5000日後の世界?日本の行く末は?!日本の強みは〇〇にある

ケヴィン・ケリー氏の書かれた「5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる(世界の知性シリーズ)」を読んでみました。

内容は特に目新しいことはなく、一般的に言われている内容がほとんどで、例えばこちらの書籍などでもほぼ同じような内容が書かれています。

ただ、哲学者と評されることもあるケヴィン・ケリー氏の独特の切り口に関していくつか考察する材料を私たちに投げかけてくれているのでコラムとして考えていきましょう。

書籍の中で特に印象的だったのは日本のこと。

日本の強みは〇〇にある

すでに少子化対策は手遅れとなり、金融緩和の出口は誰も知らないというネガティブなことばかりに目がいきがちな日本ですが、人々は優しく、美味しい水があり、高い医療水準を維持しており、警官の汚職も比較的クリーンであり、充実した社会保障に守られる日本。

5000日後の世界はどうなっているか?

もちろんITやテクノロジーの分野でここから中国を追い抜き、挽回するということは常識的には考えられませんが、ケヴィン・ケリー氏は非常に面白い視点で日本を見ておられました。

私はいつも日本に来ると、電車で通過する農村や都市の風景を眺めて、屋根の瓦などが破損していないかチェックしていますが、いままで一度も欠けたものが見つかったことがありません。
世界中どこに行っても日本ほどメンテナンスが完璧な国は知りません。
〜中略〜
日本のメンテナンスは素晴らしくて、例えば伊勢神宮ではずっと20年ごとに建て直し作業をしていますよね。
それこそ長期間のメンテナンス作業です。

5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる

確かに日本で瓦の欠けた家というのは、かなり目立ちますよね。

もちろん近年だと放置された空き家だったりで見かけますが、モノに対する愛情は世界でもかなり稀な感覚を持っているかもしれません。

まず動かないものに対しても生命があるという哲学を持ち、岩や石、土や木ばかりか、機械にも魂があるという感性を持っている点です。
ロボットに対しても他国と違う見方をしてきました。
こうした世界の他の国々と異なるテクノロジー観は、非常に強い文化の力になります。

5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる

確かに、日本の神道の宗教観というのは八百万の神、どんなところにも神が宿り、それは一つではありません。

例えば刀一つとっても、これまで切られてきた人々の怨念や執念、魂などが込められていると私たち日本人は本気で信じていますし、博物館などでそれらを目にすると、本当に恐怖を感じたりするのもここで言われる感性の一つだと言えます。

日本以外の感覚だと、「それはただの武器」であり、そこに誰もいませんよね。

なるほど、かなり特殊な感性と価値観であると理解できます。

伊勢神宮だって独特

式年遷宮の制度は、天武天皇のご発意により始まり、次の持統天皇4年(690)に第1回が行われました。
長い歴史の間には一時の中断はあったものの、これまで20年に一度、約1300年の長きにわたり繰り返し行われ、平成25年10月には62回目の遷宮が行われました。

伊勢神宮公式サイトより

この辺りも私たちにとって伊勢神宮とは、決して築20年ではなく、倭姫命が、五十鈴川のほとりに内宮を建ててからの歴史がそこにあり、今もその景観が美しく維持されていると考えます。

このメンテナンス力は半端なものじゃありません。

中国人とのとある会話

最近はオーディオパーツはもちろん、ハード関係の設計等される際に電子パーツなどを深圳から直接購入するという方も増えてきているのではないでしょうか?

中国は今や低価格で品質は世界屈指のものを揃えており、一昔前の安かろう悪かろうの時代はとっくの昔に過ぎ去りました。

そんなある時写真愛好家のコミュニティーで、中国の中古カメラ、レンズマーケットの価格情報を交換していると、やはりブランド物はだいたいどこの国も同じ水準で取引されていることがわかりましたが、愛好家コミュニティーの中国人曰く、「日本にいるのに日本で買わない理由はない。中古カメラは絶対に日本で買うべき。日本の中古カメラ市場について教えてほしい。私は日本の中古カメラを買いに日本にいくつもりだ」とのこと。

中古カメラの市場一つとっても例え舶来製のカメラであっても、一度日本に舞い降りたカメラはその品質がずば抜けていいですし、OH技術は本当に素晴らしいものがあります。

もちろんこれはピアノ市場も然りと言えるのではないでしょうか。

日本人は本当に物を愛する人のように取り扱います。

アルゼンチンでピアノ運送を頼んだら・・・動画あり

リペア市場と宇宙

ここから見えてくる日本の未来の優位性はリペア市場がまず挙げられます。

Youtubeでもリペア動画などを出しているのは実は日本人であることも多く、日本人の性格上モノを大切にするという点においては世界に負けない優位性があるかと思います。

ドラえもんの道具の中で22世紀の古道具屋「ちん品堂」と取引するための通信機器、タイムシーバーという道具がありました。

22世紀の未来人にとったらのび太の暮らす20世紀のモノは骨董品扱いとなり、非常に価値あるものと評価されています。

モノに対して独特の感性があるからこそ中古市場、具体的にはカメラのリペアや中古カメラ市場、機械設計や機械式の懐かしいものなどの骨董品分野に強いと考えられます。

モノ創りジャパンは21世紀にモノのジャパンになっているかもしれません。

あと一つは宇宙産業、これは書籍には登場しません。

宇宙産業といえば実業家でインフルエンサーの堀江さんが有名ですが、堀江さんの語る日本が宇宙産業に強い理由にはすごく納得です。

なぜ強みがあるのか?まずいくらでも発射実験ができるということ。
海に向けて打ちまくれるわけですね。
打ち上げと回収の作業が太平洋に面している日本はかなり優位性が高いです。
韓国や内陸地の国がどんなに頑張っても日本のような実験環境は手に入りません。

地図の出典:Googleマップ

旧ソ連、ロシアがこれほどまでに宇宙で世界トップに昇り詰めた理由はやはりその広大な土地で多くの実験ができたという点もあるかと思います。(もちろん表には出ていないいろんな事情も含んでいるとは思います。)

また、日本にはみちびきというこれまで世界屈指の優れた衛星を持っており、宇宙分野に関して未来の日本は優位性を持てるのではないかと考えます。

アーミッシュの話題

書籍ではアーミッシュについても触れられており、テクノロジーと暮らしについて考察する機会を与えてくれています。

アーミッシュは宗教団体であり、自給自足生活をし、移動は馬車を使っています。

詳細はWikipediaを参照してください。

アーミッシュについて(Wikipediaへ移動)

日本でも似たような団体や思想を持った方はたくさんいらっしゃいます。

この辺りとテクノロジーとのバランスについて深く考えるいいきっかけとなりました。

豊かさとは何か

彼らのテクノロジーの選び方には、われわれにも参考になる点があります。
例えば次の時代にARやスマートグラスが出てきた時に、どういう基準で選ぶかを考えてみてください。
それが自分の達成したいことに役立つか、家族を良くしてくれるか、自分のコミュニティーを良くしてくれるか、自分を向上させてくれるか、とアーミッシュのように考えてみるのはどうでしょうか。

5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる

この書籍では5000日後の未来を予測しつつも、後半はテクノロジーとの付き合い方について考察されています。

著者はテクノロジーは選択の幅を増やすと締めくくっていますが、まさに私たちが21世紀を生きる上で考えなければいけない点と言えないでしょうか。

テクノロジーにすべて身を委ねてしまうと、生活のすべて、人生のすべてをAIが管理し、自動で制御してもらえるようになってきます。

それは遅かれ早かれそうなるでしょう。

ただ身を委ねてしまうと、2010年代に話題になったゲームをやりすぎて餓死した人、のように、バーチャル空間、テクノロジーの管理下で気づかずに、自分を見失ったまま人生を終えるという選択がデフォルトになってしまうと言えないでしょうか。

懐古主義に固執する必要もありませんし、極度にテクノロジーと科学に怯える必要はありませんが、「何も考えない」「私自身の豊かさを定義しない」という選択肢には怯える必要があるように筆者は感じました。

一千億円もらったら何をしますか?

あなたは一千億円もらったら何がしたいですか?

書籍でも書かれていますが、明確な答えを即答できる方は少ないのではないでしょうか?

筆者も然りです。

おそらく数ヶ月は毎日山のようにamazonの段ボールが家に届くかもしれませんが、そこに豊かさが詰まっているかと問われればいかがでしょうか?

一千億円を集めるために粉骨砕身注力しても、経済制裁で資産が凍結されればその一千億円はメモ帳にさえなりません。

もちろんお金を否定するという話ではありません。

お金は愛すべき存在であり非常に大切な存在。

人類の画期的な発明品であり諸刃の剣です。

まとめ豊かさを定義せずにテクノロジーと対峙する様と、豊かさを定義せずにお金を集める様は非常に類似性が高く、共に豊かさを見失い続けることにならないでしょうか。
テクノロジーの未来はググればだいたいわかります。
この本の真骨頂はテクノロジーと対峙することを考察するための哲学にあると感じました。
この本をきっかけに、豊かさを定義し、テクノロジーとの付き合い方を考察してみてはいかがでしょうか。

Kotaro
Kotaro
服部 洸太郎
音大を卒業後ピアニストとして活動。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてシンガーアーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツへ渡りケルンにてAchim Tangと共に作品制作。
帰国後、金田式電流伝送DC録音の名手:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、録音エンジニアとしての活動開始。
独立後、音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックなどのアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、介護で使えるプログラムをM5Stackを使って自作。
株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにてアルゼンチンタンゴをはじめとした民族音楽に関する文化の研究、ピアノ音響、さらに432hz周波数を使った癒しのサウンドを研究中。
2022年9月より豊かな暮らしをテーマとしたウェブサイト『レンタルdeクラセル』も発信中〜