【タルムード】語るに落つ (知恵で悪人を誘導する)

※この記事は2020年10月21日に更新されました。

ポイント

タルムードの話は人の数だけ答えがあります。

正解は一つではありません。

ユダヤ式教育では、このお話を元に親子で議論するそうです。

みなさんも是非自分なりの解釈や考察を持って、自分だけのオリジナルタルムードとして編纂してみてください。

元のお話はラビ・M・トケイヤー氏の書籍から引用させていただいております。

【ユダヤ人の成功哲学】ユダヤに関するオススメ書籍9選 (サイト内記事)

語るに落つ

商人が一人町にやってきた。
数日後にバーゲンセールがあることを、彼は知った。
そこで彼は仕入れを数日待つことにした。
しかし彼はたくさんの現金を持ってきたので、それを手元に置いておくのは心配だった。
そこで静かな場所に行って彼は自分のあり金を全部埋めた。
翌日そこに戻ってくると、お金がなかった。
彼はいろいろ考えてみたけれども自分が埋めているところを見た人はいなかったから、どうしてお金が無くなったのかわからなかった。
ところが遠くのほうに一軒の家があって、家の壁に穴があいていることに気がついた。
おそらくそこの家に住んでいる人が、彼がお金を埋めているところを穴から見て、あとで掘り出したに違いないと思った。
彼はその家に行って、そこに住んでいる男に会った。
「あなたは都会に住んでいるから非常に頭がいいでしょう。私はあなたにお知恵を借りたいことがある。実は私はこの町に仕入れにやってきたのだが、二つさいふを持ってきた。一つは500個銀貨が入っていた。もう一つのほうには800個銀貨が入っている。私は小さい方のさいふをひそかにあるところに埋めた。これから大きい方もうめておいたほうがいいか、それとも誰か信頼できそうな人に預けたらいいか」と尋ねた。
男は、「もし私があなただったら、私は誰も人を信用しない。前の小さなさいふを埋めたと同じ場所に大きなさいふも埋めるだろう」と答えた。
欲ばりじいさんは商人が家から出ていくと、自分のとってきたさいふを前に埋めてあったところに戻した。
商人はそれを見ていて掘り出し、無事自分のさいふを取り戻した。

引用:ユダヤ五〇〇〇年の知恵

知力で欲を操る

このエピソードからはやはりお金についてまずは考えさせられます。

当時はお金の移動と保管は重要な課題でした。

特に銀貨がとりあつかわれている点では「21世紀の貨幣論」という本を思い出しました。

まだ銀貨だった時代、流通していた銀貨の一部を削り取られたりしていたそうです。

確かに現代でも例えば金でできた硬貨があったとすると、手元に回ってきた硬貨をちょっとずつ削る人いるかもしれませんね。(犯罪です)

ちなみに日本円ではアルミニウム製の1円玉が最も製造コストがかかっています。

お金の値段?! (サイト内記事)

注意

ちなみに硬貨を改造したりすると犯罪になりますので、一円玉集めて溶かして固めて売ったら儲かるんじゃない?という発想は諦めましょう!(笑)

話がそれました・・・

という時代背景もあるわけで、商人が道に埋めたのがそもそも悪いという話もあるわけですが、まあそこは仕方ないとしましょう。

話のミソはやはり、捜査~事件解決までをすべて知力を持ってこなしたという点です。

知力がなければどうでしょうか。

  • 「お前取っただろう」
  • 「あそこに埋めてあった銀貨を知らないか?」
  • 「半分あげるから返してくれ!」

ということになりかねません。

これでは愚か者と言わざる負えません。

立証プロセスが見事

また、あそこの家の人がきっと犯人だ!と推測しますが、それはあくまで推測に過ぎません。

何も証拠があるわけではありませんから、強引に問い詰めることはできないわけです。

あまりにしつこいと、よそ者である商人は完全に強盗と間違われますし、もし裁判にでもなったらある町の住人はほとんど商人を強盗と認定することでしょう。

疑っている様子は一切見せずにアプローチする見事な立証プロセスだと言えます。

ミスや失敗のリカバリーは冷静に・・・

立証プロセス自体は非常にストレートに参考になるものだと思います。

ただ教訓として学べるのはミスをした際に冷静にリカバリーを分析できるかどうか?

という点ではないでしょうか。

商人は失敗をしています。

見知らぬ土地のよく知らない場所に大切な銀貨をなんの保険もなく隠しておくというのは完全な商人のミスといえます。

もちろん持っていると強盗に襲われるリスクなどもあったと思いますが、リスクコントロールの点で賢明とは言えないでしょう。

商人も「大きなミスをした・・・」それはわかっていたはずです。

そこで頭に血が上り、あわてて「誰だ!!!!!返せ!!!!」となるのは冷静ではありません。

失敗は失敗で素晴らしい体験ですので、その失敗から学び、そして冷静にリカバリーしていかなければいけません。
はじめから人間は失敗することもあるというこを知っていれば失敗によってそれほど強い衝撃を蒙ることはない。
いってみれば、成功することだけを考えている人間は、ケシゴムのついていない鉛筆を使って、人生という設計図を描いているようなものである。
ケシゴムがついている鉛筆を使っている者のほうが、りっぱな図が書けるというものだ。
失敗することを、はじめから勘定の中に入れておくのである。
私の親しいラビの友人は、こう言っている。
「それでも鉛筆を使い切るよりも早く、ケシゴムをすりへらしてしまってはならない」

ユダヤの商法
ポイント

タイトルが「ユダヤの商法」となっており、商売に関する本かと思いきや、商売方法に関する記述ではなく、もっと根底の部分を学べます。

翻訳もとても読みやすく文字も大きく小学校高学年くらいの漢字にはフリガナも打ってありますので子供から大人までユダヤ人になぜ賢人が多いのか?を垣間見ることができる内容になっています。

お子さんへの贈り物にも最適です。

ケシゴムは冷静に動かさないと紙が破れます

落ち着いて、冷静に消していきましょう。

急いで慌ててケシゴムを動かすと紙が破れてしまいます。

それでは新しい学びを書き綴っていくことができなくなります。

「語るに落つ」のエピソードでは、立証プロセスにばかり目が行ってしまいますが、「冷静に失敗をリカバリーする様子」を学ぶことができるのではないでしょうか。

みなさんはどのように解釈しますか?

ミナミの帝王

ちなみに、関西ではお馴染みの金融漫画・ドラマ・映画「難波金融伝・ミナミの帝王」では相手の欲に付け込んだ回収方法がたくさん登場します。

お話の世界なので現実的ではありませんが、今回登場したタルムードを彷彿とさせるお話が多数でてきますのでおすすめです。

エピソードごとに売られていますので気になるエピソードの巻だけ読んでみてはいかがでしょうか。