※この記事は2020年10月18日に更新されました。
タルムードの話は人の数だけ答えがあります。
正解は一つではありません。
ユダヤ式教育では、このお話を元に親子で議論するそうです。
みなさんも是非自分なりの解釈や考察を持って、自分だけのオリジナルタルムードとして編纂してみてください。
元のお話はラビ・M・トケイヤー氏の書籍から引用させていただいております。
希望とは生きること

ラビのアキバが旅行していた。
引用:ユダヤ五〇〇〇年の知恵
ロバと犬と小さなランプを持っていた。
夜のとばりがおりて、アキバは一軒の納屋を見つけ、そこで寝ることにした。
しかしまだ寝るには早い時間だったので、彼はランプをつけて本を読み始めた。
すると風が吹いてランプが消え、彼は仕方なしに寝ることにした。
キツネが来て、連れていた犬を殺してしまった。
ライオンが来て、ロバを殺した。
朝になると、彼はランプを持って一人でとぼとぼと出発した。
ある村の近くに来ると、人影がまったくなく、彼は前の晩、盗賊がやってきて村を破壊し、村民を皆殺しにしたことを知った。
もしランプが風で消えていなければ、彼も盗賊に発見されたはずだ。
犬が生きていたら犬が吠えて盗賊に見つかったかもしれない。
ロバもやはり騒いだに違いない。
すべてを失ったおかげで彼は盗賊に発見されなかった。
ラビは、「最悪の状態でも、人間は希望を失ってはいけない。悪いことがよいことにつながることもありうることを、信じなければならない」と悟った。
捉え方次第でポジティブ思考

この話は端的に見ると、「ポジティブに考えましょう」で終わってしまいそうですが、そこで終わってしまってはタルムードの恩恵を手に入れられずに終わってしまいます。
もう少し考察してみましょう。
このお話は、アキバが「ある村」にたどり着いた点がポイントになっているんじゃないでしょうか。
通常何か不運なことが起こったり、不運なことが続いたとしても、「ある村」にたどり着くことは稀だと思います。
ほとんどの人が「ある村」にたどり着けないからこそいつまでも悔やみ続け、悩み続けているのかもしれません。
アキバはたまたまたどり着いたため過去に起こった不運を肯定することができました。
あなたは「ある村」を創り出せるか?!

ある村にたどり着いたのはたまたまだったと言えます。
ポイントはランプが消えたり、犬やロバが殺されたりしたときに、「ある村」をあなたの中に創り出せるか否か?
がポジティブ思考のポイントになってきます。
あると仮定して実験を繰り返すことによって、見つけられるかもしれませんし、少なくとも思考(実験)の中では確かにそこに存在しているのです。
創造力は知識よりも重要だ。
Albert Einstein (アルベルト・アインシュタイン)
知識には限界があるが、創造力は世界を覆う。
翌日すぐに「ある村」が見つかることは稀なことだと言えます。
もしすぐに見つからなければ、あると仮定して思考の中に創ってしまいましょう。
すると、火の消えたランプを持って一人でとぼとぼ出発する必要はなくなります。
「運がよかった・・・」「助かった」と感じて、すぐに次の道へ進みだすことができます。
2020年9月末時点の速報値
コロナパンデミックで外出自粛を余儀なくされた状況の中で、日本国内の自殺者速報値は14974人(執筆時点)となっています。
「ある村」の見つけ方。
を義務教育、またはご家庭でしっかり話し合うことで少しでもこの数を減らしていくことができるのではないでしょうか。
「こんなに最悪なことはが起こるとは・・・」と感じた際は是非このタルムードの話を思い出して「ある村」を創り出して全力で再スタートを切りましょう。