ロケハンの準備と方法を徹底解説!

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今回は自然界のロケを行う設定でロケハンのポイントやコツを解説していきます。

資料作り

お店や店舗への取材などの場合はアポを取ったりとはまた少し違ってきます。

自然界の収録はなによりも土地勘こそがすべてになります。

土地勘のある人にロケハンのサポートをしてもらわないといくらいい景色が売りの観光地でもまずはじめての土地で撮影や録音に成功することはありません。

今回はCuranz Soundsの企画で種子島・屋久島への取材、ロケを行うためそれを元に資料作りを一緒に考えていきましょう。

気象データ分析

今回のロケは1週間という限られた日数で行うため天候の傾向をある程度知っておきたいわけです。

自然界のロケでは、何が起こるかわかりません。

過去20年一度も雨が降っていないのに1週間丸々嵐なんてこともありえます。

気象庁のデータベースから過去の傾向をなんとなく把握しておくことで、ロケ日の天候や特に重要な風速を予測することができます。

CSVファイルでダウンロード可能。

例えば過去数年間で特定の日だけ抜き出してグラフ化の下準備をしたり、数値を抜き出すにはPythonの中のpandasが早いです。

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気象庁のデータやPython、pandasはすべて完全無料で使うことができるので、まだPythonをインストールしていない場合は無料で環境設定しておきましょう。

M1 Mac以降の Python 環境構築 [完全保存版]

特定のデータ抽出はジュピターラボなどを起動してNotebookからPython3を起動。

import pandas as pd
# 気象庁のデータの場合はsjisコードで読み込み
df_t = pd.read_csv('ファイルの場所', encoding='sjis')
# df名はなんでもいいですが、今回は種子島のtを使います。
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文字コードが読み込めない場合はencoding=’sjis’の部分をengine=’python’に変更すると読み込めることが多いです。
他にもencoding=’cp932’など試してみてください。

ファイルの場所の特定はMacの方はこちらの記事を参照してください。

【Macの使い方】Finderにパスを表示・非表示

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Macの方はファイルを右クリックしてoptionボタンを押すと、コピー項目がファイルのパスコピーに変わりますので、オプションコピーでジュピターラボに貼り付ければOK!

ランダムに出してみる

df_t.sample(15)

()内の数字を変えてランダムに抽出できます。

今回は5月10日から15日までの間で指定したデータになります。

行の指定

# 10行目まで表示
df_t.head(10)

headメソッドで行を指定できます。

#後ろから5行を表示
df_t.tail(5)

テイルメソッドでは最後の5行を表示できます。

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pandaは他にも特定の条件でデータを抽出したりできますし、matplotlibなどのライブラリを使えば簡単にグラフ化することもできます。
今回はプログラミングの記事でもないですし、気象庁のデータを扱うにはコンバートしなければいけないのと、そもそも期間や条件を指定してダウンロードできるようになっているため今回は割愛します。

収録ポイントをピックアップ

土地勘を持つ人が最も求められる点がここ。

『ええとこしってまっせー』というやつですね。

例えば絶景スポットともなればカメラマンが三脚の場所を取り合って準備するなんてことも当たり前に起こります。

ただし、やはり穴場を狙いたいものです。

ブログやYoutubeなどで広く公開されている場所は穴場とタイトルにあっても公開されている時点で穴場ではありませんので、ロケハンでしっかり冒険していきましょう。

当スタジオではDropboxのペーパーという機能を使って、収録ポイントをGoogle マップとともに整理しています。

周辺調査

収録場所をピックアップできたら周辺の調査をしっかり行いましょう。

  1. 個人の私有地になっていないか。
  2. 雨の日にも地盤はしっかりしているか。
  3. 人通りや交通量の癖。
  4. 警告音や学校のチャイムなど定期的に鳴る音はないか。

絶対ではありません。

しかし、ロケハンに通えば通うほど精度が上がってきます。

朝日や夕日の方角や時間

日没の時間などを把握しておくことで撤収時間をしっかり管理します。

夕焼けの時間を撮影したい、録音したいのか、日没後も収録を続けるのかなどなど。

夕焼けや朝焼けを撮影する場合は出てから三脚を立てていては遅いので、その時期の方角や時間、速度、天候による見え方の違いなどしっかりチェックしておきましょう。

それによって機材の片付けなどに使うライトも指向性ライトなのか無指向性のライトなのか準備が変わります。

ポイント海や浜辺での収録の際は潮の満ち引きの時間などもしっかり把握しておきましょう。

安全性の確認

海外ではもちろん、日本でも治安を含めた安全性の確認は必須です。

できればデータ分析

Pythonはデータ分析に長けたプログラミング言語です。

できれば傾向と対策の分析はしっかり行い、当日のコントロール精度を高めましょう。

満月カレンダー

国立天文台(各地のこよみ)

移動

現地でレンタカーを借りるのもいいですが、場合によってはタクシーの方が移動が効率的な場合も多々あります。

タクシーはGOがおすすめです!

一度使うと手放せなくなる便利さ。

タクシーが呼べるアプリ GO《ゴー》

プロフィール

こうたろう
こうたろう
音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。