DR-10X / F2 『ゲストをお迎えする際のマイクセッティングを考える』

たとえゲストをお迎えしていなくてもやはり失敗は相当辛い世界。

しかし、一人で収録しているYoutubeで実は録れてなかった〜はまだ許されますが、ゲストをお迎えして、録れてませんでしたは取り返しが付きません。

また、やはり礼儀としてゲストの方に対して「このマイクに向かってしゃべってください」とか、「もうちょいマイクに近づいてくれますか?」なんてことはあってはならないと個人的には考えています。

ゲストをお迎えするということは常にゲストが中心で収録が回ります。

あなたの都合なんて関係ありません。

ゲストに気持ちよくお話してもらうために音響担当として工夫できるあらゆることを考えていきましょう。

基本はショットガンマイク

さて、ゲストにお話していただく際は基本的にゲストの顔が全面的に見えるようにしておくことが大前提となります。

マイクロフォンや機材でゲストの顔が隠れてしまってはせっかくお越しくださったゲストに対して大変失礼になります。

そのため、基本的にはショットガンマイクを使ってカメラの裏側から口元を狙うというのがセオリーとなってきます。

立ち位置も決まっていて、動作も決まっているドラマの収録なんかはこれが基本です。

あらかじめ決められたスケジュールで運ぶスタジオ収録の番組などは固定位置にショットガンマイクをセットすることも可能。

ショットガンマイクの場合距離が稼げますのでゲストの邪魔になることはありません。

ポッドキャストにおすすめのマイクは?!【シーン別おすすめマイクロフォン選別】 低予算編(サイト内記事)

ただし、ショットガンマイクの特性でありデメリットとなりえるのは超指向性マイクであるということ。

ショットガンマイクのデメリット

ショットガンマイクの場合はゲストのボディランゲージが大きかったりすると、口元とショットガンマイクの軌道を塞いでしまうこともありますし、エピソードトークなどで立ち上がったり、いろんな方向を向いてお話ししてくださる方の場合超指向性の軌道から外れてしまいます。

長尺になればなるほど、予測できない事態が多発します。

ドラマなど完全にすべての軌道が決まっている収録には最適ですが、予測が難しい現場ではハイリスクすぎます。。。

そんな時に登場するのが、無指向性マイクになります。

最終章ですので、みなさんはもうきっと中級者!

ゲストをお迎えする場合の無指向性マイクのセッティング例をみてみましょう。

無指向性マイクで予測不能リスクを回避!

そんな時に検討してみるアイテムがこちら。

テレビのバラエティ番組のロケ収録などではタレントが胸元につけているピンマイクを接続するためのレコーダーです。

サウンドハウスさんで購入の場合はこちら

TASCAM ( タスカム ) / DR-10X マイクロリニアPCMレコーダー

この手のタイプだとZOOM F2も王道のアイテムとなります。

ZOOM ( ズーム ) / F2/B フィールドレコーダー

こちらと、俗にいうラベリアマイクという小さなマイク、当サイトの中で過去に紹介した機種だとゼンハイザーMKE2になります。

【おすすめマイクロフォン】 無指向性で勝負編

この場合は当然モノラル収録になります。

ゼンハイザーのMKE2とこのDR-10Xを接続。

ゲストの方にお願いしてDR-10Xをポケットかベルトに持っていてもらう許可をいただき、ピンマイクをつけさせていただく許可を得ることができればベストなセッティングとなります。

このセッティングでいくと、ゲストが走り回ろうが、踊ろうが、何をしようがいい音でゲストの声を収録することができます。

ただし、ゲストの方にしっかりと説明しましょう。

プロのタレントさんなど、収録に慣れている方は、ヘッドホンつけた人が近づいていっただけで黙って両手を上げて待っていてくれたりします。

しかし、そんな場合でも必ずマイクを装着させていただく許可を得てからにしましょう。

タレントさんじゃない場合は不快に思う方も少なくありません。

不測の動作が多そうで、且つピンマイクの装着の許可をいただけなかった場合は次の手を考えましょう。

DR-10Xの弱点

次の手を考える前にDR-10Xの弱点について。

当サイトでも散々お伝えしてきましたが、音はアナログ部ですべて決まります。

そして良いADC(エーディーコンバーター)を使うかどうかにかかっています。

DR-10Xはやはりどうしても簡易装備となってしまいます。

使われているADCもタスカムのレコーダーで入門機クラスのレコーダーと同じADCですので、やはり音質は良いとは言えません。

 

録音も48khz/24bit なのもあって、やはりスペック的には価格相応になってきます。

 

最高の状態で音を残すのであれば、やはりZOOM F6などの上位機種を使用するといいと思います。

フィールドレコーダー ZOOM F6 ビデオグラファー必須の一台(サイト内記事)

ZOOM ( ズーム ) / F6 +専用プロテクティブケースPCF6セット

この記事の最後に筆者がゲスト収録するためのベストセッティングを考察していますので参考にしてみてください。

では、次の手に参りましょう。

次の手は最終手段、街中で街頭インタビューする際にも便利です。

インタビュアーがマイクを操作する

さて、本来ならDR-10Xは街頭インタビューなんかにお使いいただくのはどうですか?

という目的で宣伝されています。

ハンドタイプのマイクロフォンをそのまま刺して見た目はワイヤレスマイクのように使えるからです。

ハンドタイプのおすすめマイクはこちらの記事を参考にしてください。

【シーン別おすすめマイクロフォン選別】 低予算編

ショットガンマイクで軌道が外れてしまい、ピンマイクの許可もいただけない場合は、ハンドタイプのマイクロフォンとDR-10Xを接続してインタビュアーがゲストの顔を隠さない、そして、ゲストの動きの邪魔にならないようにマイクを操作しましょう。

マイクが画面に映りますが、そこは仕方ないので諦めます。

ピンマイクは拒否されても、ハンドタイプのマイクなら持ってくれるという方もいらっしゃいます。

ピンマイクを拒否される方はお気に入りの洋服にテープがついたり、シワになったりするのが嫌という理由が考えられます。
実際過去にピンマイクは拒否されましたが、ハンドタイプならすんなり持ってくださるという方もいらっしゃいました。

街頭インタビューでも使える

街中でインタビューをお願いする際にも、一言コメントもらいたいためにピンマイクをセッティングするのは効率が悪いというわけで、こういうタイプで乗り切る方が合理的です。

  ポイント 

DR-10Xは見た目無線のように見えるのと実際取り回しは無線クラスになりますので、ゲストの方がケーブルを煩わしく感じたり、小さなお子さんの顔に大人がもっているマイクのケーブルが当たるなんてこともなくなりますので非常に重宝します。

 

DR-10X / F2の違いとは?!

ここはシンプルにDR-10XはXLR対応なのはかなり優位性が高いと思います。

【一応知っ得?!】ちょっぴり専門的なケーブルの話(サイト内記事)

接続例

音質も最高品質で残す場合にはやはり上級者向けのレコーダーを使う必要があります。

このようにセットすると、全部で5チャンネル使います。

全体の収録である無指向性ペアの感度を気持ち上げておき保険をかけておきます。

また、ピンマイクが許可いただけた場合はもちろん最高です。

ゲストがピンマイクに対して好意的にみてくださっている場合は念の為もう一系統予備でマイクを貼っておくとより安心ですね。

このようなセット例が考えられます。

失敗の許されない現場。

ZOOM F6ですと、内蔵SDカードへの録音と同時に、USBオーディオ出力でPCへのバックアップ録音が可能となっていますので、さらに安心です。

  ポイント 

図のF6の部分をファンレスのパソコンにするということもできますが、やはりF6の場合はカードへの記録と同時にパソコンでの記録も可能ということでリスク回避のためにはパソコン収録よりもF6の方が安全です。

 

これらの方法をすべて拒否というゲストの方がいらっしゃった場合もゲストファーストでお迎えしましょう。

その場合は、予算が跳ね上がりますが・・・

ショットガンマイクを3本程度、2方向くらいを予備で、1本を手動で追うというスタイルを取るしかありません。

しかし、すべてに拒否という方はそもそもゲスト収録に応じてくださらないかと思いますのでこういったケースがあるかどうかは疑問です。

DR-10XやF2はゲストをお迎えする際の強い味方ということで本日は締めくくりたいと思います。

この記事を書いた人

こうたろう

元ピアニストでフォトグラファー&サウンドデザイナー
ミュージシャンだった父の音楽スタジオと、モデルだった母の仕事場であるフォトスタジオの現像ルームが子供時代の遊び場という恵まれた環境で育つ。
音楽大学を卒業後ピアニストとして活動を開始。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてヨーテポリを拠点に活動するシンガーアーティストLindha Kallerdahlとセッションを重ね声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後単身ドイツ・ケルンへ渡独。
ドイツから帰国後ピアノソロ作品アルバムと共に同時リリース。
金田式電流伝送DC録音の第一人者である五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、活動を開始。
独立後、音楽プロデューサーとして音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックを中心としたアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
現在は元ピアニストの経験を生かしたミュージシャンのライブフォトを得意としながら、肖像写真、動物写真、自然写真を中心にミュージックビデオの制作などオーディオ技術も得意とするフォトグラファーとして活動中。

Writer's profile

服部洸太郎
服部洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
本格的に写真、映像技術を学ぶ。
現在はKotaro Studioにて民族音楽に関する文化を研究。
「誰かのためにただここに在る」をコンセプトに誰かがいつでも訪れ安心感が得られるサイトを模索中。