【EL EMPLEO】ブエノスアイレス出身の映像作家さんの現代風刺アニメ

※この記事は2020年5月23日に更新されました。

本日はブエノスアイレス出身の映像作家さんをご紹介したいと思います!

みなさんはEL EMPLEOというアニメ作品をご存知でしょうか?

Youtubeでは770万回以上の再生を誇っており、現代風刺アニメの中でもかなり人気の作品なので見たことがあるという方も多いかもしれません。

この作品の作者は映画監督で映像作家の「Santiago Grasso(サンティアゴ・グラッソ)」さん。

アルゼンチン・ブエノスアイレス出身なんです。

どんなアニメ!?

早速拝見してみましょう。

独特のタッチで描かれるアニメーション作品。

冒頭からなんだか怖い雰囲気で始まります。

これはいろんな意味が含まれているのではないでしょうか。

少し考えてみました。

[su_box title=”どんな風刺なのか?!” box_color=”#e0e544″]・思考停止で労働することへの風刺
・労働者階級と資本階級との格差への風刺 [/su_box]

みなさん顔に感情が出ていません。

それだけ思考停止感を強く意識していたのではないでしょうか。

そして社会の歯車となるとはどういうことなのか?

その仕事は一体誰の、何のために存在しているのか?

「仕事・労働」に関して強く考えさせられる作品となっています。

以前とある政治家さんと話していたときに言っていました。「本当の意味での国が産み出す雇用とは、A地点からB地点に石を運ぶような仕事である」と。

人は働かないことは結構苦痛なのです。

だから引きこもりはどんどん病んでいく。

労働しないことに対して不安やストレスを感じるのが生き物なのです。

何かをする→達成感を得る。

これが非常に大切だと言われています。

それを証明するかのようなとあるエピソード

そのため、第二次世界大戦中のナチスの収容所でも、収容されてる人たちの精神を破壊するために行われた拷問の一つとして、達成感を奪うというものがあります。

これも先述の政治家さんから聞いた話。

その方は実際にポーランドの収容所まで行ってきたそうです。

その達成感を奪う方法と言うのが、A地点からB地点まで石を運ぶ。

というもの。

そうなんです、ここからが重要なんです。

B地点まで石を運び終わったら今度は、B地点からA地点まで再び同じルートで石を運ばせるそうです。

A地点からB地点まで運ぶ際は強制労働ながらもやりがいを感じて運んでいた人たちも逆のルートになった途端に達成感を奪われ、精神が徐々に崩壊していくんだそうです。

この仕事を数週間や数か月続けていると、完全に精神崩壊していくんだそうです。

なんとなく分かりますよね。

このように労働の精神的報酬である「達成感」というものを模索するような雰囲気もアニメ全体から感じられますね!

資本主義の本質

また、資本主義の本質的な描写として、労働者と、資本家が完全に分離した社会を描いています。

このアニメには資本家が登場しません。

すべての登場人物が労働者。

資本家はそれらを歯車的に組み合わせて社会を回しています。

登場人物はみな、ミクロで自分の仕事を理解していますが、マクロでの理解は一切ありません。

マクロでの意味を理解しているのは資本家だけなのです。

A地点からB地点まで石を運ぶ仕事の意味を理解しているのは政治家だけでいいのです。

実際大東亜戦争の時、戦闘機を作る際、労働作業をかなり小さなカテゴリーに分けて、「今自分が誰のなんのためのものを作っているのか?」わからなくしていたんだそうです。

魚雷特攻作戦の兵器なども罪悪感を感じさせないため魚雷機の設計図などは「これはなんの設計図なのか?」エンジニアはわからずに作っていたそうです。

実際に筆者の祖父は戦時中11歳。

陸軍の招集によって、「半地下」というものを作っていたそうです。

毎日山にいって穴を掘るんだそうです。

それはなんのために作っているの?と質問したところ・・・

「いや、それがわからんのや。未だにわからへんのや」

と言っていました。

資本家は労働者の労働をお金に換えています。

労働者は自分の労働が資本家にとってどうお金に変わっているのか理解できずに働いています。

そして、みなさんは理解して働いていますか?という強いメッセージを感じないでしょうか?

仕事・・・替えられるの?

ところで作品を見ている中で感じませんでしたか?

「仕事によって身体にかかるダメージの違いが大きい」ことに。

そうです。

職種によって、将来的に蓄積される身体のダメージやメンタルのダメージは違ってきます。

アニメの中では、タクシーと椅子、主人公のマットなどはやはりダメージが大きそうですよね。

しかし、信号機や、エレベーターを動かしている人などは、身体的なダメージは少なそうです。

このアニメの世界観では仕事内容は選べるのでしょうか?

もしかすればもしかすると、資本主義以外の主義・思想に対する風刺の意味合いも醸し出しているのかもしれませんね。

資本主義社会で生きているアルゼンチンでは、少なくとも仕事内容を選ぶことができるのだと思います。

いろいろ考えさせられる風刺アニメの紹介でした。

Santiago Grasso氏のその他の作品

PADRE from opusBou on Vimeo.

こちらも彼が監督した作品です。

彼の作品の全体的な特徴としてはBGMがないことではないでしょうか?

そのため、独特の世界観を演出していますし、静かに思考する時間を与えてくれます。

みなさんの参考になれば幸いです。

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