本日は慢性的なストレスに対しての効果についてドイツとイギリスの共同研究の論文がありますので、シェアしていきます。
出典:Longitudinal effects of meditation on brain resting-state functional connectivity
現代人共通の悩み
慢性的なストレスが引き起こす様々な問題は私たち現代人を悩ませます。
「慢性的ストレスは今や、21世紀の主要な健康リスクの一つとして認識されるようになりました。
Social Neuroscience Lab at the Max Planck Society:タニア・シンガー
ストレスによって生じる健康問題は、主に二つの神経内分泌系の長期的な活性化によって媒介される。
一つは交感神経-副腎-髄質系で、もう一つは視床下部-下垂体-副腎系です。
この二つのシステムは、免疫や代謝のプロセスに複雑な影響を及ぼし、心血管障害、代謝障害、自己免疫疾患などの発症に関与しています。」
研究内容
出典:Contemplative Mental Training Reduces Hair Glucocorticoid Levels in a Randomized Clinical Trial
227名の成人男女を対象に、瞑想がストレス負荷(長期慢性的)にどのように影響するかの調査です。
被験者は1日30分、週6日の瞑想を実施。
これを9カ月継続してもらいます。
検証結果
結果、瞑想開始から6ヶ月時点で、被験者の毛髪に含まれるコルチゾールの量が大幅に減少していることが確認されました。
平均して25%減少していました。
最初の3ヶ月でも全体的に減少傾向にありましたが、次の3カ月で急激に減少値がが増大したことが確認されています。
残りの3ヶ月はコルチゾール・コルチゾンともに低濃度レベルを保っていることが確認されています。
一方で興味深い点は、被験者主観による自己申告では「ストレスレベルは明確に緩和している」とは感じている人はいなかったそうです。
考察
研究チームは、瞑想には慢性的なストレスレベルの緩和に大きな効果がある、と主張しています。
「世界にはうつ病をはじめとした長期的なストレス負荷が直接または間接的に関与している病気がたくさん存在しています。
主著者の中の一人:ララ・プールマン氏
私たちは日頃から、慢性的なストレスの影響を予防的に打ち消す努力をする必要があります。
一方で被験者の割合に女性が多かった点から、生理的なコルチゾールとの関連についてのさらなる研究も期待されています。
つまり毛髪からコルチゾール値を測定していますが、コルチゾール値と毛髪の関連と影響に男女差はあるのかどうか?という点です。
ただし平均して25%減少しているというのは事実ですし、無料且つ安全で場所を選ばないエクササイズとしては最高ですよね。
みなさんの参考になれば幸いです。

ちなみにアルコールを摂取することでコルチゾール値が上昇することはすでに証明されています。
本気でコルチゾール値を抑えたい場合は禁酒、断酒も視野に入れる必要がありそうですね。

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服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
スタジオでは「誰かのためにただここに在る」をコンセプトに、誰がいつ訪れても安心感が得られる場所、サイトを模索中。