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※この記事は2020年5月5日に更新されました。
録音も含めた映像関係、なかなかうまくいかなかったり、録音も想ったようにいかなかったりしませんか?
実は撮影や録音、特にワンポイント録音は寿司職人の修業と似てるかもしれません。

寿司の世界を知らないのにすみません・・・想像です。。。寿司職人の方はご容赦ください!
【ワンポイント録音】難しいところ・・・

ワンポイント録音は一見シンプルな方法ですが、非常に難しいポイントも多々あります。
通常のマルチマイクによる収録は、カメラの世界でいうところの、報道やスポーツに似ています。
とにかく連射してチャンスの幅を抑える。
あとで、使えそうな写真をピックアップして、細かく編集する。
マルチマイクもとりあえず取っておいて、あとから編集で整えていこう!
というスタイルです。
もちろんマルチマイク系のエンジニアはその編集や加工の技術に対してすさまじいだけの知識と努力をしなければいけないことは言うまでもありません。
どっちがすごいとかじゃありません。
ポートレート写真専門の人も、報道写真専門の人も感動的な作品はいくらでもあります。
さて、マルチマイクが上記のようなスタイルである一方で、ワンポイント録音は難しさがちょっと曲者?なのです。
ワンポイント録音の難しい点
1、マイクの置き場所が無限すぎてどこに置いたらいいかわからない。
まさにこれじゃないでしょうか?
マルチマイクの場合、「その辺!(楽器に対して)」でOKなんです!
指向性マイクの場合は特にそうで、音源に対してしっかりと向けろ!
と専門学校や業者に入ると教わります。
ところが無指向性マイクを使う場合や、ワンポイント録音の場合は、一体どこに置いたらいいのか?
最初はさっぱりだと思います。
2、後から編集で潰しが効かない・・・
これもワンポイント録音ならではの難しいポイント。
マルチマイクの場合は編集ありきで収録します。
エンジニアはすでにモニターの段階で、仮にプラグインをかけていますし、どういう方向性でミックスしていくのか、イメージしながら収録しています。
一方でワンポイント録音の場合は、基本的に編集でプラグインを使ったりもしません。

立ち上げるプラグインの数が少なければ少ないほど、その録音は成功した!とワンポイント録音のエンジニアは感じるのです!
なんかこれ、刺身を作る時に似てませんか?
実は、ワンポイント録音を誰かに解説するときには筆者はよくお寿司に例えて説明しています。
・マルチマイク収録→カリフォルニアロール
・ワンポイント収録→握り寿司
どちらも素晴らしい世界です。
それぞれに難しさや特徴があり、好みが分かれます。
これほどぴったりな表現はないのではないかと思っています。
カリフォルニアロールに関しては、スパイスの組み合わせや奇抜な発想力、独特の色彩感もなくてはいけません。
握り寿司に関しては、とにかく最高の場所に包丁を入れなければいけません。
飯炊き10年とか馬鹿じゃねえの!?

もうかなり前になりますが、実業家のホリエモンこと、堀江貴文さんが、「寿司職人になるのに飯炊き10年とか馬鹿じゃねえの」とコメントして話題になったことがありました。
職人気質の強い日本では、こういった職人技の世界を大切に、修業を積み重ねてたどり着く極地・・・のようなものに憧れがあります。
筆者は堀江氏の考え方に、賛成でも反対でもなく、ずるいですが、賛成よりの中立という感じです。
確かに、本気の職人さん・・・というのは何人かお会いしたことがありますが、もう人間技とは思えないすさまじい感覚を持っていたりします。
例えば昭和時代に活躍した本気の寿司職人さんなどは、毎回シャリの米粒の数が完璧に同じ・・・とかそういうクラスの人はごろごろいたと思います。
ただ、現在は求める側の私たちもレトルトの寿司に味が慣れてしまって、日本人でも一流かそれ以外、といった感覚だと思います。
それこそ、寿司っていったって、料理なんだからレシピと作り方覚えれば誰でも創れる!
という発想は当たり前のことであり、ここに反論の余地はないかと思います。
寿司の専門学校で半年勉強し、海外で出店し大成功を収めている方もたくさんいらっしゃいますし、もう絶対美味しいと思います。
飯炊き10年は馬鹿だけど、高級店で修業しなければいけない理由

ここからが、ワンポイント録音の上達方法に繋がってきます。
確かに、専門学校でスキルだけ習得すればそれでOK!です。
しかし、そこから一段上に行くために必要なことはなんでしょうか?
筆者は個人的にネタの目利きができることだと思っています。
もちろん、専門学校である程度の目利きの方法は学ぶとは思います。
しかし、一流のネタに囲まれて過ごしている人とそうでない人には大きな差が生まれてくるのではないでしょうか?
録音技術向上のためにブラック業者でこき使われる必要なし!
スキルはサクッと覚えましょう。
まじで簡単です。
ここを覚えるために飯炊き10年なんかしないでください。
ブラック業者でこき使われる必要もありません!
筆者のサイトでは技術系の記事はすべて無料で公開しています。
そのあと、さらなるスキルアップを目指すために必要なことは、とにかくいいネタ(音)を知り、触れること。
ワンポイント録音の性質上、もう本当にここしかないと思います。
いいネタ(音)という基準があれば、しっかりとモニターすればマイクの位置がわかってきます。
この位置は良い音か、そうでないか。
いい音を知らなければこの比較ができません。
例えば、筆者の師匠である五島昭彦氏録音のジャズピアノトリオのアルバム。
これはかなり音すごいですので聴いてみてください。
内容は民族音楽ですので、もちろん好き嫌い分かれるとは思いますが、この録音のクオリティはかなりすごいです。
まさにワンポイント録音の極地とも言えるかもしれません。
ジャズアルバムというよりも、録音エンジニアの勉強のためのアルバムと言えるかもしれませんね。

金田明彦氏、開発・設計・製作の【金田式バランス電流伝送DC録音システム】で収録されています!
他にもいい音(ネタ)あります。
本記事の結論としては、「良い音を知る」でした。
次回は、具体的なワンポイント録音の練習方法について紹介したいと思います。