは別の部屋。

無指向性なので、冷蔵庫の音、その他環境音や換気扇、電子機器のノイズなど拾ってしまいます。

拾わない場所で収録する場合は個人的には無指向性要素が強い方が好きで、AB方式なのにしっかりオンマイクで収録し、無指向性をメインとしてモノラルのC5を足していくという感覚。

一方で冷蔵庫ノイズの入る部屋で収録する場合は、C5をメインとしてステレオの要素を足していくという感覚。

このようにして割合を変えていくとベストなポジションが見つかります。

これはポッドキャストだけではなくて、音楽収録や自然界の収録のときにも考えるべきバランスですので是非覚えておいてください。

ちなみに無指向性の要素などまったく意識せずに冷蔵庫ノイズのある部屋で収録するとこんな感じになります。

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冒頭でブーンという音を指摘されていますし、しっかりマイクに入っていますよね。
ちなみにこの回ではDPA4006という非常に高級なマイクロフォンを使っていますので是非聴き比べてみてください。
WMの左右のセッテイングを間違えていて、左右が入れ替わりますがご勘弁ください。
ラジオの中で紹介しているDPA4006で収録した合唱のアルバムもリンクしておきます。

DPA ( ディーピーエー ) / ST4006A ステレオペア をサウンドハウスで見てみる

みなさんの参考になれば幸いです。

Kotaro
Kotaro
服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
2022年9月より豊かな暮らしをテーマとしたウェブサイト『レンタルdeクラセル』も発信中〜