【おすすめ度バイブル級】ジム・クレイマーの“ローリスク”株式必勝講座

まずはじめに、この本のレビュー記事を書けるということを嬉しく思います。

というのも、この本は古本市場でもなかなか出回らない本で、重版もされていないため、かなりのプレミア価格が付いており、Amazonの中古でも執筆時点で最低額が、49761円~最高額(これはあんまり関係ありませんが)898789円にまで高騰しています。

みなさんがこの記事を発見するころにはいくらになっているでしょうか。

ちなみに英語が読める方は超ラッキーです。

原語版はかなりお安く入手することが可能です。

筆者は日本語訳版を中古本5800円で購入しました。

感想:ジムクレイマーの人間性が垣間見える逸品

彼は長年 MAD MONEY という米国では大人気の投資番組を配信し続けている米国のカリスマ投資家です。

ジム・クレイマーって誰?!

James Cramer、1955年2月10日 ~ 現在65歳。

クレイマーはフィラデルフィア郊外のウィンドモアで子供時代を過ごします。

この本では子供時代に父の仕事の関係で小売業界がいかに不安定な業界かを垣間見えたというエピソードなども書かれていました。

ハーバード大学に進学~1977年に卒業後、地方紙の記者としてキャリアを積みます。

[su_label type=”info”]ポイント![/su_label]
ちなみにその当時、1977年に記者として初めてもらった給与明細(178.82ドル)をいつも財布にお守りとして入れているそうです。

この頃、お金がなく、なんと最大9か月間も車の中で寝泊まりしていたそう。

ポイント1

お父さんに投資をすすめられお金が全くなかったこの記者時代から、なんとか毎月数~数十ドルを捻出し、投資に回していたそうです。

その後ハーバード法科大学院に入学。

1984年に卒業後ゴールドマン・サックスに入社し、トレーダーとしてのキャリアを開始する。

ポイント2

この法科大学院の学費・・・なんと投資で全額賄ったそうです。ゴールドマン・サックスに入社する前からすでにもう投資家としては凄腕だったんですね。

1987年に独立し、ヘッジファンド「Cramer Berkowitz」を設立。

13年間年率平均24%を生み出し、2001年のITバブル崩壊時には、S&P500が-11%だったのに対し、ジム・クレイマーのヘッジファンドは36%のリターンをあげウォール街を驚かせました。

その後ヘッジファンドはパートナーに託し、自身はウォール街から引退。

2005年からは『Mad Money』でホストを務めます。

ちなみに、「ウォールストリート・ジャーナル」誌の表紙を飾ったこともあるジム・クレイマーですが、この雑誌の記事では「彼の推奨に従ってもマイナスリターンしか得られない」ということを記事にされたこともありました。

これに関してジムクレイマーは否定していませんし。

彼は間違いは間違いで認めています。

彼の人間性が垣間見える内容

なぜ、ジムクレイマーはカリスマなのか?

なぜ多くの人が魅了されるのか?

それがよくわかる内容でした。

特に第7章「いつ売ればいいのか」

あたりからは、自身が失敗したエピソードを交えながら経験談を惜しげもなく披露してくれます。

これは如何に彼が典型的なギバー体質であるかということを物語っていました。

テイカー体質の人が自身の失敗談を話したりはしないと思います。

なにせ、「投資での失敗経験」というのは、その後何年にも渡って利益を産み出し続けてくれる凄まじい資産だからです。

典型的な「くれくれテイカー体質」と言えばジムロジャーズでしょうか。

この方の本は全くおすすめしませんが、数年くらいしたら中古で1円とか高くて数百円とかで買えるようになっていると思うので、典型的なテイカー投資家はどんな人か?

というのを見るのにはいいかもしれません。

ジムロジャーズの本はものの見事にまるで100%の打率かのように成功自慢ばかり並べられています。

ジムロジャーズのテイカーぶりとは若干論点がずれますが、ジムクレイマーも本書の中でこのように語っています。

誰でも必ず間違うことがある。
もし失敗したことが一度もないなどという投資のプロに出会ったら気をつけた方がいい。
そういう輩は「じっくり長者」を目指す投資家には百害あって一利なしだ。

引用:ジム・クレイマーの“ローリスク”株式必勝講座

じっくり長者とは、ジムクレイマーが本書で提唱する資産構築スタイルです。

要するに、金持ちになるのに近道はないのだ。
少なくとも私は、近道はしてこなかったし、みなさんもそんなことは期待すべきではない。

ジムクレイマー

MAD MONEY自体も視聴者に儲けてもらいたいという想いで長年発信しているそうで、本書を読めば、それが本心だということがよくわかります。

彼の失敗経験から学べることは本当に多いですし、大きな財産となっていくはずです。

あとがきにもこのように書かれています。

人間だれしも、わかっていても一時の感情や思い入れに身をゆだねてしまうことがある。
じっくり長者を目指す上で、それがいかに有害かはすでにお話した通りだ。
私が恥をしのんでおはなししたことが、皆さんの財産の保全につながれば、これ以上嬉しいことはない。

引用:ジム・クレイマーの“ローリスク”株式必勝講座「おわりに」

第7章までは、実践的なアドバイス。

そして第7章以降はジムクレイマーの投資人生での大きな失敗が並べられています。

ここまで自分の失敗ばかり披露できるプロの投資家が一体どれくらいいるでしょうか。

S&P500が-11%のときに、36%のリターンを挙げたことで有名なジムクレイマー。

本書では、それらの成功エピソードは一切語られていません。

それはまるで、「成功は勉強によって偶然の確率をあげているだけ、失敗はただの勉強不足だ」と言っているように感じるのは筆者だけでしょうか。

【厳選】特にためになったポイント

本当にすべての章が勉強になりましたし、どれも甲乙つけるなんてとてもじゃないけどできません。

しかし、その中から特に印象に残っている点をピックアップしてみたいと思います。

売るには安すぎる株なんかない

「安すぎる」という銘柄はしばしばさらに下がっていくからだ。

引用:ジム・クレイマーの“ローリスク”株式必勝講座

ジムクレイマーはウォール街時代の投資戦略メモを取っており、研究しているそうです。

さすが、「バイ&ホームワーク」を提唱する投資家です。

昔のメモを読み替えてしてみると、「今はあまりに安くて売れない」や、「こんなに安い銘柄を買わないわけにはいかない」など、客観的に見ると、保有し続けるために筋の通らない口実が並べられていたそうです。

みなさんもそんな経験ないでしょうか。

そうです。

損切りです。

投資の世界でリスクヘッジするための最重要スキル「損切り」。

分かっていてもついついこの「筋の通らない口実」を並べて自分を正当化してしまいがちです。

カリスマ投資家:ジムクレイマーでもやっちゃうんですから。。。

もちろん筋が通ればナンピンすればいいのですが、含み損を抱えているときに、筋の通らない口実を並べていないかどうか。。。

改めて確認してみることが大切です。

投資対象銘柄に惚れこむな

MAD MONEY内でも言っています。

「株は宗教じゃないんだ。ただの紙切れだ。」

これもジムクレイマー自身のapple株でのエピソードを交えながら披露してくれました。

投資の神様:ウォーレンバフェットの「バイ&ホールド」の概念がよくピックアップされ、ホールドこそ正義という風潮があった時代がありました。

しかし、ジムクレイマーは、「バイ&ホームワーク」を提唱しており、買ってからも常に勉強、情報収集、勉強の繰り返しが大切だと言っています。

apple株はまさに妄信的に、宗教的に信じてしまった典型例だったそうです。

ジムクレイマーも、自身はもちろん、娘のデバイスなど家中のデバイスすべてをapple製品で揃えるほどのapple信者だったそうです。

そのため、スティーブジョブズの死後、MAD MONEYに、スティーブジョブズの人生を取材したウォルター アイザックソンをゲストに迎え、貴重な話を聞いたにも関わらず、妄信的にappleを信じ続けてしまったというエピソードです。

「好きな会社」「応援したい会社」に投資するという考え方ももちろんいいと思います。

ビルゲイツのような、資産構築のフェーズが終了したような投資家ならいいかもしれません。

ただし、投資の目的が資産構築である場合「好きな会社」とか、「応援したい会社」などの感情は置いておくべきではないでしょうか。

2020年に起こった米国での黒人差別暴動事件。

ここでSmith & Wesson(銃やナイフなどの武器を製造する会社)の株が暴騰しました。

MAD MONEYで意見を求められたジムクレイマーは悲しそうな顔で「ノーコメントだ」と言っています。

さらにスモールビジネスの縮小や失業率などを真剣に心配する様子もあり、こういう感情的な一面が見えるのも彼の魅力の一つなのかもしれません。

金融業界は一筋縄ではいかない・・・

コロナパンデミックの相場。

やはり銀行株飛びつきたくなりますよね。

金融関係は小売りなどと違って、様々な業界の様々な事情が重なり、また時間差で押し寄せてくるもの。

さらに、一般の個人投資家がホームワークで得られる情報や資料はかなり限られているという点も危惧されています。

金融業界は慎重に、そして、手を出さない方が賢明と書かれています。

高配当株への注意喚起も書かれており、なるほど、こういうショック相場で且つ高配当な銀行株・・・

やっぱり手を出してしまいそうですよね。

また、今回のコロナパンデミック相場のように、政府のバックアップがあればなおさら欲しくなります。

しかし、「こんなに安い銘柄を買わないわけにはいかない」という発想が生まれるということは一度立ち止まって客観的に分析していく必要があります。

時代を超えてバイブルとなる投資本

ジム・クレイマーの“ローリスク”株式必勝講座はもちろんですが、他にも

などがあります。

こちらも時代や流行に関係なく、超オススメです。

ジム・クレイマーの“ローリスク”株式必勝講座は2015年の本。

ハワードマークスの本もそうですが、全然古くないんです。

そして、この先何年後に読んでも必ず投資人生において役に立つ財産になると思います。

バイブル級におすすめの書籍でした。

要するに、金持ちになるのに近道はないのだ。
少なくとも私は、近道はしてこなかったし、みなさんもそんなことは期待すべきではない。

ジムクレイマー

この言葉を肝に銘じて「じっくり長者」を目指していきましょう。

ちなみにこちらは2020年のコロナパンデミックの最中、ジムクレイマーがMAD MONEY内で公開した、COVID-19 INDEXです。

COVID-19 相場の中で強い銘柄をピックアップしてくれています。

みなさんの参考になれば幸いです。