※この記事は2020年6月27日に更新されました。
8.5㎜の超広角系マイクロフォーサーズマウントのレンズです。
フルサイズ換算ですと、17㎜になります。
ところであまり聞きなれないKOWAレンズ。
どういうレンズなのでしょうか?
KOWAの歴史
愛知県名古屋市で1894年に創業した綿布問屋「服部兼三郎商店」が元祖。
当初知多木綿などの集荷を行っていましたが、1912年に事業拡大とともに株式会社服部商店に改名し、総合繊維商社としての道を歩み始めます。
第二次世界大戦で、綿紡績設備の大半を失ったのち、経営の多角化に舵を切ります。
「光学」と「医薬」を二本柱に据え戦後復興を掲げます。
海軍豊川工廠の技術者をスカウトし、1946年に蒲郡の大成兵器跡地で興和光器製作所が立ち上がりました。
当初は映写機用レンズなどの製造を手掛けていました。
興和が初めてカメラ事業に参入したのは1954年、二眼レフのカロフレックスI型が最初の製品です。
その後順調にカメラメーカーとして、ボディやレンズを生産していましたが、1978年、急激な円高のため輸出が激減しカメラの生産中止となりました。
34年間のカメラメーカーとしての歴史はここで途絶えてしまいました。
しかし、その後も工場では、ひっそりと、映画用やビデオ用レンズ、眼底カメラなど医療用光学機器の製造を継続していました。
2014年2月に確かな技術と確固たる歴史を引き下げてついに、KOWA PROMINAR レンズの復活となりました。
マウントはマイクロフォーサーズマウント。
発売当時マイクロフォーサーズ単焦点で、最も広い画角
KOWA (コーワ) PROMINAR 8.5mm F2.8は発売当時マイクロフォーサーズの中でも最も広い広角域を持っていました。
2014年当時、オリンパスやパナソニックで8㎜という広角域レンズもラインナップされていますが、それぞれ魚眼レンズであり、純粋な広角レンズとしてはKOWA 8.5mmが最広域でした。
2017年にはLAOWA 単焦点 広角レンズ 7.5㎜ F/2 MFT が発売され、最広角の座は奪われてしまいましたが、国産メーカーのレンズとしては現在も最広角となっています。
最短焦点距離が短い

PROMINAR 8.5mmの最短撮影距離は20cm。
かなり攻めた絵作りが可能となってきます。
価格は?!

筆者購入の2019年10月時点の最安値は6万7千円となっていました。
筆者はマップカメラさんで49800円に増税直前に購入。
しかし、増税直後にどういうわけかマップカメラさんからグリーンとシルバーでなんと新品24980円で大放出されていました。
幸いブラックは据え置きでしたが・・・
当然一瞬で売り切れてしまいましたが、ちょっとショックでした・・・
KOWA (コーワ) PROMINAR 8.5mm F2.8の至上最安値だったのではないかと思われます。
しかし、価格・comの履歴からも値段が削除されていますので、もしかしたら何かのエラーだったのではないか??
と祈るばかりです(笑)
購入前にチェックしておきたいこと。

まず第一にこれを間違えてはいけません。
[su_box title=”マニュアルフォーカスであること。”]KOWAはマニュアルフォーカスです。 オートフォーカス性能の良いカメラや、オートフォーカスを期待して購入しないように注意してください。 [/su_box]
→筆者はBlackmagic Pocket Cinema Cameraに装着を前提に選びましたので、逆にオートフォーカスは不要でした。
[su_box title=”無限遠がでない”]他の方のレビューなどでも指摘されていますが、無限遠がちょっと手前ででます。 これは他の方も同じようなので、仕様だと思います。 風景撮影したい際もしっかりマニュアルフォーカスでピントを合わせないと無限遠で絞ってればいいだろうと思って取ると大変なことに・・・ 手間のかかる分良い解像度を出してくれると思えば可愛いものですね。[/su_box]
[su_box title=”レンズフィルターが厄介”]出目レンズではないため、問題はありませんが、フィルターは基本的にはフードにつけることになるそうで、フィルター径=レンズフィルターのサイズではありません。 そのためかなり巨大なフィルターになり、フィルター代が重くのしかかってきます。。。 レンズボディに直接つけることもできるそうですが、KOWAの公式アナウンスではレンズと接触するため、フィルターは必ずフード側につけてくださいとのこと。。。 ボディーに直接すれすれで付ける方もいるそうですが、あまり精神衛生上よくありません。 筆者はフィルターを諦めて丁寧に使うつもりです。[/su_box]
このあたりが注意ポイントになります。
- マニュアルフォーカスに慣れていない方
- 手間のかかるレンズがめんどくさい方
などは向いていないかもしれません。
逆に、手のかかるやつほど愛おしい・・・と思える方にとっては解像度は最高ですし、周辺の歪みもでませんので、いい仕事してくれると思います。
みなさんの参考になれば幸いです。