Menu
ヌード撮影というポートレートの中でもシンプルが故に難易度の高い、でも決まった時の美しさは時を超えたロマンと宇宙の美しさを彷彿とさせてくれる神秘的なアート作品であると言えます。
今回はそんなヌード撮影の勉強方法と撮影の際のポイントなどを筆者の経験からお伝えしていこうと思います。
いくつかモデルから掲載許可をもらっている写真(作例)はありますが、現代ではアートとポルノの境界線は、各種検索エンジンや、プラットフォームのアルゴリズムによって分けられます。
当サイトも各種プラットフォームなどとの連携も行っており、アルゴリズムについてはブラックボックスになっているため、極端に肌の露出した写真作品などの掲載は控えます。
ヌード撮影の魅力
さて、ポートレート撮影を行う場合、どうしても衣装、服の要素は外せなくなります。
もちろん服の魅力はそれはそれで独立した美しい概念ではありますが、モデルとの共存や、撮影写真との共存など様々な要素が重なってより複雑になっていきます。
ただ、複雑になるからこそシンプルになる部分とシンプルにするからこそ複雑になる部分とが交差するのがポートレートの魅力の一つなのではないかと考えます。
人はなぜ服を着るのか?
ヌード撮影をする前にまずそもそも人はなぜ服を着ているのか?考察してみましょう。
有名なのはアダムとイブのお話。
エデンの園というこの世の楽園で暮らしていたアダムとイブ。
それはそれは毎日楽しく暮らしていましたが、唯一絶対に守らないといけない神様との約束を破ってしまいました。
その約束とは、「エデンの園中央にある樹からは決して実を食べてはいけないよ。食べたら死んでしまうからね。」というもの。
しかしエデンの園にいた悪魔の化身である蛇がイブをそそのかします。
蛇は次のようにいいます。

神様あんなこといってるけど、死なないっすよ!
死ぬどころかこの身を食べるとめっちゃ頭よくなって神様みたいな存在になれるんだよ。
神様はやっぱりそれが嫌やから食べたらダメよっていってるだけ!
嘘やと思うなら一回食べてみ!?
こんな感じで誘惑されてついにイブは禁断の果実を口にしてしまうわけです。
口にしたイブは死にませんでした。

ねーねーアダム!
みて、ほら、全然死なへんで、やっぱり神様のいってたん嘘で、蛇が言った通りやわ!
むしろどっちかっていうと美味しいくらいやで!
アダムもほら、食べてみんさい!
というわけで、イブにそそのかされたアダムもこの禁断の果実を食べてしまったわけです。
禁断の実を食べた二人は自分たちが裸でいることを恥ずかしく感じ、近くにあったイチジクの葉で腰巻きを作って身につけました。
これが旧約聖書に見る人類が服を着ることになった最初の出来事だと伝えられています。

こんなエゲツない男尊女卑のエピソードも現代ではうかつに語れなくなりましたね。
ただこのあたりの男尊女卑の感性はユダヤ人にも脈々と受け継がれており、レディーファーストの文化なんかもこういった男尊女卑の精神から誕生したと言われています。
ちなみにレディーファーストは簡単にいうと毒味。
肋骨から創られた女は神の似姿である男のために尽くせよという精神が根付いています。
もちろん現代ではそういう意味合いは含まれていないと思うので誤解なきようお願いします。
この禁断の果実によって羞恥心が最初に生まれ、そこからアダムとイブは様々な罪を犯します。
この羞恥心というのはヌード撮影においても非常に重要な要素であると個人的には考えています。
アダムとイブの様子がおかしいことに気がついた神様は当然二人に訪ねます。

ちょー君ら何してんの?
なんでそんな恥ずかしそうに隠してんの?
他の動物みてみーや、君らだけやでそんな羞恥心に苦しんでるの。
あれ、食べたやろ?だからあかんっていうてたんや。
するとアダムは「イブに勧められて断れなかった。」と言い訳をします。
一方イブはイブで「蛇に勧められて食べたわけです。」自分以外の誰かに責任を押し付け合いました。

ほら、始まったよ。
もうそういう感じ・・・エデンの園の住人ではおられへんわ。
エデンの園はみんなありのままに自由に平和に暮らしてるねん。
結局コントロールできずに突然そうやって知恵つけたらそうなるねん。
悪いけど出てってや。
というわけでアダムとイブの二人はエデンの園から追放されます。
怒り収まらない神様は、アダムには「何かを食べるためには汗を流して働かねばならない」という罰を。
イブには「子どもを産むためには命懸けで苦しまなくてはならない」という罰を与えます。
さらに二人に共通する最強の罪を追加で与えます。
それが「いつか必ず死ぬ。」という死への恐怖を生きている間永遠に与え続けることでした。
この追放の際に神様は二人に衣服を与えたとされています。
それはギフトだったのか、罪人としての証だったのか、解釈はいろいろあって楽しいですよね。
火の鳥シリーズの他の話とも連携(火の鳥の醍醐味)したりするので、旧約聖書より面白いかも?!
近親相姦なども登場しますので、当時から物議を醸していましたが、現代のコンプライアンス感だと連載もなかったでしょうし、世に登場することもなかったかと思うと、手塚作品がアートの歴史に残ったのはまさにギリギリセーフと言った感じでしょうか。

火の鳥を読んでいない方は是非一度読んでみてはいかがでしょうか。
その世界観に圧倒されますよ!
エデンの園と羞恥心の狭間で・・・
さて、人が服を着る理由についてかなり長くなってしまいました。
ただ、この旧約聖書の物語を感覚的に理解することによってヌード、つまり全裸でいることの神秘性や、美しさについて意識することができるようになります。
現代では羞恥心の他に権威性の誇示というものも合わさります。
人は簡単い白衣を着ている人を信用してしまいますし、スーツでバシッと決めて警察手帳のようなものを見せられると簡単に個人情報のすべてを渡してしまいます。
服にはそういった社会での立場や、社会性を付加すると言った役目も担っているわけですね。
服を着ると人は変わります。
だからこそファッションポートレートなんかはそれはそれで魅力的なジャンルであり、美しいポートレートを撮影することができるわけですが、そういった概念とはまた別の美しさをヌード撮影からは見ることができるわけです。
神(全知全能の絶対神という意味ではない)が創った形、神と歴史が創った形と姿、神と歴史と社会が創ったその姿。
ありのままの自己との対話をその一枚に収める。
なんとも神秘的でロマンチックなジャンルなわけです。

どうにかうまく言葉で表現するために旧約聖書などを例に出しましたが、一神教とか多神教とか、宗教とか無性教とかは関係ありません。
宗教学には否定的なフォトグラファーさんは、例えば素数の終点を求めるかのごとく人間の身体を観察してみてはいかがでしょうか。
こっちの分野で解説するとふわっとさせられないため難しいのでまた別の機会に。
ヌード撮影の勉強方法
さて、実際にヌード撮影の勉強方法について考察していきたいと思います。
これはもう、簡単にいっちゃうと観察に尽きると言えます。
人間の身体をとにかく知る、観察すること。
そして羞恥心とありのままの人間のバランス際を限界スレスレで狙っていくということが大切なのではないかと考えます。
ヌード写真を得意とする写真家を参考に
そして多くの作例を見てください。
ヌードで有名なアーティストはメイプルソープ。
写真を撮るなら是非知っておきたい偉大なる【有名写真家3人】を紹介!
Robert Mapplethorpe
やっぱり撮影には欲望が必要です。
それは性であっても、生命であっても、愛であっても構いません。
なのでどうしても異性のヌード撮影はばっちり決まるけど同性のヌード撮影は決まらないと言ったことが起こります。
その点メイプルソープは男性のヌードであっても女性のヌードであっても美しいんです。
まあどちらかと言えば男性のヌードの方がより神秘的に映ります。
そして何よりも両性である花の写真が本当に美しい。
まさに宇宙的なロマンを感じます。

花の曲線美というのは人間の曲線、ラインと非常に近いニュアンスがあるわけですね。
秋山庄太郎
他にも先ほどリンクした偉大なる写真家と重なる部分もありますが、日本人の写真家:秋山庄太郎氏の女と花。
おすすめです。
この女優の肖像はファッションも含めてという面が強いですが、この写真集から学べるヌードの哲学はとても大きいと言えます。
さらに秋山庄太郎氏と言えば花の写真が有名。
メイプルソープ同様花とヌード、性というのはそれぞれ密接にリンクしているわけです。
Lotte van Raalte
また現代に生きるヌード系フォトグラファーも多数活躍していますが、やっぱりInstagramなどでも垢BANされていたりと、なかなか紹介が難しい昨今となっています。
垢BANされた経緯からInstagramなどでは美しいヌード写真の数々は見ることはできません。
公式サイトではいくつか見れます。
動画もVimeoを使っていたりと、昨今のアルゴリズムによるポルノ判定などの影響に苦労している様子が伺えます。
書籍で学ぶ
GENIC│ヌード特集「素肌と素顔を写す」 vol.62
アート雑誌や写真雑誌などの特集でヌードやポートレートが取り上げられることも多々あります。
ビジュアルヌード・ポーズBOOK
ビジュアルポーズシリーズは様々なヌードのポージングが参考例となっており、ライティングなどをイメージしながら研究していくことができます。
照明ライティング術をマスターする方法 / 有名映画のライティングを無料でチェック
ハイパーアングルポーズ集
こちらもポージングの研究には最適です。
フォトグラファーのためのポートレートポージング入門
かなり基礎的なポージングを把握することができます。
ヌード撮影の場合は服での陰影コントロールができませんので、人間の骨格や、ポーズによる陰影の出方などは把握しておきましょう。
アダルトビデオで学ぶ〜おすすめの女優さん
俗にいう大人のビデオもヌード撮影を学ぶためにはぴったりの教材です。
全裸監督の前半部分のように寄せ集めのスタッフでなんとかポルノを撮影する時代とは違って現代は照明スタッフやカメラスタッフもかなり腕のあるプロで構成されてるケースも多く、照明一つ見てもかなり参考になるシーンが多々あります。
また、ヌード撮影の学習に特化したポージングだけのビデオなども存在しており、ポルノとアートの境界線はむしろポルノ側から寄せてきているのが最近のアダルトビデオ。
撮影者側のみならず、モデル側も参考にされてみてはいかがでしょうか。
個人的に研究しがいのある女優さんや作品をピックアップしてみます。
楓カレン
2022年3月で引退されたようですが、元々はグラビアアイドルとしてデビューした方で、ポージングを含め、身体の重力との付き合い方が非常に上手な女優さんです。
重心のコントロールが非常に優れているためライティングもしやすいでしょうし、筋肉や筋の出し方が素晴らしいので映像から様々な要素を研究することができます。
おすすめはこちらの作品。
死ぬほど大嫌いな上司と出張先の温泉旅館でまさかの相部屋に… 醜い絶倫おやじに何度も何度もイカされてしまった私。霧吹きで汗を表現して照明で艶を演出しています。
楓カレンさんの作品は全体を通してラインと筋をかなり意識して立ち振る舞われていますので全体的におすすめ。
絡みが邪魔になる方はポージングのみの作品もあります。
楓カレン 新・湯女ごこち 5八木奈々
長野県出身の女優さんで、デビュー当初からセクシー女優デビューだったのでポージングなどのレッスンなどは曖昧だと思いますが、大変美しいラインを見せてくれます。
2020年6月にはグラフィスが選ぶヌード美女10人の一人に選出されており、週刊ポストに撮りおろしグラビアが掲載され、まさかのセクシー女優からモデル映えしすぎてグラビアにという経歴をお持ちです。
腹筋の使い方、独特のラインを見せてくれますので研究や観察にはぴったりの教材になってくれます。
大切な彼女がクラスのDQN達に媚薬を使って犯●れキメセク堕ちしているのを見てクズ勃起こちらの作品は是非腹筋の流れ方と、独特のクーパー靭帯のラインを追いながら研究してみてください。
八木奈々さんも絡みなしのポージングビデオをリリースしておられます。
Clarity 八木奈々頭の中で様々なライトをシュミレーションできるような構成になっているかと思いますので、大変参考になります。
ヌード撮影のポイント
もちろんメイプルソープクラスになるとセルフヌードなんていう神業もできるようになるかもしれません。
しかし基本的にはヌード撮影というと、主に個人セッションか、撮影会の二択になるかと思います。
筆者は撮影会は開いたこともないですし、参加したこともないので事情はよくわかりませんが、主催者のルールをしっかり確認し、遵守するようにしましょう。
気温や室温
個人セッションの場合はやはり気温や温度管理には気をつけたいところです。
カメラマンが服を着ている場合はモデルとの体感での差が出てしまうので、常にモデルベースで気温を調節しましょう。
気温といっても現代では誰かの感じ方一つで公然わいせつ罪で捕まりますので室内での撮影が基本となるかと思います。

真夏以外は指向性の高いヒーターなどで暖めてあげるのもいいですね。
低温やけどと保湿
ストロボだけで撮影している場合は大丈夫ですが、ビデオライトなどと併用して撮影しているような場合は肌へのダメージは衣服がある場合に比べて格段に上がりますので注意してあげるようにしましょう。
また、ライトを長時間当てることによって肌の水分が飛んでしまうこともあります。
撮影していると肌の質感が変わってくるので気がつくかと思いますが、モデルさんはフィルムよりもさらにデリケートですので、最大限の気遣いを持って接してあげるようにしましょう。
フィルムやデータの管理
フィルムやデータのセキュリティーには気を使いましょう。
特に現代ではポルノとアートの境界線は画像認識アルゴリズムが決めていたり、ポルノと感じるラインは幅広くなってきています。
カメラマンとモデルがすごいいいショット!と感じていてもポルノと判定される可能性もありますので、データ管理とどんな形で発表するのかについてはしっかりとミーティングした上で制作していくようにしましょう。
室内やスタジオでも注意
これ結構重要です。
例えレンタルスタジオを借りていたとしてもそこは公共の場所です。
スタジオ側の判断で通報される可能性もありますし、最初からヌード撮影禁止をルールにしている場所もたくさんあります。
ヌード撮影が可能なスタジオを探す方が難しいエリアもあるほどですので、レンタルスタジオの場合も必ずヌード撮影が可能か確認する必要があります。
また自宅や私有地で撮影する場合も注意です。
自分の家の庭で全裸で日向ぼっこしていた人が逮捕されたケースもあります。
外から見えたら基本的にアウトを考えて行動しなければいけません。
太陽光をライトに使いたい場合などは特に注意が必要です。

オランダはアートに寛容な国として有名ですが、筆者がはじめてオランダに行った時に最初にみかけた現地人は上半身裸の女性でした。
空港から市内へ向かう電車から景色をみているとベランダの椅子で半裸で読書をしている女性をみかけましたが、これも日本だと完全にアウトで捕まります。
他には全裸で叫びながら猛ダッシュしている男性もいましたが、さすがにこちらは警官2人に追いかけられていました。
まとめ
人間は素晴らしいアートです。
パーツはもちろん細胞一つ一つがアートです。
ヌード写真に何を感じるかではなく、何を描写するかでポルノとアートの差になってくるかと思います。
リベンジポルノや公然わいせつ罪などが社会問題化したこともあり、ヌード撮影というジャンルに対してはマイナスイメージの方が先行するケースも多々あります。
そのあたりは十分に注意しながら制作していきたいですね。

-
服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
スタジオでは「誰かのためにただここに在る」をコンセプトに、誰がいつ訪れても安心感が得られる場所、サイトを模索中。