※この記事は2020年6月20日に更新されました。

この記事に到達する方は主にピアノの先生だと思います。

普段みなさんはどのようなシステムでオンラインレッスンをしていますか?

主にクラシックピアノ関係の先生からよく配信システムの相談を受けます。

本日は少しでも生徒さんに質の高いレッスンを届けたい!

工夫すればスマホ一本で成立しちゃうオンラインレッスンですが、やっぱり他の教室の先生たちと差をつけたい!

と思うピアノの先生方のために、音響エンジニア目線でピアノのオンラインレッスンを超絶アップグレードする方法を考察してみたいと思います。

1、MIDIシステムの導入

1981年に公開されたMIDIシステムは、40年近くたった今でも現役且つ、MIDI 1.0の策定完了から38年後の2019年には、MIDI 2.0の策定開始が発表されました。

かなり古いプログラミング言語に見えますが、例えばC言語が1972年から未だに使われていることを考えると、むしろ新しい言語とも言えます。

2019年にMIDI 2.0の策定が開始されたとのことですので、少なくとも今後数年~数十年は現役で活躍する分野と言えます。

これまではDTMやDAWのクリエーターのスキルとして見られていましたが、アフターコロナ時代、クラシック関係のピアニストも避けては通れない必須スキルとなっていきます。

それでもやっぱりMIDI ってなんだか難しそう・・

と思うかもしれないですが、大丈夫です!

いざやってみると以外とできちゃいます!

コロナパンデミックを機に覚えてしまいましょう~!

MIDIを導入する3つのメリット

ではMIDIを使うと具体的にどのようにオンラインレッスンがアップグレードされるのでしょうか?

1、細かいニュアンスもデータでアーカイブしてもらえる。
例えば、ある楽曲を指導する際、細かい音の使い方や、ダイナミックレンジの使い分けなどを伝えるのはかなり難しい分野ではないでしょうか。
「こーーーここはぶわーーーーーと盛り上がる」「こんな風にふわーーーーとして、すぐ小さくね」なんて抽象的な言葉を使ってしまいがちです。
MIDIシステムを利用すれば、ベロシティーといいって、音のタッチの圧力(ボリュームとはまたニュアンスが違います)を数値で正確に表すことが出来るわけです。

このように、抑揚の付け方や、ダイナミックレンジなどを正確に伝えるための補助となるだけではなく、後から確認するためのアーカイブ資料としても生徒さんにお届けすることができるわけです。

2、ペダリングの記録
こちらは後述しますが、ピアノのレッスンで最も重要といってもいいほど重要なポイントとなるのが、ペダリングなのではないでしょうか?
もちろん、まだ足が届かない小さなお子さんの場合は関係ないかもしれませんが、ある程度のレベルになってくると、ペダリングで曲の完成度が決まると言っても過言ではありませんし、これに異論のある先生方は少ないかと思います。

もちろん、信号の記録なので、ハーフペダルや、クレッシェンドペダルなどの高度な技術をデータ化することは今はできません。

しかし、ペダルの位置をこのようになんとなくでも記録することによって、復習する生徒さんにとっては大変貴重な資料となるのではないでしょうか。

MIDI 2.0の世界では、確実により正確なペダリングの記録が可能になり、ベロシティーの範囲拡大が期待できます。

3、生徒さんのピアノでそのまま再生できる。
MIDIシステムを使えば、生徒さんのお宅でそのまま先生の演奏を再現することができます。

先日こんなニュースが話題となりました。

ヤマハのピアノ遠隔演奏システム、ドイツの音大が“リモート入試”で採用 日本で弾いた演奏を現地で再現

「学生の演奏をMIDIデータ化してドイツに送り、試験場のピアノでリアルタイムに再現した」

とあります。

MIDIシステムを使うとこのようなことが可能になります。

さらに、生徒さんの自主練習時には、テンポを落としてゆっくりとお手本を確認するといったことも可能になります。

これを導入しない理由はもう見当たりません。

ポイント!
さらに、生徒さんの持っているキーボードによっては、例えば演奏している鍵盤が光ったりするものもあり、レッスン後に受け取れる資料としては最高の資産となるわけです。

2、マルチアングルを導入する

オンラインレッスンとなると、映像が中心になりますので、どうしても映像の知識が必要になってきます。

例えば、ピアノのレッスンともなれば・・・

・生徒さんからの視点
・俯瞰的視点
・足元の視点

こちら先述しましたが、ペダリングの視点をオンラインレッスンで届けることを諦めてしまっている先生方、実は多いのではないでしょうか。

少なくともこの3つの視点からお届けすることで、他ではないオンラインレッスン体験をお届けすることが可能になります。

各視点のサンプルに関してはこちらの記事で紹介していますので、是非チェックしてみてください。

現在生配信で、各アングルを切り替えるための神アイテムが存在しています。

→Blackmagic Design ATEM Mini

こちらは昨今のオンラインレッスンやリモートワークの需要もあり、どこも在庫切れ。

次の販売ロットを待つしかない状態です。

アフターコロナの世界でも、オンラインレッスンを続けていく先生であれば、入荷次第必ず購入しておいていいアイテムです。

このATEM miniにカメラを接続すれば、ボタン一つで俯瞰→手元→足元と切り替えることができるようになります。

3、音響環境を整備する

ピアノのオンラインレッスンとなると、三つの音響を整備していく必要があります。

・先生の声
・生ピアノの音
・電子ピアノの音(midiデータ作成用)

最後のMIDIデータ作成用は、生徒さんに届ける必要はないかもしれませんので、先生の声と、生ピアノの音に限って進めていきます。

音楽のオンラインレッスンですから、音を売りにしているわけで、ここをおろそかにするわけにはいきませんよね。

ピアノの録音の場合は特に他の楽器に比べて倍音も多いので難しいとは思いますが、レッスンでのオススメは指向性マイクのペア+先生の声用に、指向性または、超指向性のマイクをおススメしています。

先生の声をモノラルで届けるとしても最低でも3チャンネル必要になってきます。

ピアノの録音用マイクに関しても先ほどの記事を参考にしてみてください。

これらをPCに繋いで、配信ソフトやビデオ会議ツールソフトで認識させるためには主に2つの方法があるので見ていきましょう。

入力数の多いオーディオインターフェイスを使用

一昔前まではかなり高額な値段を出さないとミキサー付きのオーディオインターフェイスは買えませんでしたが、現在では比較的安く揃えることができるようになりました。

例えばピアニスト且つオーディオインターフェイスが必要な方、さらにチャンネル数が多いという条件で絞っていくと、もうほぼほぼこれで決まりだと思います。

なぜかというと、やはりオーディオレイテンシの問題が挙げられます。

MIDIシステムを導入するべきと考察しましたが、実際にMIDIシステムを導入して稼働させるためには、オーディオレイテンシの問題が付きまとってきます。

要するにピアノの鍵盤を押してから音が鳴るまでの時間です。

ZOOMの当機種シリーズはオーディオレイテンシの問題がほぼ解決されたといってもいいほど、レイテンシの問題の分岐点ともなった機種になります。

また、ZOOMのマイクアンプは音が素直なモノが多いので録音したり(生ピアノを収録)する際にでも最高音質を保つことが可能になります。

アナログミキサーとの併用

他にも通常の2チャンネル入力とアナログのミキサーとの併用も考えられます。

この場合でも、やはりMIDI入力を使うのであればピアニストの場合現状でこのシリーズしか思い浮かびません。

このシリーズが発売されるまではMIDIのリアルタイム入力に関してレイテンシ問題との戦いの日々を送ってきました。

ピアノ弾く(MIDIシステムをやるなら)人がオーディオインターフェイスを買うなら、このシリーズがベストです。

こちらの記事も参考までに是非ご覧ください。

2チャンネルのオーディオインターフェイスを軸とする場合アナログミキサーはどんなものがいいのでしょうか?

筆者は個人的にこういうときこそベリンガーがベストだと考えています。

ベリンガーはシンプルで安くて高性能ですが、電源部分が弱く、故障リスクが比較的高めなのが気になります。プロの音響さんだと場合によってはミキサーは何台あっても困りませんから、壊れるまで使えればいいや、という感覚でとりあえずまとめ買いする方も多い感じです。

XLRで4チャンネルも入れば充分だと思うので、とりあえずこれ買っておけば失敗はないかと思います。

デジタル時代にアナログミキサーの存在と言えば、とりあえずまとめるモノ。。。

音を括っとく結束バンドみたいなモノ。。。

という感覚なので、変に高額な投資をする必要はありません。

下手にこだわりのメーカーのミキサーなどを買ってしまうと逆にお化粧がかかった音になってしまい、素直な音にならない可能性があるので注意しましょう。

まとめ

・生徒さんにアーカイブ資料を届けることができるため、ピアノのオンラインレッスンにはMIDIシステムの導入は必須!

・カメラをマルチアングルにすることによって、見せなければいけないポイントで強制的に意識を向けさせることが可能なため、実際のレッスンよりも質の高い指導が可能になる。

・オンラインレッスンの商品価値はピアノの技術+音なので、音に関しては最高クオリティーのものを届けると生徒さんの満足度も上がるのではないでしょうか。

さらにマスタリング技術をマスターすることができれば、そのまま生徒さんにMIDIデータ+演奏音源を映像付きで届けることが可能になります。

みなさんの参考になれば幸いです。